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2016年05月26日23:03

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映画をおごってやろう。

Zootopiaでいい。

という感じで、人におごってもらって観てきた『Zootopia』。
映画館行くの何年ぶりだろう。

観て思ったのは、己の感性の衰えと、
モノの好き嫌いが随分ねじ曲がってしまったのだなあ、という寂しさか。

いや、まあ面白かったのは間違いない。
でも、好きになる要素があんまり出てこないんだよね。
良く出来てるし、流石だなあとか思うんだけど、
でもさ、
あの、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオが作ってるんだぜ?
世界中から飛び切りの才能、それこそ宮崎駿に迫る才能が集まって、
そいつらが会議を重ねて作ってるんだ。
ロジカルな超一流を作らなけりゃ、それは嘘ってもんだろう?
実際、そうして作られたシナリオは、何から何までそうそう文句のつけようがなく
(文句をつけるとしたら、ミュージカルがなかったことかな)、
技術と才能の到達点を見せられた、っていうのは間違いないと思う。
けどさ、
別に俺が観たいのってそういうのじゃないんだ。

宮崎駿がヤバいのって、あれだけ才能を持っていながら、
一人で、センスだけで作ってるんだよね。
『崖の上のポニョ』の制作ドキュメンタリーをちょっと見たことがあるけれど、
宮崎駿が頭っからシナリオ上げて、
それに追随する形でフィルム上げてってるんだよね。
結末決まってなくて、伏線なんか知ったこっちゃなしに
ひたすら自分が納得できる展開を追っかけ続けてる感じ。
で、シナリオに詰まると制作止まるから、誰も宮崎駿を止められない。
普通、誰か止めるだろ、あんなの。

…結局は制作方式と目指す場所の違いだから、
ホント好みの話になってしまうんだけど、
そういう意味であの完成されたシナリオは、
凄いとは思うけど、あまり興味が持てなかったりする。
その一方で、伏線的にシナリオに絡まなかった部分、
例えば、ズートピアが動物たちの生態に合わせて5つの環境を再現しているところとか、
ジュディのアパートの隣の部屋のやたら声の大きい二人(多分ホモだ)とか、
都市部の中で隔離された小動物街とか、
ヌーディストクラブだとか、
シロクママフィアのボスがハリネズミだとか、
陸運局の職員が全員ナマケモノだとか(フラッシュはもっと活躍すべきだった!!)、
ガゼルの周りの踊り子がストリッパーさながらのマッチョのトラだとか、
そういう部分に、『ポニョ』のような、
全然ロジカルじゃないけど、製作者にとってそうせざるを得ない様な、
そういう、力強さというか、驚きというというか、そういうものを感じて、
……そしてそれらは、シナリオの大筋にあんまり関わらなかった。
好きになれる部分の尽くが、ロジックの隙間に執念だけでねじ込まれたような気がして、
それで余計に、「こういうのが観たいわけじゃないんだよなあ」っていう気持ちになった。

何か申し訳ない感じ。


あ、でも、全編を通じて、
「服着た方が動物はえろいんだぜ」っていう思いは伝わったよ。
ヌーディストクラブの動物は全然えろくなかったし、
ジュディも、ぴっちりした制服より、
レギンスにスカートにシャツに、みたいな普段着の方が、
ふわっとしたラインに、時折見える体のラインが際立ってとってもキュート。
きっと、そういう映像を作れれば他はどうでもよくって、
物語部分にはあんまりこだわりの無い人が多かったんじゃないかとか、今思った。
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