電動車いすに乗った92歳と86歳の女性が、「経済成長」についての答えを求めて奔走する姿を追ったドキュメンタリー。シアトルの田舎町で暮らすシャーリーとヒンダは、自分たちがわからないことを知るために大学生や大学教授、経済アナリストらへ質問を繰り返し、ついには世界経済の中心であるウォール街へと飛び出して知的好奇心を満たしていく。時にはバカにされたり脅されたりしながらも情熱を絶やさない2人の姿を通し、年齢に関係なく様々なことに興味を持ち続けることの大切さも描いている。監督は、ノルウェーの実力派ドキュメンタリー作家ホバルト・ブストネス。(映画.comより)
ちょっとマイナーな映画を見てみました。早朝1回上映です。これはドキュメンタリーなので、このおばあちゃんたちは実在します。それなりに人生を送って来たおばあちゃんたちは、ある日、毎日あまりに暗いニュースばかりなのに気付き(失業率が増加の一途だとか、経済の失速状況だとか)、「なんでこんな世の中になってしまったの?」と思い始めます。もちろん、彼女たちは世界恐慌の時代も、幼いとはいえ経験しています。そのとき父親が言った言葉なんかは覚えているわけです。
そんなこんなで、女性が軽んじられていた時代、ストレートに大学を出ることはできなかったけれど、子育てしながらも勉強を続けてきた彼女たちは、元々知的好奇心が旺盛だったとも言えます。
これほどの年齢になっても、この頭脳の冴え!まったく驚きです。電動車いす(私の職場近くでもよく見かけるのですが、日本のものより少し簡素な作りのように思います)にこそ乗っていますが、その行動力はハンパない。大学の講義に潜り込むのから始まって、経済の専門家・ウォール街の会社のCEOなど、次々と面会を試みます。その間、いろんな専門書を読破することも忘れません。しまいには偉い(?)先生が招待されてるセレブのパーティにまで潜り込むのです。(ちなみにこのパーティ、豪華な食事までついてたから、チケットはかなり高価だったと思われます。行動するためにニューヨークに部屋を借りてしまったりと、彼女たちは経済的にもかなり裕福かと思われます。あるいは所属するなんらかの団体から資金提供を受けているのか。ともかく、疑問を持っても、やっぱり先立つものがないとダメなんだなぁ・・・と現実的な問題を期せずして提起しているような気もします)
ともかく、年寄り二人ですから、行く先々でバカにされたり門前払いを受けたりもします。でも、真剣に話を聞いてくれる学者さんもいて、なるほど彼らの「経済は永遠には成長できない」理論は真っ当な気がします。逆に、「成長できます」と言い切るえらいさんたちは、「過去何百年もそうやって成長してきているのです」と述べ、あぁそれもそうかも、と納得したりもします(バカですみません)。
でもね、私個人的には、どれだけ理想論を唱えようと、「自分は人より成功したい」「人よりいい生活をしたい」と思う人たちがいる限り(絶対いると思うし)、「地球全体を保護しながら経済発展を抑えよう」なんて思想は成り立たないと思う。そんで、もしそういう意見でまとまったとしても、抜け駆けする奴が絶対出て来ると思う。悲しいけれど、それが人間のサガかと。
この作品、親しみのあるおばあちゃんたちが活躍するという視点はとてもよいと思うのですが、表面的な感じに仕上がっているのが残念でした。どうしようもできないのはわかるんですが、もう少し踏み込み方があったかなぁ、と個人的には思います。なんと言うか、不成功に終わるとわかっていることばかりをなぞらずに、もっと知恵を絞って学者や偉いさんたちをギャフンと言わせる場面があれば、痛快だったかなぁと。
まぁそれでも、年齢を経ても頭脳明晰なおばあちゃんたちに元気づけられたことは確かです。ああいうふうになれるといいですね。
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