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2016年02月21日23:59

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「残穢」よりもこわかった「ザ・ウォーク」

「ザ・ウォーク」
ロバート・ゼメキス監督が製作・脚本にも絡んでいる、世界貿易センタービルの2棟の間で
綱渡りをする男のはなし。

予告編見ただけで、こわかった。
「マン・オン・ワイヤー」(08)というドキュメンタリー映画も公開されているのだけど、自分は見ていない。
どうやら、この映画にも出ている友人の写真家が撮った写真により、実際の綱渡りの場面が再構成されているらしい。

自分は高所恐怖症である。
幼年期は、歩道橋がこわかった。
小学校に入ったら、階段の踊り場の下の方がガラス張りになっていて、そこから下が見えるのが
こわかった。
遠足で吊り橋を渡ることになった時は死ぬ思いだった。
中学校の修学旅行で、東京タワーに行った時、誰かが「階段で下りよう」と言いだして、仕方なくついていったが、この時も死ぬ思いだった。
今でも遊園地の観覧車に乗っただけでこわい。

だから、「ザ・ウォーク」を3Dで見ようなんて気はさらさら起きなかった。

綱渡りの場面は、合成だってことは十分わかっている。
フィリップ役のジョゼフ・ゴードン・レヴィットは、でもちゃんと綱渡りしている。
ロングの場面は、スタントマンらしい。
成功することもわかりきっている。
実話だし、映画も自由の女神像に上ったフィリップが世界貿易センタービルを背景に、過去を振り帰るかたちで語られる。
であっても、綱渡りの場面は、こわくてこわくて、
画面を凝視することが困難なくらいだった。
今まで決してこんなことにはならなかった。

気がつけば、全身汗びっしょりだった。

「マン・オン・ワイヤー」のスチルで、実際のフィリップの綱渡り場面を見ることができる。
「ザ・ウォーク」はかなり忠実に再現している。


「残穢」は、定番となったこの時期のホラー映画であるが、
読者からの手紙をもとに心霊小説を書いている作家の竹内結子が、橋本愛からマンションの部屋から音がするという手紙から、その原因をたどっていくと、というミステリー仕立て。
こわくない。
部屋に住んでる橋本愛がちっともこわがっていない。
気味がわるいレベルだ。
描かれる幽霊の描写も、こわくない。

中田秀夫の「リング」では、冷静に見たら、結構ばればれな感じでも、
生身の人間がそこにいるという描き方で貞子は実存的だった。
キューブリックの「シャイニング」でも、幽霊は実存的だった。
さかのぼってジャック・クレイトンの「回転」でも実存的だった。
マリオ・バーヴァの「呪いの館」でも実存的だった。

デジタルで迫ってくる幽霊はこわくない。
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