横須賀市さんぽ「長井・不断寺から荒崎公園」
○「八雲神社」(長井1-5)
逗子(新逗子)駅前から長井行きのバスに乗り、終点長井で下車します。バス停の先を左折して東へと入って行くと、小さい山の上に「八雲神社」があります。祭神は須佐之男命。今でも古老たちには「天王様」といわれています。次の由緒書きがあります。
《当神社は由緒不詳なるも、町内の守護神として鎮座され、殊に昭和41年4月五5日当時町内会78世帯の共有地資金により、公会堂を建て、猶昭和54年9月「206世帯」の協力を得て同資金を基に建設及び境内地の造成がなされた境内地に付いては横須賀市農業協同組合の厚意により譲渡されたものである。》
○「荒井観音道標」(長井3-8)
八雲神社から西方に向かうと、荒崎への旧道の川間橋の先の十字路に小さな「荒井観音道標」があります。正徳元年（1711）に建てられたもので、「南無大悲観音菩薩 左 長井村江道 右 あらい勧んをんみち」とあります。道標にある荒井観音堂(後述)は、長慶寺本堂で三浦33観音霊場第31番札所です。
【井尻の地名】
このあたりは「井尻」といわれ、井尻の地名は天保12年(1841)の『新編相模国風土記稿』に載っていない地名で、そのあとに正式に名付けられたのかもしれません。荒崎城(荒崎公園)のあった方を頭とすると、このあたりが長井の尻にあたるので、井尻といわれるようになったようです。
【錦島三太夫旧家】
井尻の川間には、江戸相撲錦島部屋の親方をした「錦島三太夫」の出た安西家がありました。錦島三太夫は現役の頃「走船猪牙右衛門」といい、弘化2年(1845)に師の跡を継ぎ錦島親方になった人で、嘉永・安政の頃(1845〜59年)に盛んであった「三浦相撲」の隆盛に尽くしました。長坂の無量寺山門脇に明治元年に弟子たちが建てた錦島三太夫の供養塔があります。
○「第六天神社」(長井3-10)
荒井観音道標から旧道を西に向かい、左折すると「第六天神社」があります。第六天社は井尻地区の里神で、年3回の神楽が奉納される祭があります。明治の一村一社の命令で一時は熊野神社に合祀されましたが、戦後また井尻に祀られました。
【第六天神社の庚申塔群】
第六天神社の石段下に18基の庚申塔があります。寛文3年、寛文8年の銘があり、左から2番目の三猿庚申塔には、正徳□年の銘がありますが解読できません。その他は比較的新しく、大型の豪快な剣人型青面金剛が多いです。
○「不断寺」(長井5-1)
第六天神社から旧道に戻り、西方の長井港に向かうと不断寺バス停近くに「不断寺」があります。浄土宗の十二光仏の一つ不断光仏からとった寺名で、本尊は阿弥陀如来です。開基は四代執権・北条経時で、もとは鎌倉の長谷に住む北条経時の屋敷内にありましたが、幕府滅亡とともに荒廃し文禄元年(1592)、当時の住職・教誉がこの地に移したと伝えられています。後北条氏の真宗弾圧を受け、長井に移ってきたとも考えられています。
【北条経時の墓】
不断寺の左手墓地から出て坂道を上って行くと、不断寺の裏山に「北条経時の墓」と伝えられている宝篋印塔があります。「蓮花寺殿安楽居士」とあり、台石の三方に不断光と彫られています。文化14年(1817)の建立とあるので、供養塔か墓を再建したものだと思われます。北条経時は、なぜか33歳の若さで没しています。
【山田直人の墓】
墓地には岩国藩士・山田直人の墓もあり、かつて長井には岩国藩の海防陣屋が置かれていた時代を物語る数少ない遺産です。
【不断寺の庚申塔群】
不断寺の周辺には36基の庚申塔がありましたが、ほとんどなくなってしまい、不断寺南側の路地沿いに11基だけ残っています。
○「五郎坂」(長井5丁目)
不断寺の前の道を南に向かうと、長徳寺の入口北側から東方にある長井小学校の南側に上る坂は「五郎坂」と呼ばれています。この地に城を構えたという三浦義明の五男・長井五郎義季に因む坂名です。
