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2015年09月18日12:02

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反逆の炎として燃え上がる ダイジェスト版

 3回に分けて投稿した『反逆の炎として燃え上がる』は、長い講話だったので、ダイジェスト版を作って見ました。

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 過去における最大の悲劇は、安らかで、愛情深く、静かで喜びにあふれた人たちが反逆者ではなかったことだ。彼らには、愛や慈悲や喜びからの反逆が可能になることなど思いもよらなかったのだ。彼らのヴィジョンは、その未来の可能性を見抜くほどには明晰ではなかった。だから愛情深い人々、平和的な人々、宗教的で祈りに満ちた人々は、反逆者になる代わりにただの逃避主義者になってしまった。それは彼らにとっては反逆の代用品だった。彼らは安らかで、静かで、至福に満ちた生を送るために、山々や森に逃避した。

 ある意味で、彼らは確かに身勝手だったといえる。彼らは自分たちが見捨てた人たちのことを、けっして考えなかったからだ。彼らの慈しみはそれほど大きくはなかったし、その安らぎはそれほど強くはなかった――彼らはかき乱されることを恐れていた。その愛はそれほど偉大ではなかった――反逆の炎として燃え上がるのを恐れていたのだ。

(中略)

 私の努力は、反逆者とサニヤシンとのあいだに大いなる統合をもたらすことにある。サニヤシンは逃避者であるべきではない。彼は自分の愛を育て、自分の慈しみを充分に強くし、自分の歓喜を深く根づかせ、それを中心の定まった円熟したものにすべきだ。そしてこの愛に満ちたスペースから反逆するべきだ。

 その反逆において彼は、基本的に、体制を破壊することにではなく、新しい世界を創造することに関心をもつ。その焦点は新しい世界、新しい人類、新しい価値をもった新しい人間性を創造することにある。新しいものを創造するために、彼は古いものを壊さなければならない――だがそれは怒りからではなく、あくまで必要性からだ。
 
 そして彼は、人々に知的な考えを押しつけるのは危険だということを理解していなければならない。あなたはまず人々の心理を理解し、それに従ってあなたの反逆が形づくられなければならない。その反対であってはいけない――人々をあなたの反逆の観念の鋳型にはめてはならない。

 人間はけっして、いかなる理念のためにも犠牲にされるべきではない。すべての理念は、人間のために用いられるべきだ。人間の心理を研究すれば、確かに人々のあいだの大きな格差は醜い社会をつくり出すといえる。

 愛からの反逆、創造性からの反逆、瞑想性からの反逆――それこそが私の希求、私の希望だ。そしてそれはまた、全人類にとっての唯一の希望でもある。

 私たちは、ゴータマ・ブッダのような人たちが反逆的になる道を拓かねばならない。

 彼らの手のなかではじめて、権力は腐敗することがなくなる。それどころか、彼らは権力を浄化することができる。そして彼らの手のなかでのみ、人間の〈個性〉に安全が約束される。なぜなら、彼らには人間の内と外の存在についての理解があり、人類の手助けをすることができるからだ。

 (中略)

 私の言う反逆者は瞑想者だ。彼は平和を愛し、人々を愛し、人々の安寧を愛し、人々の自然な成長のためにあらゆることをする。彼はいかなる理念を押しつけることもなく、ただあらゆる人が自分自身でいられるように助ける。

 そのような反逆は、かつて起こったためしがなかった。だが、今やその時だ……その絶好の時だ。もしそれが起こらなかったら、私たちは、未来にもこの人間というものが存続してゆくその可能性すら、そのすべての希望すら失ってしまいかねない。古い社会はすっかり腐りきって、今や死に絶えようとしている。それが死んでしまう前に、私たちは新しい人間の種子をつくり出さなければならない。

 私が反逆を力説するのは、それらの種子をつくり出すためであり、そうすればたとえ古いものが死んでも――それは死なざるをえない、彼らは自らの死をつくり出してしまった――新しいものがそれに取って代わることができる。その新しい人間に、古い腐ったパターンを再びくり返さないよう、注意と〈気づき〉を促すことはできる。古いパターンをくり返すことの方が容易だが、いったん注意深くなりさえすれば、人は二度と再び同じ過ちを犯すことはない。同じ過ちを何度も犯すのは愚か者だけだ。

(中略)

 宗教的で精神霊的な反逆、暴力の炎から生まれるのではなく、愛と慈しみのかぐわしい香り、瞑想、注意深さや覚醒から生まれる反逆こそ、この美しい惑星を楽園へと変容させる唯一の可能性だ。 そう、あなたの言っていることは、まさに私がやろうとしていることだ。あなたは言っている

 「あなたは最近、反逆者に関するあなたの洞察を語っておられますが、それでもなお、私がこの瞬間に私たちのまわりに感じる雰囲気は、とりわけソフトで、愛情にあふれ、しなやかです。私には、これはあなたの魔法の一部であるように感じられます――まるであなたが自らの存在を通して、反逆者は暴力や不幸からではなく、愛と歓喜の芳香から生まれてくるのだということを示しているかのように感じるのです」

 まさにそのためにこそ、私は生きている。
 まさにそのためにこそ、私は“あなたがた”に準備させているのだ。


  (『反逆のスピリット』〜反逆の炎として燃え上がる)


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