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2016年05月09日19:27

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4月の。

4月に観た映画は『13F』『ハウンター』『+1』『アリス・イン・ワンダーランド』の4本。

●『13F』
ヴァーチャルリアリティ開発者の謎の死。彼は何か恐るべきコトに気づき、仮想空間内に手掛かりを残し、そして何者かに殺された。その死の謎を解くため、そして自分に掛けられた殺人の嫌疑を晴らすため、主人公はコンピュータの中に創られた1930年代のロサンゼルス、AIたちが己を人間だと思い込んで暮らす街へと赴くが……的な話。
仮想空間中の自我を持った仮想人間。別の人生を生きる同じ顔した自分の分身に憑依するって設定は入れ子状態を面白くする一助になってたかも。同僚とか刑事さんとかの『モデル』も居たのかしらね?
『上の階層の人間に入られてるトキに死ぬと代わりに上に行ける』て設定は何でやねんと思いつつちょと面白かった。まぁ人間の精神も電脳上のデータも同じ電気信号だしね。
その流れの先にあるラストはもう絵に描いたようなハッピイエンドなんだけど何だろう、何か引っ掛かるモノを感じる。ムリヤリ言語化すると「……それでいいの?」て云う。ご都合主義過ぎ、なのかも。

●『ハウンター』
霧に閉じ込められた家の中で何度も何度も繰り返される『誕生日前日』て云う同じ1日、同じ会話。弟のイマジナリーフレンド。何処からか主人公を呼ぶ囁き。扉の向こうの人影。家族がなくした眼鏡と洗濯物と車のプラグ。この家には何かが居る……そんな話。
筋書き自体はストレィトで判り易いお話。ちょと『トワイライトゾーン』向け物件のニオイもするな。ストーリィ展開の仕組みがちょと、イヤかなり『脱出ゲェム』ぽいけどでもホラーでありながら恐らく意図的にショックシィンを排除したストイックな作りは個人的に好みではあります。
最初の犠牲者である数十年前に死んだ少女。自分が死んだコトを知らず「監禁されて一晩帰れなかった。家族は心配してる」て云う彼女に主人公が「一晩じゃなくもっと長い間。家族はもう悲しみを乗り越え、残りの人生を歩んでる」て告げるシィン、そのコトバを否定する少女の歪んだ表情が何か、残る。

●『+1』
彼女と決定的に仲違いした主人公がモヤモヤしながらパーティに参加した夜。街に隕石が落っこちてスパーク、停電が起きて皆の数十分前の分身が現れる。それは過去を再現しつつ、停電するタビに消えて少し現在に近づいて再登場×繰り返し。追いつかれたら俺たちどうなるの?的な映画。
主人公は彼女の分身と接触、教訓をゲスいカタチで生かしてコッチの彼女と仲直り、本来の彼女と交換してハッピィ。こんなクズな主人公、久々に見た。破滅オチだと思ってたのでリセット→リトライて云うゲェム的展開は意外ちゃ意外だったけど。アト大半がパニクって自分と殺し合ってた中、事態を冷静に把握し建設的に行動したとムリヤリ肯定出来なくもないけど。
一番平和だったのは分身の自分と並んでずっと寝てた酔っ払い。先に潰れたモン勝ちは真理。次点で分身の自分と意気投合して仲良くやってた不思議ちゃん。彼女が2番目の勝ち組かな。僕はこう云う脇のヘンなキャラが好きなのでこの2人はよかったです(この不思議ちゃん双子だそうで、だとすると自分自身とガッツリ関わるのが彼女だけってのも頷ける)。

●『アリス・イン・ワンダーランド』
幼少時よりワンダーランドの夢を見続け、現実では唯一の理解者であった大好きな父を早くに喪い、タテマエで駆動する社会との折り合いを付けられず『ヘンな女』扱いを受け抑圧されて居る19才のアリス。貴族に申し込まれたイヤな結婚を断り切れず『保留』にして逃げウサギを追い掛け穴に落ちワンダーランドへ……て云う話。
ヘンなコトばっか思いつく自分はヘンなのか?て云う幼いアリスの問い掛けに「そうだね。でも優れた人は皆ヘンだ」て答える素敵な父が亡くなり、ヘンな自分を肯定して呉れるヒトは居なくなり、アリスの発するヘンな思いつきヘンな発言は宙に漂い拡散し。
そんなアリスを肯定し、自分らしさを失わずに現実と向き合う強さを呉れるはワンダーランド、て構図はまぁベタちゃベタだけど安心出来る展開ではあります。
ホントは妹みたく皆に好かれたいのに叶わないから恐怖支配に走る不器用な赤の女王の哀れさが際立つ。ラストも可哀想だし。その妹、白の女王の『アタマのネジが控えめにブッ飛んでる』感じもなかなかグッド。

●●●
月間賞は『ハウンター』かな。
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