mixiユーザー(id:10719871)

2016年02月22日13:18

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バードマン

ブルーレイで「バードマン」を観た。
いやあ、すごい映画だった。

一言でいうと、とても“グルーヴィー”な映画。
こんなにグルーヴを感じた映画は、他にないかも。
ほとんどドラム演奏だけによる音楽、そのドラムのビートが映像に緊張感漲るグルーヴを演出。
さらに、長回しを多用した撮影によって、シーンにおける役者の演技が途切れずに連続性を獲得し、それがまた映画に躍動的なグルーヴを与えている。
そのグルーヴに乗れたら、2時間はあっという間。
実に野心的で革新的、それでいてしっかりとエンタテインメント性も担保されていて、まさに映画表現の1つの理想形といえるのではないかな、と。

それと改めて思ったのは、アレハンドロ・イニャリトゥは、ある意味最も21世紀的な映画監督ではないかということ。
さまざまな価値や情報が複雑化し混迷化する21世紀的な世界のありようが、そのまま映画に反映されているから。
「バードマン」も、そんな世界の中で切り裂かれずにはいられない人間のありようを、さまざまな角度から面白おかしく、それでいて深くリアルに描いている。

現実VS虚構、低俗な娯楽作品VS本物の芸術作品、ハリウッドの映画界VSニューヨークの演劇界――さまざまな対立軸の狭間で主人公はあがき、苦しみ、自分から逃げ、自分を見失いかけ、そうして最後に辿り着いた境地は……結末はさまざまな解釈の余地を残すけれど、すごく感動的。
映画に限らず、全ての表現はかくあるべし、という作り手の心意気を感じた。
いや、本当、すごい映画だった。




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