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2016年05月08日11:28

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アイーダ・プリマ号就航

写真はアイーダ・クルーズのサイト(ドイツ語)https://www.aida.de/neue-generation/home.26514.html
より拝借した画像。

三菱重工業、ドイツ・ハンブルクで「アイーダ・プリマ」お披露目(海事プレス)http://www.cruise-mag.com/news.php?obj=20160430_01
によれば、三菱重工業は4月29日、ドイツ・ハンブルクに停泊中の「アイーダ・プリマ」(12万4100トン)船上に取引先や報道陣を招き、PRイベントを開催したそうです。

アイーダ・クルーズ親会社カーニバル・コーポレーションのドナルド・アーノルドCEOは、「アイーダ・プリマは10ブランド、100隻以上のカーニバルの船の中でも最も先進的な船。三菱重工がその技術を注ぎ込んで造り上げてくれた」と挨拶したようです。まあ普通セレモニーで悪いことは言いません。

三菱重工からは宮永俊一社長をはじめグループ各社のトップが同社各事業についてプレゼンテーションをし、グループ全体の技術力の高さをアピールしたそうですが、

私達船ヲタクにとっての聖地である香焼(三菱重工長崎造船所香焼工場のこと。こうやぎ、と読みます。)でいったい何が起きてるんだ!!日本の造船はもう終わってるのか??と、暗澹たる思いではあります。詳しくは→https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%BB%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%9E&oldid=58959265
に任せるとして、新造船の就航それ自体はめでたいことですので、以下は祝賀モードで。

アイーダ・プリマは、淡水化した海水で造るビール醸造所、冬にはスケートリンクになる屋外スポーツコート、ウオータースライダー、上級客室専用プールなど、最新技術や人気の設備を多く取り入れ、通年で西ヨーロッパに配船することを想定し、室温を20〜25度に保った屋内プールなどを備え冬季も快適に過ごせる造りになっており、ドイツ人の国民性に合わせスパにはサウナを5カ所も備えているそうです。

4月30日からハンブルク発着でサウサンプトン(ロンドン)、ル・アーブル(パリ)、ゼーブルージュ(ブリュッセル)、ロッテルダムをめぐる7日間クルーズに就航、5月7日のハンブルク開港祭に合わせ命名式を実施する運びだそうです。


皆さん、「淡水化した海水でビール醸造」ですって、船上で!。

外航客船に搭載されている造水器について、簡単にご説明しましょう。

海水を一旦蒸発させ、水蒸気を集めて冷やせば淡水と塩に分離できる、ということは小学校の理科レベルのお話しですが、船で怖いのは火事です。逃げ場がありませんから。そこで、現在の客船では火気は使わず、調理や暖房などの熱源はすべて電気です。エンジンが回転している限りは発電機も連動しています。

ただ、電気から熱を取り出すのは効率が良くありません(熱効率30%程度)。そこで客船の造水は真空式になっています。電気でコンプレッサーを回して海水の容器の空気を抜きます。気圧が下がれば沸点も下がり常温で水蒸気が取り出せます。これを大気圧に戻せば淡水の出来上がりです。


私はこの「海水醸造生ビール」を飲んでみたい気がしますが、

アイーダ・プリマ号の船内通貨はユーロ、船内公用語はドイツ語、日本に代理店なし、ととてもハードルが高いです。2015年10月に欧州への回航を兼ねた処女航海として予定されていた横浜発ドバイ行きクルーズ(これなら日本語が通じたはず)と、ドバイ発ハンブルク行きクルーズがもし予定通りに航海していたら、と思うと残念です。


三菱長崎造船所では、同型船をもう一隻アイーダ・クルーズ社から受注しています。アイーダさんも一度懲りていますから、2番船の処女航海スケジュールは未発表ですが、今度は「回航を兼ねたデビュークルーズ」が実現するといいなあ、と船ヲタである私は考えているところです。


地球の7割は海です。そして日本は島国です。出かけませんか、船旅へ。
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