【玉泉考古館】(長井5-16)
長井小学校の正門前に、私設の「玉泉考古館」があります。地元の考古学研究者・玉泉正夫氏が、長井各地から集めた土器類がたくさんあります。昭和25年に赤星直忠博士によって長井台地の最初の発掘が行われ、その後、玉泉氏らによって長浜横穴群や長井台地の発掘が続けられ、昭和39年に文化財保護条例が制定される以前の物が展示されています。見学には事前申し込みが必要ですが、声をかけると快く見学させていただけます。
○「長徳寺」(長井5-20)
五郎坂の坂下から南に向かうと「長徳寺」があります。行基が開基と伝える浄土真宗の寺で、山門右手の大イチョウは「かまくらと三浦半島古木・名木百選」になっています。鎌倉時代、長井の領主であった三浦義澄も長徳寺の不動尊を厚く信仰していたそうです。また、鎌倉の管領・足利氏満も長徳寺を祈願所と定めていました。
【長徳寺の始まり】
長徳寺がまだ建っていなかった頃、下の浜に大木が流れ着きました。浜の人々は大木を珍しがっていましたが、この大木が夜になると人の泣き声を出すので怖がってもいました。ちょうどそんなとき、遊歴中の行基が長井にやってきてその噂を聞き、大木を見ると、その大木は徳道上人が大和の長谷寺や、鎌倉の長谷寺の観音像を造った残りの木だといいました。そこで行基は、その霊木で不動の像を彫り、中島というところに祀りました。供える水がなく困っていましたが、杖を地上に刺し法力で清水をわき出させそれを供えました。これが元になり、井華院という名前が付きました。これが長徳寺の始まりです。
【ポックリ地蔵】(長井5-16)
長徳寺裏の墓地を出て南に向かうと、墓地のはずれの地蔵堂に「ポックリ地蔵」があります。最近ではバスを連ねて参拝にくるお年寄りも多く、誰もがポックリいきたいと願っています。本当は地蔵ではなく阿弥陀如来だといいますが、参拝者から贈られた毛糸の帽子や法衣にすっかりくるまれ、いまでは本来の姿を確認することはできなくなってしまっています。もともとこの近辺に村の火葬場があり、死者が無事極楽浄土へいけるよう地蔵が安置されたといいます。火葬場を荒崎に移しましたが、この地蔵だけは残されました。
○「おこり石」(長井6-5)
ポックリ地蔵堂の南側の道を左折して東に下って行くと、正面に大きな木の手前に白い説明柱が見えます。行ってみると、田畑の中の細い道に「おこり石」がありました。大きな石が斜めに立っています。説明柱によると、風の強い日は唸り声を上げたといい、古くから神の宿る石として信仰されてきたようです。
○「漆山の庚申塔」(長井6-4)
おこり石の入口まで戻り南に向かい、丁字路を右折すると漆山湾のバス道路に出ます。そのバス道路に出る手前の山手右側の民家の裏の狭隘な場所に、7基の「漆山の庚申塔」があります。海側から山側に少し上った道路左側にありますが、道路と直角にあるために、うっかりすると気が付かないで通り過ぎてしまいます。
○「長井寺」(長井6-14)
漆山湾から東に少し入ると「長井寺」(ちょうしょうじ)があります。山号を別覆（べべ）山という浄土宗の寺で、経塚(後述)に出てくる別覆坊のようです。本尊は阿弥陀如来、開山は僧・金光です。寿永元年(1182)経塚に創建されましたが、元文2年(1737)僧・碩冏(せきけい)によりここ漆山に移りました。
【別覆山の伝説】
別覆山にまつわる次のような伝説があります。
《昔々、別覆山にべぺ太郎と、べぺ次郎という武士の兄弟が住んでいました。二人は三浦氏方の武士で、永正13年(1516)、小田原の後北条氏に攻撃されたとき、守る人数が少なく大変困ってしましました。そこで、わら人形をたくさん作って山上に並べ、人数がたくさんいるように見せかけました。ところが、とある人が、「山の上にわら人形がたくさんある。」と、北条方の武士に言ってしまい、たちまち攻め落とされて二人の兄弟は戦死してしまいました。その後、村人は、べぺ太郎とべぺ次郎をねんごろに葬ってあげました。》
