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2016年03月24日17:44

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【美術】残念ながら期待外れ「安田靫彦展」

皆様、お今晩は。竹橋の東京国立近代美術館にて5月15日迄開催中の「安田靫彦展」に行って参りました。その感想です。


『黄瀬川陣』や『飛鳥の春の額田王』など歴史画の名作で知られる安田靫彦(1884‐1978)。東京・日本橋に生まれ、日本美術院の再興に参画し、中核のひとりとして活躍しました。「美しい線」、「澄んだ色彩」、「無駄のない構図」……。日本画に対して誰もが抱くこのようなイメージは、すべて靫彦が作ったといっても過言ではありません。また、生涯かけて歴史画に取り組み、誰も描かなかった主題にゆるぎないかたちを与え、古典の香り豊かに表現したことも特筆されます。

東京国立近代美術館では1976年に回顧展を開催しており、本展覧会はちょうど40年ぶりの開催となります。教科書や切手で見たあの有名作品から、初公開となる作品まで、100点を超える代表作を一堂に集める本展は、端正で香り高い靫彦芸術の魅力を再確認するまたとない機会となるでしょう。

また、94年の人生を生きた靫彦は、若くして亡くなった菱田春草や今村紫紅とさほど年も違わないながら、昭和戦前期のナショナリズムの高揚や戦後の価値観の激変を、身をもって経験しています。時代の大きな流れのなかで、靫彦は何をどう描いたか、そしてそれはどのように変わっていったのか。本展では、靫彦の生きた時代の問題も視野に入れながら、彼の画業をたどりたいと思います。

実はこの展覧会、東京国立博物館にて開催されている「黒田清輝展」と開催期日が一緒でして穿った見方をすれば、国画推進の道を開いた岡倉天心先生の最後の弟子である安田靫彦と一時は窮地に追い込まれた黒田清輝の展覧会を東京で一緒に行うとは大胆な試みとして本展には期待していたんですが、残念ながら期待外れでした。


と……申しますのは15歳のときから絵筆を握って描いたのは、歴史画とたまに花瓶に入った花や木々を描いた作品でして94歳と言う実に長い生涯を送っているんですが、良く言えばブレが無い。悪く言えば巨大な金太郎飴みたいなもので、描いた肖像は時代の要請に因って変化することもあるのですが、画風はまるで変っていないのであります。

今回の展覧会で期待していたのは、小倉遊亀や片岡球子と言った昭和史に残る閨秀画家の大物二人の師匠としての肖像でありまして、一体どんな指導をしていたのか?と言うことも含めて知りたかったのでありますが、常設展示の方に菱田春草の小特集を組んでおりますが、掘り込み不足の感は否めず、逆に本日ボロカスに叩く予定で観に行った黒田清輝展が「敵ながら天晴れ!」と言う驚愕の大展覧会でしたものであります。今回はこの展示だけに限って言えば星三つギリギリの線でしてホントのところを言えば二つ星でも文句は言えないでしょうとなったのでありました。



http://yukihiko2016.jp/

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