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2017年02月28日16:43

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更生できるか?


 事件が5月だから、既に9か月ぐらいは拘留されている。
 そうであれば、実刑の14年6か月は、実質的に残り13年9か月ほどで、
 現在28歳の犯人は、42歳まで服役するわけである。
 (被告が控訴して刑が軽くなる場合もあるから、決定事項ではない。)

 日本の懲役は、「罰を与える」意味は当然あるのだが、
 この13年余りの間に、当人が更生する、という前提で刑が執行される。

 現実には、十分に更生できず、刑期を終えたのち、また何らかの犯罪を犯してしまうものがいるので、より厳罰を望む、という声が出てくるのは実情だろう。

 であるならば、問題は2点ある。
 日本の刑務所では、「更生プログラムが十分ではない」
 あるいは、重大な犯罪を犯した者に対する更生には十分な時間ではない。

 正直に思うところだが、そもそも刑務所でどんなプログラムが組まれているのかは知らない。それでも、人を本当に殺しかけた犯人が、どうやって更生するのかは、かなり難しいと感じる。
 犯罪に走る背景は様々かもしれないが、おおよそ逆恨み的に他者を痛めつけるあるいは殺してしまう、という犯行に及ぶのは、現実に自分が満たされない感情、があってのことだろう。現実世界は理不尽な部分が多々あるのは事実。
 これを、塀に囲まれた空間で、いくら教育を受けたとしても、28年間でねじ曲がってしまった心を、「真面目に働いて得た収入で、自分相応の楽しみを見つけて、人には迷惑を掛けないように生活する。」というような状態にまで行けるのかはちょっと疑問。

 そもそも、刑務所には入っていない、元々重大な犯罪など犯したことの無い人であっても、結構ねじ曲がった感情を持っていたりする。(その一部が犯罪を犯す、と言えなくもないが。)
 現実の世界が人に与えるストレスは、結構なものである。本来、野生で生きている生き物はストレスに満ち満ちた生活を送っているのは容易に想像がつく。鳥などがパタっと死んでしまったりするのは、そのストレスの結果なのか? と思わないでもない。
 人は、住環境を整えたり、毎年見通しのつくような収入を得たり、あるいは暖かい家庭を作ったりして、そうしたストレスから逃れるような生き方をめざすのだろうが、そうは言っても簡単にはストレスから解放されたりはしない。
 社会の中で、一定数の犯罪が防止できないのは、ある意味、「社会」を構成する段階において宿命的なものなのかもしれない。
 こんなシステムを導入したら功を奏するのだろうか? 例えば、ストレスを数値的に表示できるようなものが開発できたとして、その数値がある値に達すると「危険」ということで、これを減らせるような「スカッとする」何か? を、行ってストレスを開放する。
 夢みたいなことかもしれないが、これで社会の犯罪を一定数減らせるなら研究の余地は十分あるはず。論点になるのは、ストレスを一体何から読み取るか、ということと、「スカッとする」何か? は個々人で違うだろうと思えるところである。

 社会的には、パチンコなんかは、「仇敵」とも取れるような言い方をされることがあるが、あれでストレス発散して重大な犯罪を防止できている可能性はある。ギャンブルには大なり小なりそのような効果はあるだろう。(だが、それが作る借金が他の犯罪の要因になり得ることは無視できない。)
 ストレス発散が上手にできる人には、問題にはならないような話なのだ。そもそも、このような犯罪に陥った背景には、自分の目の前で歌ったり踊ったりしてくれる女の子、その女の子は、自分にいつも微笑みかけてくれているのだから、きっと好きでいてくれるに違いない。(実際はそれが仕事だからそうしているのであって、個人的な感情ではない。)のだが、自分に対する恋愛感情だと勘違いして、交際を求めたり、せめて手紙の返事が欲しい、とか無理な要求があってのことだろう。

 それが事実なのだが、「事実が事実である」、ことを教えてくれる人が身近にいなかったのだろう。28歳になるまでその環境だったことはかなり重要。この時点で教えてもらったら、現実とはそのようなもの、とハッと気が付けばよいが、どうもそうではないらしい。
 これは、色々子どもに教えてきて分かることだが、どうにも成長の悪い子どもはいる。単に宿題を怠けていて学力が向上していないとか、そのようなものではなく、社会との接点が余りにも少なく、心の成長が遅い、というかもう止まっているのではないか、とさえ思える場合がある。
 社会との接点が少ない、というのは学校に行っていないのではなく、学校に行っても、大事なことを人には話さない、人の話も大事なことは聞いていない、上っ面の付き合いばかりで生活しているようなケース。
 どこで躓いてそうなってしまうのか、それが分かれば解消方法も見つかる。こうした問題は、一人一人にケースバイケースなので、気がついた時は

 「人を刺してしまった」

 では遅すぎる。が、現実はそうであった。

 自分は死んでも良かったと思っているのだろうか?
 これからの人生における楽しみは、なにも見いだせていなかったのだろうか?
 この辺は、おそらくずっと分からないままだろう。

 ただ、加害者が救われないのは仕方のないこと、だとしても、被害者は何の落ち度もなかったはずである。このような犯罪に巻き込まれてしまう被害者がいる以上、社会の側でそもそも犯罪自体が起こらないようにするにはどうすべきか、は考えないといけない。

 犯罪が起こった結果を受けるなら。
 犯人は更生できるのか? が焦点であって、更生できないならやはり2度と社会に戻すべきではない。刑法上の刑期は、一応はこの年限ならば更生できる、という考え方があってのこと、だがそうは思えないような犯罪が多いのも事実だと感じる。

 もっとも、そう「感じる」だけであって、28歳で自暴自棄的なことをしたが、42歳になってみれば、もう残りの人生も見えてくる、まじめに生きて行こう、と思うのかもしれない。

 どっちか控訴するだろうか?
 被告側が控訴してきたら、この担当弁護士は社会になんと言いたいかを聞いてみたい。

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■小金井・女性刺傷、被告に懲役14年6カ月 地裁判決
(朝日新聞デジタル - 02月28日 14:56)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=4454229

 東京都小金井市で昨年5月、音楽活動をしていた冨田真由さん(21)がファンの男に刺され重傷を負った事件で、殺人未遂などの罪に問われた群馬県伊勢崎市の無職岩埼(いわざき)友宏被告(28)の裁判員裁判の判決が28日、東京地裁立川支部であった。阿部浩巳裁判長は、懲役14年6カ月(求刑懲役17年)を言い渡した。

 起訴状などによると、岩埼被告は昨年5月21日午後5時5分ごろ、東京都小金井市本町6丁目のアーケード内で、冨田さんの首などを折り畳みナイフで少なくとも34カ所刺し、殺害しようとしたとされる。冨田さんは一時意識不明の状態になり、その後意識が回復。しかし、口など一部の神経がマヒし、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を負うなどの後遺症が残った。

 裁判で検察側は、事前にナイフを購入していることなどから「一定の計画性があり、強い殺意があった」と主張。「他に類を見ないほど悪質で、反社会的な犯行」として、同じような事件でのこれまでの量刑にとらわれるべきではないとした。また冨田さんの代理人弁護士は、無期懲役にするべきだと訴えていた。

 一方の弁護側は、犯行直後に被告が119番通報していることなどを挙げ、「衝動的な犯行で計画性はない」と反論。同じような刺傷事件での刑の重さを考慮すべきだと主張していた。

 裁判の中では冨田さんも出廷し、意見を陳述した。しかし、証言の途中で岩埼被告が「じゃあ殺せよ」などと繰り返し怒鳴り、阿部裁判長から退廷を命じられていた。(根津弥、志村英司)
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