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2015年12月31日02:25

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独特のテンポ、白黒の映像 ザ・ヴァンパイア〜残酷な牙を持つ少女 

「ザ・ヴァンパイア〜残酷な牙を持つ少女」(14)
A GIRL WALKS HOME ALONE AT NIGHT

米国映画。サンダンス映画祭やホラー専門のシチェス映画祭で賞を獲ったとのことだが、
ホラー色は薄い。

米国映画だと思っていたら、話すことばはすべてペルシャ語。
監督は、イラン人のアナ・リリー・アミールポアー。

だからなのか、イランを舞台にした初のヴァンパイア映画などと宣伝されているようだが、
IMDBによれば、ロケ地はカリフォルニアである。

監督は12歳で米国に渡り、映像の勉強をしてきたっていうから、またイランで撮るのはどうかなと思っていたのよ。

でも、描かれる町「パッド・シティ」は、米国には見えない。
才能が現れるのはこういうところ。

映像は白黒。冒頭の場面で、若い男がタバコをふかしているのが、妙に色っぽくて、いい。
(スチルのとおり)
それに独特のゆったりしたテンポで描いていくので、
ジャームッシュとかっていう風に言われたり
ドラッグにおぼれる親父が出てくるからか、「ドラッグストア・カウボーイ」のガス・ヴァン・サントみたいに言われたり、
ゆったりしたテンポと、一部の音楽がモリコーネのマカロニ・ウェスタン調だからか、
セルジオ・レオーネと言われたりするけれど、
私は、イランのアッバス・キアロスタミの影響があるように思う。

何にせよ、すばらしく面白い。

少女はぱっと見、コッポラ監督の「ドラキュラ」に主演していたウィノナ・ライダーに似ている
けれども、有村架純のように透明感があって、すごく魅力的。

若い男は、色気があって、美系。

娼婦役の女性まで美形すぎるのが難点か。
もう少し、籐の立った女性の方が感じが出たと思う。
途中、なぜか挟まれる踊るオカマっぽい人の映像。(こーいうところをデビッド・リンチみたいというのだろう)
あれくらいの人が娼婦役でもよかったかなぁと思う。

ともあれ、観終わってみると、こいつは「ボーイ・ミーツ・ガール」の映画だったんだと気付く。

監督はパーティの場面で骸骨の格好で出ていたそう。
で、どんな感じでいくつぐらいか気になってよーく調べてみた。

なんと、生まれはロンドン。
1980年生まれだから、まだ30代。
子どもの頃に家族でマイアミに引っ越しして、UCLAの映画学科に入る。
短編では、数々の映画祭で入賞していて、才能は認められており、長編第一作の本作は、イライジャ・ウッド製作。

次回作は、The Bad Batch。キアヌ・リーブス、ジム・キャリーが出演。
監督がいうには、「マッドマックス2」と「プリティ・イン・ピンク」が出会ったような映画だそう。
または、「とても暴力的で、とてもロマンティックな、「エル・トポ」が「ダーティ・ダンシング」と出会ったような」

この人はかなり期待できそう。
なので、監督の写真も掲載する。
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