縁あって、鶴ヶ谷真一さんの『〔増補〕書を読んで羊を失う』を読んだ。
すてき . . .
古今東西の本にまつわる話を、広く深く自在に語った珠玉のエッセイ集。
ディスレクシアのわたしにはかなり難易度の高い一冊だ。知らない人名や書名がどっさり、意味も読み方もわからない漢字もどっさり。にもかかわらず、どのエピソードも楽しく読み進むことができた。
鶴ヶ谷さんのお人柄なのかな、恐ろしいほど博覧強記なのに、ちっとも偉そうじゃなくて、ひけらかす感じも一切なくて、ほんとうに本や読書が好きなんだと伝わってくる。
冒頭の和本に挟まれた「枯葉」の話で、恋に落ちた。
そのあとも、あげていくとキリがないけれど、「蔵書印」「匂いガラス」「本占い」「黙読」「貨狄(かてき)像」「シンデレラの変貌」など、心に残る。
そして、あとがきの「解さざるをもってこれを解す」
という言葉にいたく励まされた。
いままでどおりの(遅くて、わからないままの)読み方でいいんだよ、と言ってもらえたみたい. . . ♪
「わからないとき、強いて解そうとすると、往々にして曲解におちいる。わからぬまま(中略)そのまま心にしまっておき、おのずから理解に至るときを待つ . . . 」
◆
『増補 書を読んで羊を失う 』(平凡社ライブラリー) – 2008年 1296円 (^-^*)♪
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