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2015年09月27日17:16

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ジョルジ・シフラ

皆さんは「リスト弾き」と言えば、誰を思い浮かべるのでしょうか?
ボレット、ブレンデル、ベルマン、ワッツ、それとも女流のクリダ?


しかし、「リスト弾き」で、僕がまず思い浮かべるのは、ジョルジ・シフラだ。
そこで取り出したCDがこれ、

La campanella: the best of Cziffra(TOCE-3186: Remastered by Yoshio Okazaki)

リストのポピュラー曲を集めたダイジェスト盤で選曲も良いが、なによりも演奏が極め付けのすばらしさなのだ。このアルバムは、昔LPでよく聴いたものだ。

ハンガリー狂詩曲第2番、6番、15番;これらは奇跡的な素晴らしさだ。例えばグールドのバッハやホロヴィッツのある演奏CDを聴いた時に、音楽が心の琴線に共鳴し、恍惚となる瞬間があるが、シフラのリストはまさにその感動を味あわせてくれる。

シフラは後にハンガリー狂詩曲全曲をステレオ録音している。
それも素晴らしいが、ややオーバー・アクションの感があり、このモノラル録音には及ばない。

「愛の夢 第3番」はステレオ録音だが、これ以上の演奏が考えられるだろうか?と思える。
「リゴレット・パラフレーズ」、「ファウスト・ワルツ」、「ラ・カンパネラ」も入っている。

リストの名曲集が欲しい・・と考えられている方にお勧めの一枚だ。

「リストでこれほどのすばらしい演奏ができるのなら、さぞかしベートーヴェンのピアノソナタ等の演奏も感動的だろう」と思ってシフラによるベートーヴェンの録音を聴いてみると、それがさほどではない。

思うにリストのピアノ曲は、それはそれで素晴らしいのだが、ベートーヴェンのそれとは器が違うのかも知れない。

リストの曲は、技巧派で、マニアックで、内に向かうロマンティシズムを持ったピアニストに似合うが、ベートーヴェンの曲は器のサイズが大きく、それだけでは物足りない感じがある。やはり、ベートーヴェンは超偉大なのだ。

リストと言えば、パガニーニのように演奏家として見られ、作曲家としては一段下がった見方をする人も多いが、僕はそうは思わない。
ピアノ曲の分野で、ショパンやシューマンのように、独特の高みを持つ芸術を築いた作曲家と思う。




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