mixiユーザー(id:597544)

2017年03月13日01:34

518 view

田中圭一&杉江松恋「すごいよ!昭和マンガ恐山#7」(平成29年3月3日)

カフェライブワイヤーにて。お題は松本零士。
杉江先生は、このトークショー七回目にして漸く奥さんに認めて貰えたとか。今迄奥さんに変な漫画家ばかり・・・と云う風な感じに見られていて(奥さんは高橋留美子先生にも興味無かったらしい)それが今回は、頑張ってと云う感じで送り出して貰えたとか・・・松本先生は偉大だ、と杉江先生。その杉江先生、今回もスーツケース一杯に松本先生のコミックスやらカバーイラストが松本先生のハヤカワ文庫やら、実家で眼に付いたものをかき集めて詰めて来られた。ビルの3階迄、階段を一所懸命担いで来られたので、息が切れておられた。
田中先生はマガジン連載中の「男おいどん」で、杉江先生は秋田漫画文庫の「ガンフロンティア」で松本先生の漫画を知ったと云う。そして杉江さんはシヌノラ派。松本キャラの中でもシヌノラが一番好きだと云う。登場男性の多くと寝ながらも全く汚れた感じがせず超然としている。相手を殺す時でもクールに一撃で決めている。松本漫画のキャラクターもスターシステムだがシヌノラは他の作品には登場せず独特なキャラクターだと云う。
わたしの場合、松本先生は「男おいどん」(連載)→「電光オズマ」(虫コミックス)→「ワダチ」(連載)→C.L.ムーアの作品のイラスト(ハヤカワ文庫)→「セクサロイド」(サンコミックス)→「大純情くん」(連載)と云う様なパターンだっただろうか。
「男おいどん」はインキンタムシを扱ったのが特徴の一つで、又、縞のパンツと云うものを漫画に登場させたのも恐らく松本先生が最初だと云う。
「男おいどん」は唐突に終わったが、最終回に「ワダチ」の予告が載っている事から「ワダチ」をやりたくて「男おいどん」を終わらせたのではないかとの事。その「ワダチ」は「ペーソスSF」と成っているが最初はSFだと気付かず、だんだんと判って行く形。だが、最初はみな、主人公がまるで「男おいどん」だしアパートの四畳半だし何処が違うのか判らず、それが何時の間にかSFに成ってしまっていて、皆ついて来られなかったのか短命に終わってしまった。それだからか、次の「大純情くん」は最初から只の四畳半ものではないと判る仕掛けのSFに成っていたと杉江先生。
「セクサロイド」は、まだ主人公が「男おいどん」の様な見た眼が冴えないタイプに成る前で、ヒロインも最初の頃は今の松本漫画の女性とは違う顔立ち。話は面白いのにヒットしなかったのが判らないと杉江先生。
「男おいどん」の特徴の一つはサルマタケで、インキンタムシとサルマタケは松本先生ご自身の体験から来ているらしい。だが、あんなものを食べられるのかと想っていたら食べられるらしい。松本先生はご友人にも食べさせていたとか・・・しかしサルマタ(パンツ)に付いた胞子が毒キノコのものだったりしたら、今頃、松本先生はこの世には居られず「宇宙戦艦ヤマト」別な漫画家さんの絵だったかも知れない。いずれにせよ行き成り生えて来たキノコを食べるのに素人は危険だと云う話に成った。キノコにはしめじそっくりで猛毒のものもあると云う。尤も、しめじが猛毒のキノコに擬態しているのかも知れないとの事だった。
一方、田中先生はマンガ少年に連載された「ミライザーバン」が松本SFの中で最も完成度が高いと云う。そして「キャプテン・ハーロック」が最後はダメだとお二方。尚、ハーロックはTVでトチローの娘を出しているのが良くなかったと云うのもお二方&客席で、これは監督のりんたろうがこだわった為、松本先生がイヤイヤ作られたと云い、その後の喋り過ぎるハーロックと云い、この監督はハーロックに向いていなかった気がする。
ところで田中先生に依ると松本先生の絵は一時期、女性が幼い感じで「銀河鉄道999」も最初の頃のメーテルは可成り幼い感じだと云う。又、「銀河鉄道999」の頃は松本先生が相当多忙な頃で、1巻目の表紙は「ミライザーバン」の扉絵の女性(有紀螢)に帽子を描き足しただけだったそうで、つまり1巻の表紙の少年は本当はバンなのだと田中先生。
尚、田中先生は松本先生にお会いした事が有ったそうで、知的で礼儀正しい方だったそうだ。
ところで松本先生が描かれる女性キャラの継承者が居ないと云う。人気の有る漫画家の場合、似た絵の漫画家が現れる事が多いそうだが、松本先生の絵の場合、絵の継承者としては新谷かおる先生が居られるが新谷先生は女性は奥さんの佐伯かよの先生の絵に成ってしまう。結局、松本先生の場合、個性が強過ぎて継承者が居ないのだろうと云う話に成った。
1 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する