盗まれたウルトラ・アイ

IMDb(インターネットムービーデータベース)のベスト250を見る。
当然ながら、ショーシャンク・ゴッドファーザー・スターウォーズなどメジャーどころがずらりと並ぶが、これらの名作をほとんど見ていないことを若干恥じ入る。若干だけど。
250本中、鑑賞済みは14本。子供のころ観て、内容を憶えていないのを除くと、たったの10本。
まあ好きなもの観りゃいいんですけどね。


・キングスマン



ヤバイ。マッドマックスと並んで今年イチかもしれない。ていうかオールタイムでも相当上位。
「キック・アス」のマシュー・ヴォーン監督らしく、陽気な音楽に乗せて人がガンガン死ぬわ、アクションは外連味たっぷりなのにスタイリッシュだわ、イギリスの階級社会をこれでもかとコケにしまくるわ、これほど不謹慎で楽しい作品も久しぶりに見た。

予告編からコリン・ファースが主役かと思っていたら、タロン・エガートンなるほぼ新人。まだまだ役に着せられている感はあるけど、アクションはなかなかのものだし、表情もいい。
愉快なおじさんことサミュエルもマーク・ストロングも存在感たっぷりですが白眉は義足の秘書ガゼルを演じたソフィア・プテラ。美人で身体能力もバツグン。女王を拉致する場面でのアクションはヒット・ガールっぽいなと思ったり。

好きなシーンをネタバレしない程度に。
・序盤の一刀両断で一気に気持ちを持ってかれました。素敵。
・パブでの乱闘。前半と終盤で対になっているんだけど、エグジーの成長が見て取れるいいシークエンスです。
・銃弾を傘で弾く！こういうトンデモギミックは大好き。
・ビックマックのアレは「イギリスの飯なんざこれ以下だぜ」なのか「イギリス人にはコレで充分だろ」なのか、どっちにも失礼だけど。
・教会の大アクション、全てではないらしいけど、8割がたコリン・ファース自身が演じてるそうで。
・○○○○の最期。あれだけ嫌がっていた男が「自分の手を血で汚す」のが皮肉たっぷりでした。
・ラストはこともあろうに「尻」でシメ。紳士を』語りながら暴力と下品さにまみれているのはどうなの。

不満はほとんどないんですが、ベテランスパイのはずのハリーがちょいちょい迂闊なところを見せるのと、クライマックスでエグジーが急に強くなりすぎなところは少し不自然さを感じました。、イマイチ強そうな風貌でないのがまたなんとも。
あとは犬かな。どこかで活躍してエグジーを助けるのだろうと思っていたので肩すかし。

不謹慎で、ある意味逆差別的なので良識のある人は本作を嫌うでしょう(それも正しい)。でも、明らかに色々とやり過ぎているこの作品は、ぶっ飛んだ傑作だと個人的には思います。
とりあえずクライマックスの「花火」のシーンだけでブルーレイ購入決定で。あれは映画史に残るレベルの爆笑シーンですわ。