前途ある若者ばかりが12人も亡くなったこの事故は、本当にお気の毒な事故です。いえ、年寄りだったらお気の毒では無い、と言う訳では有りません。
年齢が幾つであっても不慮の事故で死ぬと言う事は、悔しい事に変わりは有りません。ただ、年寄りの場合は多少とも諦めが付くのではないかと思います。
さて今回の事故、今の日本の経済事情を如実に示した事故と言えそうです。と言うのは、この事故の経緯を辿ると、日本の景気低迷ゆえの事故原因が随所に見えて来るのです。
今日本は、空前の外国人観光客来日ブームで、特に中国人の「爆買い」観光が日本の低迷した商業環境をかなり改善させた効果さえ見せて居ます。此れに付いての考察は後日に譲るとして、国内の日本人による旅行事情はそれ程好転しているとは言い難いモノの様です。
日本人は、長引く不況の所為で未だに可処分所得はそうそう潤沢では無いのです。特に学生や若者はどの様な消費行動であれ、出来るだけ廉価な物を選択して自己の慾求を満たそうとします。旅行であれ物品であれ、廉いものしか買わないと言う消費行動をします。
此れに対して、モノやサービスを提供する側は、消費者の需要に応える為、出来るだけ低価格なモノを用意して販売の促進に努めます。極言すれば、今日本を覆っている「デフレ経済」の蔓延です。
今度の事故をこのパターンに当てはめると、
消費者は、なるべく安い費用で「スキーツアー」に行こうとします。
旅行業社は、競争に勝つ為に、廉いパックツアーを企画します。
廉いツアーでも、収益を上げる為に、コストカットを計り、バスチャーター料を値切ります。
バス運営会社は、此れも競争に勝つ為にダンピングしてこれに応じます。
ダンピングの所為で、バスドライバーの給与の低下が起きます。その結果ドライバーがバス業界から逃げ出します。
バス会社は、ドライバー確保の為に未熟なドライバーでも雇います、それも低賃金で。
そして未熟なドライバーは、往々にして事故を起こす危険を孕んでいるのです。
此れこそがデフレによる「危険の輪廻」と言うべきで、消費者は <ユニクロで廉い衣料を買う>事と異なり、「危険な乗り物」言い換えると「走る棺桶」に乗って居るのと同じ事をしている、と言えます。
話は変わりますが、 私は滅多に飛行機旅行はしませんが、若し飛行機に乗る必要性が出てきた場合、LCCには乗りません、ANA か JAL 等の老舗航空会社に乗りたいと思います。
とは言え、今の私の生活は、衣・食はスーパー、雑貨はホームセンター、からの購入が総て、老舗百貨店から物を購入するなどと言う事は、到底不可能なのですがねェ・・・。
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