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2017年01月11日18:56

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12月の。そして昨年の。

12月に観たのは『トランスワールド』『天才スピヴェット』の2本。
月間賞……て云えるほどの本数じゃないですが、そしてどっちも面白かったですがまぁ敢えて選ぶと『トランスワールド』かなぁ。て感じ。

●『トランスワールド』
車がエンストするなどして荒涼とした冬の森に次々と迷い込んで来たアメリカ人が3人、ボロボロの小屋で出会う。そのまま森の何処をどう歩いてもその小屋に戻って来て仕舞い、森に囚われて抜け出せなくなって仕舞う彼ら。お互いのコトを語り合うウチ、3人とも元居た場所も時間軸もバラバラであるコトを知る。更にドイツの兵隊が現れて……。的な映画。
こう云うパタァンの場合、死ぬか死に掛けてるかして実はリンボに居ましたってパタァンが多い気がするのだケド、正直に云いますと『荒んだ寒々しい森を不似合いな靴と服装で痛々しくよろけながら歩く女』て云うビジュアルを見た瞬間にちらっとそれを思ったケドでも違ったね。
彼らが次第に『他人でない』コトが判ってゆくこの流れ、パズルのピースがパチパチ心地よく嵌まってくこの感じはいい。好み。ちゃんとヒントはちりばめてあんのねアチコチにそれとなく。よく出来た、てかよく纏まった話だと思います。メインの3人とも説得力あったし。『時代のズレ』が判明したトキに「あぁそうか、それで」て思えるような。面白かったよ。オチも含め。
この事件、結局何だったん?何てコトをちょこっとだけ考えるとまぁ、ハンスを切っ掛けに運命のボタンが狂って仕舞ったこの救われない血脈に対する救済措置、なのかな。空の上の誰かの。みたいなね。まぁガソスタの店員さんは救われなかったけどさ。ついでに救ったげてよ。ひでえな。とはね、思いました。

●『天才スピヴェット』
家族と一緒に田舎の牧場に住んで居る10才の天才少年スピヴェット。彼が発明した『磁気車輪』が、発明者は大人だと誤解されたままスミソニアン財団の賞を受け、記念式典での講演を依頼される。スピヴェットは1人で、いや死んだ弟のマボロシと共にスミソニアンへの長旅に出る。いろいろなヒトと出会い交流しながら。オオムネこんな話。
父の縮小コピーだった弟の死に負い目と責任を感じ、自分ではなく彼が牧場に、父の隣に残るべきだったと思うスピヴェットは、家族の誰にも告げず1人で家出するように旅立つのだけど。
エキセントリックだけどいい家族に見えるんだよな。その中で若干の疎外感を感じて居た主人公は『自分と遊んで居て起きて仕舞ったレイトンの死』を処理し切れてなかったのかな。家族の誰もが積極的に触れなかったコトであるけど天才少年の心にはより一層深いしこりとなって残って仕舞ってた、そんな感じ。それが解消されるための旅でしたのね。メタ的に云えば。
章の切り替えに出て来る『飛び出す絵本』とかスピヴェットの脳内で展開される『世界の学術的解釈』とかイチイチ演出が楽しい。ラストも穏やかで好き。「統計的に言って次の子供はトースターの生まれ変わりだ」てセリフとか、磁気車輪の活用法とかね。そのままで居れる場所があるって素晴らしいね。
ジュネ映画常連のクシャおじさん、一度見たら忘れないドミニク・ピノン。今回は旅の途中で会った浮浪者ぽいおじさん役。スズメを救う松の木の話をして呉れたチョイ役だけど重要なポジションでした。

●●●
つうワケで昨年1年間に観た映画はトータル43本。
この中で「もっかい観てもいいかなぁ?」て観点で選び出したのが

『Dr.パルナサスの鏡』
『ゼロ・グラビティ』
『ブラックスワン』
『わたしを離さないで』
『ハウンター』
『永遠のこどもたち』
『ザ・エンド』
『ビッグ・フィッシュ』
『プリシラ』
『フェーズ6』
『シン・ゴジラ』
『アナザー・プラネット』
『エンド・オブ・ザ・ワールド』
『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』
『フランシス・ハ』
『トランスワールド』
『天才スピヴェット』

の17本。
この中から更に「今日、も1回観るとしたら?」で1本だけセレクトすると『わたしを離さないで』かなぁ。
一番タマシイを揺さぶって呉れた、多分一生忘れない映画のひとつ。

ワーストは、まぁ、其処まで酷いのはなかったんで設定しないどきます。ムリクリ選べば『プロメテウス』『エリア52』辺りなのだけど。
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