風の中のマリア

　百田尚樹さんの「風の中のマリア」を読みました。

　オオスズメバチのワーカーであるマリアを擬人化しオオスズメバチの一生を描いたもので、様々な生態は遺伝の仕組みなどを詳しく書いており、受精卵では雌バチが生まれるのに対し、無精卵では雄バチが生まれるというのは、同じ様に単一生殖で繁殖できるトカゲなど爬虫類だと生まれてくるのは親をクローンしたような雌ばかりなので、その違いがなかなかに興味深かったですね！！

　ただ、スズメバチの一生を通じて、何か様々な問題提起や人になぞらえるという事が余りなかったので、最初の書いたように内容がオオスズメバチの生態をドラマチックに紹介するだけにとどまっているおり、そういった所があれば更なる名作になっていたと思われ、非常に勿体無いと思いました(´'ω'`)