11/27

今年も吐き気の季節がやってきた。いや、単に風邪をひいたって話なんだけど、僕の場合はだいたい胃腸をやられて吐き気に悩まされることになる。ただでさえ日ごろから吐き気に悩まされてるというのに、風邪ともなると結構厄介だ。

自慢じゃないが、僕は吐き気に関しては昔から独自研究しているのでやたらと詳しい。一体どんなところから吐き気がやってきて、どんなメカニズムになっているのか、自分の体で人体実験を行っているようなものだ。吐き気に効く食べ物、薬、ツボ、民間療法、などなど、これまで何でも試した。

吐き気に関する本だって結構読んでいる。吐き気に効く食べ物や、吐き気に効くツボの本などはもちろん、吐き気を哲学的、美学的、及び歴史的に考察する本（「吐き気―ある強烈な感覚の理論と歴史」メニングハウス著）や、観念的な吐き気を扱ったもの（「嘔吐」サルトル）などまで、いろいろ読んだ。が、結局は自分の吐き気は自分だけのものであって、他人の吐き気とは違うわけで、自分で独自に治す方法を編み出すしか無いのだ。

というわけで、先日ひさびさに強烈な吐き気に襲われたのだが、吐き気のプロフェッショナルである僕は慌てず騒がず、まずはこの吐き気がどのパターンなのかを吟味する。
パターン1：ウィルス性胃腸炎（ノロなど）
パターン2：風邪
パターン3：精神的なものから来る吐き気（パニック発作など）
パターン4：感情から来る吐き気（不快な気分、怒り、などから来るものなど）
パターン5：腸から来るもの（下痢など）
パターン6：三半規管から来るもの（乗り物酔いなど）
パターン7：気のせい

今回は頭も痛い上に鼻水も出るので完全に風邪。パターン2。長年の経験からこの吐き気に最も効くパターンを考えて、ここはまず生の生姜を少し食べ、そのあとにナウゼリンを飲む。ちなみに、吐き気というのはレベルに応じて効くグッズも変ってくるものだ。最悪の吐き気の場合はナウゼリン。軽い吐き気の場合は自己暗示みたいなものでなんとかなる場合もある。

吐き気対処法を軽い順に説明する（いつも自分でいつも使う方法や薬）。

■想像力：たとえば、歯磨きしてて「おえっ」となる程度のものであれば、頭の中に好きな食べ物を思い浮かべるだけで治る。僕の場合はストロベリー・チョコを思い浮かべると「おえっ」が嘘のように治まる。
■自己暗示：「腹へった」とつぶやく。これだけで胃が動くことがある。いわゆる別腹の原理を応用したもの。胃が動くと吐き気は治まるのだ。
■気合：闘争心をかき立てるような音楽を頭に流し、戦闘モードに入る。交感神経を極度に優位に立たせることにより、吐き気が消えることがある。これは乗り物酔いなどにも有効。ちなみに乗り物酔いの場合にはトウガラシを1本を丸ごとかじるのが最も効果的。するとあまりの辛さで呼吸と血流が早くなり交感神経が極度に刺激され、乗り物酔いは一気に治る。また、乗り物酔いは頭を動かさないようにするといい（頭の上に本を乗せる感じでずっと頭を平行に保つと酔わない）。
■チョコレート：どういうわけかチョコレートは吐き気に効く。チョコレート好きの人にしか効かないかもしれない。
■ツボ：手のひら全体を刺激するツボグッズはかなり有効。また、腕の内側には内関という有名なツボがあり、ここも吐き気に効く。
■梅干：コンビになどで売ってる干し梅みたいなものでじゅうぶん。唾液が出ると吐き気が治まることがある。
■ミンティア：ミンティアの中でも特に辛いコールドスマッシュがいい。これは喉元までスッキリさせるので、気分的にも効く。
■大根おろし：大根には消化酵素が入っている。
■太田胃酸：定番だが、意外に効くので侮れない。
■生薬・漢方薬：お腹から来る吐き気には熊膽圓（生薬）や柴胡桂枝湯（漢方薬）が効く。
■タナベ胃腸薬：消化不良気味の場合にはこれ。ちなみに胸焼けなどの胃酸の出すぎの場合はガスター10。
■生姜：吐き気止めとして有名。生の生姜は即効性がある。僕は毎朝薄くスライスし入れ物に入れて持ち歩いている。
■精神安定剤：デパスやレキソタン、セルシンなど。精神的なものから来る吐き気に極めて有効。常備していると便利。
■ナウゼリン（ドンペリドン）：吐き気止め薬。これは最強クラスなので、これで駄目なら諦める。