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2017年02月28日20:27

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【美術】圧倒的なコレクション!「ゴールドマン コレクション これぞ暁斎! 世界が認めたその画力」展

皆様、お今晩は。Bunkamura ザ・ミュージアムにて4月16日迄開催中の驚愕の大展覧会「ゴールドマン コレクション これぞ暁斎! 世界が認めたその画力」に行って参りました。その感想です。


河鍋暁斎(1831-1889)は、時代が大きく揺れ動いた幕末から明治を生きた絵師です。幼い頃に浮世絵師の歌川国芳に入門したのち、狩野派に学び19歳の若さで修業を終え、さらに流派に捉われず様々な画法を習得しました。仏画から戯画まで幅広い画題を、ときに独特のユーモアを交えながら、圧倒的な画力によって描き上げた暁斎。本展は、世界屈指の暁斎コレクションとして知られるイスラエル・ゴールドマン氏所蔵の作品によって、多岐に渡る暁斎作品の全体像を示します。

期待値十分だった本展覧会ですが、想像以上の量と質でしてこれがさして富豪でも無い海外の一コレクター所蔵品と言うのがにわかに信じられない思いでただ圧倒されました。
イスラエル・ゴールドマンさまは、英国の美術商の方でして売る人と集める人が一緒だったと言うケースは過去にポール・ギョームと言うモデリアーニ等を取り扱った画商がバーンズコレクションの収集を通して財を為し、そのコレクションが今はオランジェリー美術館の収蔵品となっているのが有名なケースでして、似てはいるけれどもディーラーとコレクターは両立しないものとされております。

今回驚いたのはそれだけでは有りません。鴉を描いた作品だけで15点出品されていますし、ポスターにもなっている『地獄太夫と一休』も別バージョンが出品されているし、『動物の曲芸』や『名鏡倭魂 新板』等は確かに師である国芳の系譜を継ぐ画風ですが、一方で『李白観瀑図』や『龍頭観音』等は正統的な狩野派の技法を使って描かれていますし、そうかと思えば『カマキリを捉える子犬』の子犬の描き方は円山派の手法と作品だけを見せられたらとても同一画家の作品とは思えない程に幅があるんです。

あと円山派関連で面白いなと思ったのは二枚の『月下猛虎図』の描き方が本物の虎を観ている筈なのに江戸時代から綿々と続く「大きくなった猫」の描き方をしている事。これは写実的に描いた『舶来虎豹幼絵説』と見比べてみれば一目瞭然。

そして今回は春画やリアリティに満ちた「幽霊画」迄盛り込んでいて堂々満腹の184点でした。あと現在図録を処分中なので今回は見送りましたがこの展覧会の図録2500円だと非常にお買い得です。いつか中古になって出回った時には購入しようと思っております優れモノとして強く推薦致します。


http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/17_kyosai/
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