【長井寺の庚申塔群】
境内に入ってすぐ右の地蔵堂の横に、16基の庚申塔があります。
○「観明寺」(長井6-16)
長井寺の南西に「観明寺」があります。本尊は阿弥陀如来、開基は了空法師、文明元年（1469）の創建です。もとは鎌倉の弁ヶ谷にありましたが、後北条氏の相模国攻めにより、大永2年(1522)了念上人の時、長井の荒井の地に移り、山号を美しい海岸から取って海岸山と定めました。このあたりは三浦義明の五男・長井五郎義季の本拠地といわれます。山門前には、「蓮如上人御直筆」と彫られた享保10年(1726)建立の碑があります。
【新井の道切り】
勧明寺前に「新井の道切り」の説明柱があります。毎年5月15日の住吉神社の祭礼の前、しめ縄に藁で作った刀・わらじ・ヘビ・、木のサイコロなどをつるして、集落の境の道に張る風習のことで、疫病やその他のよくないものが集落に入らないように防ぐおまじないのようなものです。
○「熊野神社」(長井6-16)
観明寺の西方、海岸沿いに「熊野神社」があります。創建は建久3年 (1192)、源義経の家臣・鈴木三郎重家の長男・家長です。長井地区の総鎮守で、境内から漆山湾は見渡せます。
【熊野神社の伝説】
《昔々、7月15日に荒井の浜へご神体が漂着し、漁民に「食べ物をくれー」と救いを求めました。しかし、その年は凶作で神様に献上する米は全くなく、代わりに麦飯にきな粉をかけて神様に飢えをしのいでもらいました。その後、熊野三郎という人がこの神様を勧請し社を建てました。》
【飴屋踊り】
ご神体が漂着した日の、毎年7月15日には「飴屋踊り」が奉納されます。この踊りは、若衆歌舞伎の形を残す物で、江戸時代末期に房総から漁師によって長井村に伝えられたといわれています。
○「キリシタン灯籠(鈴木博明宅)」(長井6-)
荒崎バス停近くにある鈴木博明宅に、「キリシタン灯籠」があります。高さ75cm、幅30cmほどの花崗岩製で、かなり風化していますが聖人像が浮き彫りにされています。鈴木家は江戸時代に長井村の名主を務めた旧家で、先祖の誰かがひそかに信仰していたのか、先祖の俳人・鈴木呉雪が庭の装飾品として求めた物ではないかと考えられています。個人宅内にあるため、見ることはできません。また、庭のソテツの古木の根元には、俳人・呉雪が建立した芭蕉句碑があります。
�瑯�(くさ)色々おのおの花の手か良哉(らかな)��
○「新井観音堂(長慶寺)」(長井6-28)
荒崎バス停の南に「新井観音堂」(長慶寺)があります。本尊は聖観世音菩薩、開山は僧の良馨、開基は鈴木家長です。昔は、「聞馨院」または、「長馨院」といわれていました。荒井観音道標(長井3-8)から海沿いの平坦な旧道を左回りでここに参ったようです。三浦33観音霊場第31番札所。観音堂は、隣の鈴木家によって管理されています。鈴木家の先祖は、源義経の家臣鈴木重家の子・鈴木家長で、長井の領主をつとめていたそうです。堂内天井の龍の絵は、江戸時代の文人画家『谷文晃』の作といわれています。また堂の裏側には、錫杖(しゃくじょう)までが一つの石で彫られたという珍しい地蔵菩薩があります。
【芭蕉句碑】
江戸時代の鈴木丈吉(呉雪)は各地の俳人と交流し、境内(階段左手)に次のような松尾芭蕉の句碑を建立しました。
�牾せ�(あま)の屋は小海老にまじるいとどかな��
○「住吉神社」(長井6-30)
新井漁港の前に小さな「住吉神社」があります。祭神は中筒男命。
○「荒崎公園」(長井6-31)
「荒崎公園」には、自然が創造した美しい岩場が続く荒崎海岸があり、海沿いに名浜まで延びるハイキングコース「潮騒の道」(荒崎シーサイドコース)を歩くと、三浦半島屈指の景観といわれる海岸美が存分に楽しめます。
