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2016年11月09日02:29

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アダンバレエ

Coccoの新作「アダンバレエ」をようやく聴いた。
音楽的に特に目新しい要素は見当たらないけれど、音像の印象がちょっと変わったかな。
一言でいうと、バンドサウンド感が強く出ている。
Coccoというよりは「Coccoバンド」の作品、みたいな。
実際のところはわからないけれど、基本一発録りみたいな、ラフでローファイな印象。
それが、音楽全体を柔らかくしているというか、結果的にポップで聴きやすくなったかなあ、と。
全13曲で約48分とコンパクトにまとまっているのも、その印象を後押ししている。

ひょっとしたら、今回初めてCoccoは音楽を前向きに楽しんでいるのかも、そんな気がした。
Coccoにとって音楽とは、本人の言葉でいうと「うんち」だった。
出さないと死んでしまうから、出さざるを得ないという。
ちょっと汚ないたとえだけど(笑)それが本人の実感だったようだ。

でも、おそらくは、ここ何年かでの舞台や映画での女優活動が、そうした状況を変えたのかもしれない。
女優活動で手応えを得たことで、音楽活動に対してこれまでよりも俯瞰的なスタンスで臨めたのかもしれない。
そのフィードバック的な成果が、この新作における、どこか吹っ切れたポップ感なのかも。
瑞々しくも躍動的な音楽は、Coccoの新境地といっていいかも。
アルバムラストの「ひばり」で、「どうして世界をあきらめられよう」とCoccoは歌う。
こんな前向きで力強い言葉が歌われたのは、初めてではなかろうか。
案外これからがCoccoの本領発揮だったりして――ふとそんなことを思ったりもする。
まあ、すでに日本最強の歌姫ではあるけれど。
では、アルバムから「有終の美」を――。




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