日本統治下の済州島で天皇陛下を崇拝する”朝鮮人”皇国少年だった著者(1929年生まれ)は1945年の「解放」を機に民族性に目覚め、自主独立運動に飛び込んだ。そして、南北朝鮮を支配した米ソの対立の渦中で南朝鮮のみの単独選挙に反対する武装蜂起(4・3事件)に参加し、虐殺を逃れて大阪に密航し、在日朝鮮人詩人、作家となった著者の自伝的回想記です。
済州島四・三事件は、1948年4月3日に在朝鮮アメリカ陸軍司令部軍政庁支配下にある南朝鮮(現在の大韓民国)の済州島で起こった島民の武装蜂起にともない、南朝鮮国防警備隊、韓国軍、韓国警察、朝鮮半島本土の右翼青年団などが1954年9月21日までの期間に引き起こした一連の島民虐殺事件です。
韓国政府側は事件に南朝鮮労働党が関与しているとして、政府軍・警察による大粛清をおこない、島民の5人に1人にあたる6万人が次々虐殺され、済州島の村々の70%が焼き尽くされた。また、この事件は麗水順天の抗争の背景にもなっています。なんの疑いも持たず天皇陛下のために尽くすことのみを望んでいた少年が民族性に目覚め、在日を生きぬき、様々な困難を乗り越え大きく羽ばたく渾身の力作です。その後の朝鮮戦争では300万人を超す死者を出しており、たびたび同胞が殺戮しあった悲劇の国=朝鮮、韓国を理解するための感動の好著です。
ワシリーこと岩佐毅
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