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2016年01月17日13:54
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ハノイ日記 P�供´掘ィ機’�越しの旅行記（完） 人の交流に想う
出発の朝が来た。最後に見たいものを夕べ考えておいた。バスは10時半出発だ。10時ごろピックアップのマイクロバスが来る予定なので、余裕を見て9時半にホテルに戻ることにして、ホーチミン広場から、名前から大通りと思しきレーニン通り、そして国鉄のVinh駅を回った。
正月二日の朝であるが、ベトナムではほとんど意味をなさない1月2日。正に何もない。ホーおじさんの立像を明るいときにも眺めておきたかった。人も少ない。昨夜は結構大勢いたものだが。Vinh駅では、当地の特産・土産であるCu Doというお菓子を駅前の目立つ場所で売っていた。ピーナツを甘い飴で固めた、少々歯に負担の多い食べ物だ。後日教室で配ったら、随分学生には人気のお菓子のようであった。喜んで食べていた。
マイクロバスは予定より15分も早く着いたので、余裕をみていて助かった。ハノイへのバスも既に待っていて、ほぼ席も埋まっていた。私の席は往きのより広いと言う最後尾を予約していたが、そこは縦長はいいのだが、天井が低く、普通に座れない。寝る席だったのだ。約7時間寝た状態もかなわないので、前の方のわずかに空いた席にすわった。が3，4時間してそこにも客が乗ってきたので、約半分の行程を寝た状態ですごすしかなかった。今思えば、席の有りようは事細かに確認の上予約すべしというのが、旅の最後に分かったわけだ。まあ、出発後5時間もすると暗くなったので実質窮屈で不便を感じたのは2時間くらいだっただろうか。。
やがて、バスは大体予定の時間にMy Dinhのバスターミナルに着いた。こうして私の2泊3日の旅は大したトラブルもなく終わったのである。
今、二週間前を思い出して考えて見ると、金銭の小さなトラブルが3回あったな。トラブルと呼ぶほどのことはないとは思うし、摩擦くらいと言ったほうがいいかもしれないが。。実はそのうち二つは日記の中で書いたもの。もう一つと言うのは、初日のウナギ横丁で食べたあのやり手風の主人とのやり取りでは、実際こんなことがあった。
確かに、ウナギと牛のスープ3万ドン、野菜とウナギの炒めもの5万ドンとメモには書いたが、最初ウナギのないスープが出てきたのである。すぐそれが分かったので呼ぶと、ああやっぱりウナギと牛両方だったんだと日本語で聞こえてきそうなジェスチャーで、出しなおしてきた。ところが勘定になって請求書を見ると、3万ドンがなんと11万ドンになっていた。それはないでしょう？とメモを見せて言い返したが、向こうも全然引こうとする雰囲気ではない。こうなるともう日本語だけにならざるを得ない。それとメモとジェスチャーが頼りである。弱みを見せたら終わりだ。そんなやり取りにまた10分近く費やしていたと思う。
いつもこんなとき、出てくるのは落としどころのことである。そのときはビールと小瓶のウオッカを入れた合計で、自分は17万ドン、相手は25万ドンだったので、キリのいい20万ドンで手を打つことにした。大抵ベトナム人はこの手の交渉には容易に乗ってくる民族だと思う。そのやり手も、しょうがないな〜との表情を浮かべながら舌打ちをしてみせた。私も、ため息をお返ししてやった。交渉成立の瞬間を双方が感じたと思う。
それは、前に書いたタクシー運転手との決着の話と類似のケースであった。往きのハノイのタクシーの誤魔化しの試みは簡単に見抜いたので、自慢話の一つくらいにはなるだろう。あとの二つは、言葉の分からない外国人とのやり取りで、自分を防御する手立てを準備してもなお生じる摩擦の種が、異文化コミュニケーションには潜在的にあることを物語っていると思う。その主要な原因は、なんだろう。それは、人間の思考回路がそもそも”自分に都合のいいように考える”回路になっているのだと思う。先日書いたように、予定通りにことが運べば、何も摩擦が生じないことも多い。経験を積めば、その精度は高まると今かなり確信を持って言える。が、当初の見立てが変わったとき、人は都合よく考え、大抵彼我の考えに差異が生じてくるのである。上記のように3万ドン、100円、200円なら人は簡単に妥協できるが、差異が大きくなるとそうもいかなるケースも生まれてくる。
そんなことを、楽しかった旅を思い出しながら感じたものである。 （完）
写真：Vinh市の由緒ありそうなある”ウナギ横丁”
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