9月23日(火)
朝6時過ぎに名古屋駅に到着。
一週間ぶりだけど、なんだか懐かしい気分だ。
台湾人たちは初めての名古屋だ。
いっしょに自宅へ行く。
突然の来客でネコがびっくりして、いつまでも部屋の隅で唸っていた。
昼前までお昼寝する。
それから名古屋観光に出かけた。
どこか行きたいところはないかと聞いたら、登山用品店がいいと言う。
石井スポーツ、好日山荘、モンベルへ連れて行った。
ついでにヨドバシカメラにも寄る。
べつに名古屋まで来て行くようなところじゃないのになあ。
9月24日(水)
早朝に出発。
わたしの車で中央高速を走る。
木曽町の元橋を渡って山の中へ。
御岳ロープウェイに到着。
今日は御嶽山(3067m)に登る。
もちろん日本百名山で、日本最高の活火山だ。
2年前に噴火して、58名の死者を出した。
いまでも頂上は立入禁止。
だから今回は九合目の上の二ノ池まで登る。
ロープウェイに乗り込んだのが8時30分。
山頂駅で下りて歩き出す。
散策路のような道を行くと、すぐに七合目の小屋だ。
このルートの山小屋は、どこも古くて懐かしい。
江戸時代から、白装束の御嶽教の人たちが登山している時代から営業しているからだ。
森林限界を抜けると八合目の小屋だ。
頂上が見えてきた。
もう紅葉が始まっている。
登山道沿いには御嶽教のモニュメントがぎっしりと並んでいる。
石碑や石像、鳥居を横に見ながら登っていく。
写真付きの黄さんは被写体がたくさんあって大喜び。
いくら待っても撮影に夢中で登ってこないので先に行く。
このあたりから地面には火山灰が積もっている。
2年前の噴火で降ってきたものだ。
やがてハイマツの岩場になり九合目の小屋に到着。
小屋の中をくぐり抜けて、さらに上へ行く。
稜線に出て、本当ならあと少しで剣が峰だ。
でも立入禁止の看板とロープで先に行けない。
だから分かれ道を二ノ池方面へ歩いて行く。
小さな尾根を越えると二ノ池だ。
なんだか池の形が変わっている。
面積も小さくなっている。
それに手前に新しい池ができている。
これは、この前の噴火でできたものだ。
すれ違った人が言っていた。
「驚きましたねえ!2.5ノ池ですよ!」
二ノ池の向こうに剣が峰が見える。
あの山の反対側に、いまでも5人の遺体が火山灰に埋もれて眠っているのだ。
幸いなことに天気は良かった。
北の方の景色が良い。
三ノ池、飛騨頂上、その後ろには乗鞍や穂高連峰が見える。
剣が峰には行けなかったけど、台湾人たちは満足していた。
下山途中、九合目の横にあった献花台で合掌する。
あと3日で噴火から2年だ。
遭難者の関係だろうか、菊の花などを背負った人たちと何度もすれ違った。
八合目辺りでは御嶽教の人たちが跪いて祝詞を上げていた。
わたしはこういうのに鈍いのだけど、今の御嶽はすごく霊的なものを感じる。
恐山なんか余裕で勝てるほどだ。
午後2時、ロープウェイに戻って下に降りる。
駐車場で着替えていたら雨が降り出した。
麓の温泉「やまゆり荘」で汗を流す。
国道361号線で岐阜県高山市へ行く。
今日の宿もゲストハウスだ。
高山駅から500m程のところにある。
観光地から少し外れているので静かな場所だ。
セブンイレブンが隣になるのでとても便利。
去年新築開店したばかりできれいな建物だった。
これで一泊2900円。
泊まっているのは外人ばかり。
日本人のわたしは、なんだか肩身が狭い。
高山市はミシュラン3つ星になって、急に外国人観光客が増えたという。
街を歩いていても欧米人ばかりだ。
到着したのが日暮れだったので、高山ラーメンのお店で軽くビールを飲んで就寝。
ここのゲストハウスもHPがある↓
http://guesthouse-ouka.com/index.html
9月25日(日)
今日は高山観光だ。
台湾人は初めての高山で張り切っている。
朝早く起きて宮川朝市へ。
写真撮影でのろのろと歩く黄さんを置き去りにして、許さんと観光をする。
高山陣屋の朝市、上三之町などの古い町並み、東山遊歩道に立ち並ぶお寺を歩いた。
高山には造り酒屋がたくさんある。
それらに一つずつ入って、酒を注文して飲む。
何軒もあるから酔っ払ってくる。
だからお昼ごはんを食べてからゲストハウスに戻ってお昼寝。
夕方に車で臥龍温泉へ行く。
台湾人が「夕食はぜひ飛騨牛を食べたい」と言う。
どこに連れていけば良いかわからないので、高山在住の知り合いにメールで教えてもらう。
駅の近くにある「千石屋」という焼肉屋へ行った。
台湾人たちは、いわゆる日本オタクで、日本文化にやたらと詳しい。
玩具屋の前を通っても「タミヤ模型のポスターがあるぞ。この会社は静岡が本社だろう」などと、どうでもいいようなことをめちゃくちゃ知っている。
それで、焼肉屋に入りメニューを見て、わたしが言った。
「ホルモンは好きですか?カルビとロースも、先に頼みますか??」
「ビビンバはあとで注文しましょうか?」
台湾人は何を言っているのか、まったく理解できていなかった。
お前ら焼肉を知らんのか!?
何度も日本に来ていてもったいない。
飛騨牛を食べながら、焼肉がどのようにして日本で生まれたかを説明してやった。
なにはともあれ、これでわたしといっしょに行動する最後の夜だ。
打ち上げ気分で酒をたくさん飲んだ。
9月26日(月)
午前8時、台湾人たちは荷物をまとめてゲストハウスの玄関で待っていた。
今日からは、わたしと別の人が山登りの案内をする。
次の案内人は関西の人だ。
台湾人たちを乗鞍、焼岳へ連れて行き、関西空港から帰国させることになっている。
神戸ナンバーのプリウスが到着した。
大きな荷物を一生懸命トランクに詰め込んでいる。
だからヨドバシカメラ名古屋店で買物なんかするなと言ったのに。
梅田にもっと大きなところがあるだろ。
台湾人と握手して別れる。
車は乗鞍方面へ走っていった。
今日も天気が悪いけど大丈夫だろうか。
まあ、あとのことはどうでもいいや。
ゲストハウスのチェックアウトは11時までだ。
もうちょっと寝ることにした。
終わり
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