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2016年08月24日21:02

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強姦や覚醒剤の裁判を傍聴する

名古屋地方裁判所へ行ってきた。

傍聴支援のためだ。

ある銀行で若い男の行員が自殺した。
過労とパワハラが原因だった。
両親が裁判を起こした。
こういう訴訟では、傍聴人が多いほど良い。
少ないと狭い部屋で、さっさと審理が進行してしまう。

公判が終わった。
訴えたお父さんが支援の人に深々とお辞儀をして感謝していた。
これからも頑張ってほしい。


ところで、今日は朝から暇だったので他の公判も傍聴した。
刑事裁判だ。

いままで民事は何度も見ているけど、刑事は初めてだ。

裁判所の受付にファイルがある。
今日の公判の一覧が書いてある。

面白そうな刑事裁判を四つ選んだ。
簡単に事件を紹介する。


覚醒剤の前歴がある男。
ラリって妻に暴行を加え逮捕された。

元暴力団の人。
酒気帯び運転でキャバクラに行ったけど、指名したい女の子がお休みだった。
腹が立って二人のキャバ嬢の頭をサンダルで殴りつけた。

高校中退で少年院送りになった二十歳の男。
住宅街の暗がりで帰宅途中の女性を待ち伏せて強姦した。

60歳の無職の人。
覚醒剤取締法で前科7犯。
今年の4月に仮釈放されたけど、直後にまた覚醒剤不法所持で逮捕された。



これだけを読めば、全員揃って人間のクズだと思うだろう。

だけど実際に本人たちの顔を見て、証言を聞いていると、みんな普通の人なのだ。

たとえば強姦した二十歳のおにーちゃん。
おとなしそうな青年だった。
彼は両親とは絶縁している。
父親が厳しく高圧的な人だった。
「お前は将来は競輪選手になれ。それ以外はダメだ」
と言って、妻や子供に暴力をふるう。
話ができる親族は、母方のおじいちゃんだけ。
おじいちゃんは証言台に立って、出所したら自分がきちんと監督していくから寛大な判決を、と訴えていた。
おにーちゃんは、ちょっと泣いていた。


覚醒剤前科7犯の人は、30歳で鉄工所を立ち上げて社長になった。
でも経営がうまくいかない。
従業員に教えられた覚醒剤にハマった。
捕まって、釈放されて、またクスリに手を出す。
妻に逃げられて天涯孤独になった。
弁護士さんが陳述していた。
彼はこれから懲役を受けて出所しても独りぼっちです、年金もありません、心から反省しいるのでどうか寛大な判決をお願いいたします。


マスコミなどで犯罪のニュースが流れるとネトウヨのバカが騒ぎ出す。
「極刑にしろ!死刑だ!」

自分の欲求不満を弱者にぶつけるなよ。
一日ヒマを見つけて刑事裁判の傍聴に行ってほしい。
犯罪についての考え方、犯罪者についての見方が変わると思う。
テレビドラマなんかより、ずっと面白いし。


でもあまり田舎の地方裁判所だと事件が少ないだろうなあ。
傍聴しても楽しくないかもしれない。
そのてん東京はいいなあ。
いろんな犯罪があって。
名古屋でも19人殺しとか、ああいうのが起きればいいのに。

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