mixiユーザー(id:7385739)

2016年05月04日12:19

859 view

福井県出身の男子は見よ!「ちはやふる」

映画「ちはやふる」を見た。上の句も下の句も見た。

原作の漫画は読んでいなかったし、アニメ版は1話だけ見た程度だったが、評判がいいのは聴いていたし、福井県あわら市がこれで「町おこし」をしようと、イベントやっているニュースは見た。

上の句。

主人公ちはやの顔をなかなか写さない。
「かわいい」というので、男子がかるた部に詰めかけている描写はあるのだが、広瀬すずの顔は写さないのである。

彼女の顔が写したざれる場面の演出が、すばらしい。
学校の屋上のドアを開けると、
なぜか、さくらの花びらが足元にあって、それが舞い上がる中、つんのめるようにして広瀬すずが現れる。
これだけのケレンを効かして、スローモーションでその姿がとらえられている。


上の句の映画がすばらしいのは、広瀬すずの動きをスローモーションで捉えた場面で
その表情がエモーションを喚起させているからである。

「かわいい」と単純にいうだけではすまない、それはかつて薬師丸ひろ子が相米慎二の映画において見せたものと通じるといっていい。

クライマックスの抱きついてくるところのスローモーションの高揚感よ。

上の句は、そんな広瀬すずこと、ちはやに惚れている太一の視点で描かれていて、
彼女にそんな表情でそんなセリフ言われたら、男子はこうなっちゃうよ、という映画になっていた。


下の句になると、広瀬すずの映画というよりは、広瀬すずの「王子さま」である綿谷新の映画になっている。

綿谷新こと、真剣佑は、あわら市に住んでいて、福井弁丸出しでしゃべる。
真剣佑は、色白のメガネ男子。
抑揚のない福井弁は、演技力をカバーする上でも効果的だろう。
福井弁をしゃべる男子が、かつてこれほど映画の中でカッコよく描かれたことはない、と
福井県出身の男子として、誇らしく思う。

なんといっても広瀬すずが王子としてあがめていて、松岡茉優までもがライバルとして認めている男子である。じいちゃんの津嘉山正種は「かるた名人」で、二人は福井弁丸出しでしゃべるのだ。


そんな下の句で、不覚にも涙を流してしまった。

松岡と対戦している広瀬すずが立ち上がった時、王子を発見する場面。

なんてことはないカットつなぎなのだが、エモーションを喚起させる呼吸が息づいている。

その後のかるたの場面がスローモーションで流されていても、情動としてのピークを過ぎているので演出として納得できる。

監督・脚本は、小泉徳宏という人。
あまり、撮っている人ではないようだが、映画がよくわかっている。

次のサイトでは、原作者と対談している。
<ツタヤ エンターテインメントニュース>
http://top.tsite.jp/entertainment/comic/i/27711029/

公式ホームページによれば続編の製作も決定したそう。


そうそう、ローカルネタだけど、
「勝義書店」は、当然、「勝木書店」だよね。
4 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する