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2016年12月26日13:10

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「逃げ恥」終了

「逃げるは恥だが、役に立つ」、最終回をようやく観た。
「真田丸」と違って、文句なしの見事なラスト。
今期ではダントツに面白いドラマだったな、と。

ただ、第1話の段階では、主人公のみくりがヒラマサとの契約結婚に踏み切る動機づけがちょっと弱い気がして、そこがちょっと引っかかった。
独身の男とひとつ屋根の下で暮らすにあたって、少なくとも大人の女性ならもっと警戒心があってしかるべきではないかな、と(まあ、その時点でみくりはすでにヒラマサに惚れていた、という解釈もできるのだけど)。

それで、つまるところこれは草食系男子の夢というか願望充足ファンタジーなんだな、と思った。
新垣結衣を家事代行サービスの従業員として雇い、「雇用主」としての「優越性」が担保されつつ、恋愛関係へとリードまでしてくれるのだから、男としてはまさに至れり尽くせり。
これはこれでエンタテインメントとして全然OK。
けれど、後半になって2人の関係が深まっていくにつれ、触れ込み通り社会派ラブコメとしての色合いが強くなっていって、男のファンタジーに留まらない、リアルな男女のドラマになった感がある。
主人公の2人がともに理屈っぽいので何か問題が起きるたびに論理的に分析して対処するのが、従来の恋愛ドラマとは一味違う面白さだった。
でも理屈ではわりきれないのが恋愛であり、そうと悟ってやっと互いの気持ちに正直になって結ばれる――という、実に遠回りなラブストーリーでありながら、その回りくどさ、もどかしさが退屈になることなく感情移入して観れたのだから、そのへんは本当に作劇が見事だった。

そしてある意味このドラマが1番リアルだったのは、結ばれてめでたしめでたしではなく、そこから先の、関係が深くなれば深くあるほど面倒なことも増えてくる現実も描いたこと。そもそも男と女が(あるいは人と人が)関係を築くということはどういうことなのか、という本質に踏み込んだリアリティがそこに感じられた。
多種多様な価値観が混在化し、旧来の価値観が再定義されつつある「現在」、このドラマは、夫婦や恋人、同性愛も含めたさまざまな関係性を再定義するベクトルをもった、まさに「現在」形のドラマだったのではないか。
そう考えると、「逃げるは恥だが、役に立つ」というタイトルも何か示唆的に感じられる。

それにしても、このドラマの新垣結衣は可愛かった。
そんなことは充分わかっていたはずなのに、これまで観たどのドラマよりも可愛く見えた。
恐るべし、新垣結衣。

そしてもう1つ忘れちゃいけないのが、脚本の野木亜紀子。
「空飛ぶ広報室」、「掟上今日子の備忘録」、「重版出来」と外れなしの仕事っぷり。
これからは要チェックだな、と。


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