【夕日の丘】
「夕日の丘」の展望台からは、富士山や天城連山などが望め、富士山のシルエットをバックにした相模湾の夕景はまさに絶景です。また、夕日の丘が高射砲陣地だったいうのですが、展望広場として整備されていて高射砲の残骸等はありません。
【長井城跡】
エントランス広場の奥の城山展望台は「長井城跡」です。相模湾の海原に突き出した岩山の上に位置し、ほぼ単郭の小さな城です。周囲は断崖で囲まれた絶好の要害で、小規模な戦いの際に最後に立てこもる城としては最適な地勢です。台地基部は狭い土橋状となっており、東側には深い入り江が入り込んで天然の堀切となっています。長井城は三浦氏の庶流長井氏の居城で、三浦義明の五男・五郎義季は、横須賀市長井にある海に突き出た城山に城を築いたと考えられます。また別の説では、義季ではなく義季の次男で三浦氏の家督を継いだ荒次郎義澄の城といわれています。宝治元年(1247)宝治合戦で三浦宗家が滅亡した後は、北条方に付いた佐原盛時の弟光盛の子孫の居館となったともいわれています。しかし、いずれにしても城の歴史の詳細は不明です。長井には、番場、屋形、城口(じょうぐち)などと呼ばれる地名があり、城と何か関係があったと思われます。
【荒崎砲台跡】
荒崎公園には、江戸末期の嘉永3年(1850)頃、水産研究所の裏手(夕日の丘)に江戸湾防備のため彦根藩によって砲台が築かれました。砲台といっても、大筒1挺が村に預けられていただけのお粗末な物でした。しかし、ペリー来航により海防は強化され、大筒や火薬蔵などが設けられ、漆山には長井陣屋が置かれ岩国藩士がその任に務めました。第二次大戦で海軍の防空砲台となりましたが、台場の跡はほとんど失われてしまいました。
【どんどんびき】
潮騒の丘と憩いの広場の真ん中に、狭い入り江があります。波がこの入り江に打ち寄せてきた後、どんどんと引いて行く様子から、「どんどんびき」と呼ばれています。
【唐人船】
荒崎の沖合には「唐人船」と呼ばれる暗礁があります。嘉永7年(1854)ペリー２度目の来航のおり、先発艦マセドニアン号が江戸湾の入口と間違えこの暗礁で座礁し、この名がついたそうです。
【荒崎シーサイド(荒崎海岸)】
荒崎シーサイドハイキングコースは、引き潮の時には広い磯が現れて、潮だまりで磯遊びや、磯伝いにハイキングコースを歩くことも可能です。しかし、満ち潮になると磯の大部分が海の中になり、歩けるルートが限られて足場の良くないところや大きな段差を通らざるを得ない場合があります。また、コースの一部は波が寄せて通行不能になる時間帯があります。十文字にクロスする洞窟は、古墳時代は墳墓に使われ、中世には長井城の兵糧庫として利用されていました。お仙ヶ鼻は、お仙という美しい娘が椿の花を見つけ、鼻先まで上って足を滑らし落ちてしまったという伝説から、その名が付けられたといいます。
○「荒井の切通しの庚申塔」(長井6-23)
荒崎シーサイドコースの途中、海岸の浜にある民家の横から台地に上がり、北にしばらく向かうと丁字路があります。左折すると観明寺に出ますが、ここを右折して「荒井の切通し」の谷戸坂(坂名標あり)を上り切った分岐に、地蔵を挟んで4基の庚申塔があります。
○「井上成美邸」(長井6-22)
庚申塔の右の道を行くと、行き止まりに「井上成美邸」があります。井上成美(大将)は、横須賀鎮守府の参謀長、第四艦隊司令長官、海軍兵学校校長、海軍次官などを歴任しましたが、米内大将、山本元帥などとともに戦争に反対してきた軍人です。戦後、成美は世に出ることを避け、ここで英語塾を開いて余生を過ごしました。現在は私邸となっていますが、事前に予約すれば居住者のご好意で見学することができます。
○「佃嵐崎」(長井4丁目)
