茜屋時間　子の月その百三十一

　今日は朝から風呂に入って来た　一時間ちょっとのドライブ　ゆっくりはいって大汗だ　いつものうどん屋で昼を食ってきたくご柿売り　ちょっと暇になって来た　秩父方面に行ったのだが　田舎道なので柿がどこも豊作で　それこそ鈴生り状態　見事な色でなっているが　あまり取った形跡はなひ　我が家の柿は今週で取り終わりそこそこよく売れる　そこら中柿が豊作なのに　我が家の柿は見る間に収穫されて　見事に捌かれた　私の作る柿は相当にうまいそうで　いつも食っている柿がどんなものだか知人に買って行ってやる　と云った御仁が今日二人あった　またとある女性から　いつも汚らしい格好をしてボロな服を来ている私を　かっこいい　素敵ですよ　と云ってくれたご夫人も居られた　見てくれよりもいい人に見えるか　生活は知的生活であるとは思ふけれど

　茜屋はいつもの茜屋で　いつもの席に座ってさいたま新聞を読む　やはりサッカーの話題が紙面的には大きい　この県にはふたつあるからな　すぐに見慣れた女性客がひとり　たまに合ふなあ　やがて珈琲がでてくると今度は二人連れ　後ろを通るので　そんなに若くは無さそうだ　久しぶりに賑やかな茜屋珈琲店　たまにはこんな日もあるさ　さて帰ろうとしたら　またしても客が　ここでは珈琲を入れるのに大体5分から10分くらいはかかるので　帰宅はいつもよりおくれた　のんびりと車を乗るのも悪くなひ　

　今宵一枚目はきのふの再聴　シューベルトの未完成　なるほど　事情が判れば聴く気持がすこし違って聴くことが出来るか　近々再聴してみるか　再聴と言えば　レコードがまだプレイヤーに乗ったままだったので　こっちも聞いてみる　ブラームスのヴァイオリン・ソナタ　第三番　オイストラフとリヒテル　1968年12月　モスクワ音楽院大ホールで行われた　歴史的演奏会の実況録音盤である

　帰宅後此の日記を書いて　音楽に耳を傾け　九時を過ぎれば再び読書の時間だ　百姓をして　本を読んで　名曲を日々聴いて　贅沢な時間を有している　格別積善を積んでいるのではなひので　余慶はないかも知れんが　悪くなひ人生だ　歌にもあったな　ボロは着てても心は錦　地味な生き方だけれど面壁九年とも云ふし　悟りはなひけれど