mixiユーザー(id:7319038)

2016年04月06日07:48

3245 view

ナガエノモウセンゴケ問題 その6(これは誰が見てもおかしい)

さて指定阻止の為のパブリックコメントおける戦略的ポイントです。
私が送る予定の意見が書いてありますが、コピペして送るのは止めて下さいね。


ナガエノモウセンゴケの外来生物指定の理由のすべてはこの文に凝縮されています。

ナガエモウセンゴケ(Drosera intermedia)に関する情報
http://www.env.go.jp/press/files/jp/29586.pdf
○評価の理由
貴重な湿地の絶滅危惧種などと競合し駆逐したり、絶滅危惧種を含む在来種の遺伝的攪乱を引き起こしたりすることなどにより、在来の生態系に大きな被害を及ぼす可能性がある。意図的に植えられたものが問題を引き起こしているため、早期の排除、拡散防止が望まれる。

この結論を導いた理由として、情報欄の残りのデータがあり、これを元に審議されています。

しかし何というか、モウセンゴケ属の愛好家からすれば、なんじゃこれってデータが幾つも書かれていますよね。特にこの欄、

・栄養体からの再生能力
根、茎、花茎、葉身などから不定芽を出すほか、ほふく枝、根茎、塊茎を複数生産したり、芽の頂端部分から一度に多数の鱗片状のむかごをふき出したりして増殖する(塚本,1994)。
乾燥した環境では栄養繁殖によって爆発的に個体数を増加させる(片岡,2005)。

 いや〜ココまで何でもありのスーパードロセラがあったら、世界中のドロセラは確実に駆逐されますね。
 すべてとは言いませんが、このような誤った情報、誤解を招きやすい表現が随所にあり、よく知らない人が見たらそれは特定外来生物に指定されても仕方がないと思うでしょう。
 したがってココは攻めどころ、私はこんなコメントを送る予定です。

[意見]
情報及び評価(案)の「ナガエノモウセンゴケ(D.intermedia)に関する情報」の記載を見ると生態や繁殖について、モウセンゴケ属の他種でしか見られない事象や実験室レベルでないと起こり得ない事象が散見される。また、遺伝子攪乱や駆逐について重要な情報が欠落している。
このような不正確なデータで審議するのは不適切ではないか。
今回の指定を見送り、再度のデータ収集やモウセンゴケ属の専門家を交えて審議し直す事を要望する。

この程度で充分意見として通用します。
皆様がコメントを書くときには、具体的に間違った点を書いてもいいし、ナガエノモウセンゴケの情報ではないとの一文でも良いです。
もし、出来る人は文献等を提示してやれば良いのです。

この指摘に対して専門家が判断したから大丈夫などと返事が返ってきたら、訴訟しても勝てます。
少なくとも一部に間違いがあることを認めるでしょう。


さて次のポイントです。
評価の理由の文章を分解してみると

1)湿地の絶滅危惧種などと競合し駆逐したりすることなどにより、在来の生態系に大きな被害
2)在来種の遺伝的攪乱を引き起こしたりすることなどにより、在来の生態系に大きな被害。
3)意図的に植えられた“1・2のような植物が”問題を引き起こしているため、早期の排除が望まれる。
4)意図的に植えられた“1・2のような植物が”が問題を引き起こしているため、拡散防止が望まれる。

の4つの主題により構成されています。
これを1つ1つ潰して行けば良いことになりますが、残念ながら3)だけは反論の余地はなく、むしろ賛成にするしかありません。

それを踏まえて、順番は前後しますが
まずは「2)在来種の遺伝的攪乱を引き起こしたりすることなどにより、在来の生態系に大きな被害。」から。

***遺伝子攪乱に対する反論***
皆様もご存じのようにモウセンゴケ(D.rotundifolia)とナガエノモウセンゴケ(D.intermedia)は自然交配種D.ベレジアナ(D.×beleziana) を作ることが知られていますが、栽培環境で出来たことがあるでしょうか?
私は10年以上一緒の場所で栽培していますが出来たことはありません。自然任せでは非常に稀だと思います。

一般に遺伝子攪乱というのは、戻し交配の繰り返しにより、他系統の遺伝子を数%もつ生物が出来る事です。日本のオオサンショウウオに中国産のオオサンショウウオの遺伝子が混じったとか、メダカの地域変異遺伝子が無軌道な放流に因って崩れたとか聞いたことがありませんか?

しかし、D.ベレジアナは不念性で種子は作らないし再度モウセンゴケと交配して、次世代を作ることもありません。
ナガエノモウセンゴケの遺伝子を持つモウセンゴケが生まれる可能性はほぼ無いのです。
この程度で遺伝子攪乱の可能性を指定理由にすれば、ほとんどの植物について言及しなければいけません。
遺伝子攪乱の可能性を言及するに当たっての基準を明確化することを求める必要があります。
そこでこう書いてみました。

[意見]
1 ナガエノモウセンゴケ(Drosera intermedia)
2 意見の要約
モウセンゴケ(D.rotundifolia)とナガエノモウセンゴケ(D.intermedia)は自然交配種D.ベレジアナ(D.×beleziana) を作るが非常に希で、意見者は10年以上混生栽培しているが自然交配種が出来たことはない。
さらにD.ベレジアナは不念性で種子は作らないし再度モウセンゴケと交配して、次世代を作ることもないのでナガエノモウセンゴケの遺伝子を持つモウセンゴケが生まれる可能性はほぼ無い。この程度では遺伝子攪乱とは言えないのでは無いか。
遺伝子攪乱の可能性を言及するに当たっての基準を明確化すること、および指定の為の評価の理由欄の「絶滅危惧種を含む在来種の遺伝的攪乱を引き起こしたりする」をモウセンゴケ属の専門家を交えて審議し直す事を要望する。

次回に続く。

5 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する