井上成美邸から南東にある栗谷漁港まで行き、海岸沿いに南に向かうと「佃嵐崎」(つくだあらしざき)があります。岩礁の高台は休憩場所となっており、荒崎海岸が一望できます。
○「長浜横穴群(長浜海岸)」(長井2丁目)
さらに東に向かうと、長浜海岸近辺には砲台跡・狙撃用洞窟陣地などがありますが、戦時中の遺跡なのか古墳時代の遺跡なのか区別が付きません。縄文時代では住居や漁のために利用され、弥生時代になると漁のためでもあり埋葬の場でもありました。古墳時代にも埋葬の場として利用され、一度他の場所に埋葬した人骨を、頭骨のみ洞穴内に再埋葬したり散骨したりしていました。
○「ソレイユの丘(長井海の手公園)」(長井4丁目)
長浜海岸の北西、航空自衛隊無線標識所の西に「ソレイユの丘」(長井海の手公園)があります。農業体験ができる総合公園として整備されたソレイユの丘は、フランスのプロヴァンス地方の香り漂う雰囲気を持った施設で、見て、食べて、体験できる施設です。入園無料。人工温泉の温浴施設(大人650円)もあります。
○「特攻隊基地(長井飛行場)跡」(長井4丁目)
ソレイユの丘の東方には、航空自衛隊無線標識所や農地などが続いています。ここに「特攻隊基地」(長井飛行場)が造られ、昭和18年に工事を始め昭和20年に完成しましたが、終戦直前ですでに特攻機はなく、偵察機が5、6基あったのみだったといいます。戦後、飛行場の大部分は元の地主に返還され、一部はアメリカ軍用地となりヘリコプター基地にもなりました。
【経塚】(長井4丁目)
ソレイユの丘の北東の一番高い農地内に、サイロのような建物とこんもりした森の「経塚」があります。経塚は長井寺旧地の伝承地であり、永正13年（1516）三浦義同と北条早雲が戦った時、義同の家臣・別覆（べぺ）坊がここに経巻を埋めて逃れたといいます。今でも塚を掘ると人骨が出てくるといわれ、手を着けるとたたりがあるから触らないでいるようで、戦時中、日本軍が飛行場を作る際にもここだけは崩さなかったといいます。最近の調査では経文は出ず、前方後円墳ではないかと考えられています。
○「大久保坂」(長井4丁目)
経塚から農道を北に向かい、大きな車道に出たところから北東に弘誓寺の前まで下がる坂は「大久保坂」と呼ばれています。大久保坂の途中に「稲荷神社」があります。大久保の地名は、台地と台地に挟まれた窪地で広い水田があることから大窪の名がつき、それが大久保に変わったといいます。
【大久保坂の庚申塔】
稲荷神社の手前の大久保町内会館前に5基の庚申塔があります。左が享保4年（1719）、中央が貞享元年（1684）、右が元禄6年（1693）の銘がある前面下と左右側面下に猿が彫ってある立派なものです。古老の話によると、天然痘やコレラの流行があったとき、村内に流行しないでもらいたいという願いを込めて建てられた塔もあるそうです。
○「弘誓寺」(長井2-3)
大久保坂を北に下ると、「弘誓寺」(ぐぜいじ)入口があります。本尊は阿弥陀如来。『皇国地誌』には文明3年(1478)僧・空信開創とあり、『新編相模国風土記稿』には中興開山となっています。当時は長福寺といいましたが、延宝3年 (1675)に現在の寺号に改めました。大久保地区にはここのお寺しかないので、何かにつけて村の寄り合いに使われたといわれています。
○「農産物直売所・すかなごっそ」(長井1-15)
弘誓寺から東に向かうと、バス道路沿いに神奈川県最大級の農産物直売所「すかなごっそ」があります。JAよこすか葉山の約400名の生産者が育てた自慢の野菜などを出品し、旬の新鮮な農産物の直売所です。店内には、豊富な品揃えの朝採れ野菜をはじめ、花、葉山牛、卵、手作りのお惣菜など、さまざまな商品を販売しています。また、地元関口牧場のソフトクリームも人気です。
ログインしてコメントを確認・投稿する