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2015年07月02日00:51

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日本はこんな原始人的外交観を克服しないと……

「戦後最大の地殻変動が起きている」
それは確かにそうだが、
現在の政治状況を見るに、
その「地殻変動」で出来た地割れの中に
自公政権が真っ先に飲み込まれそうな雰囲気である。


田久保氏の主張を読んで
保守論客のスタンダードな世界認識はよく分かったが、
正直に申して、
このような軍事力一辺倒の外交観・世界観自体が
19〜20世紀の帝国主義・冷戦時代の遺物だと思う。

米国は大きなステッキ(棍棒)を持って
穏やかに話す外交を展開してきた……というのだが、
それはセオドア・ルーズベルト大統領の時代の話であって、
その後は「穏やかに話す」ことなんか二の次の、
DQN外交、脳筋外交、原始人外交に堕落したように見える。

第二次世界大戦後のアメリカは、
どっちかといえば
大きな棍棒を持って乱暴にぶん殴り、
弱いと思って侮っていた相手から
したたかに殴り返されて、
やばいから逃げようと思っても逃げられず
ズダボロにされるというパターンの
繰り返しではないのだろうか?

ベトナム然り。
イラク然り。
アフガニスタン然り……。

あれは日本から見れば
反面教師とすべき代物であって、
断じて見習うべきやり方ではない。

それを思えば日本国憲法は、
たとえアメリカが押し付けたものだとしても、
ルーズベルト流棍棒外交から堕落した
WW2後のアメリカの原始人外交に
日本が巻き込まれることを
最小限にとどめてきた点で、
大きな意義があった。


>軍事力というのは、もっているだけで大変な威力がある。
>軍事力が外交、あるいは心理戦になり相手に食い込む。

それは田久保氏の言うとおりである。

軍事力には確かにそういう面がある。

しかしその「威力」は往々にして
マイナスの作用をもたらすことも忘れてはならない。

北朝鮮を見れば、過大な軍事力を維持するための負担が
国力を疲弊させ、外交的孤立をもたらすことは
一目瞭然ではないか?

>日本がやるべきことは火を見るより明らか。
>完全に怠ってきた軍事面の整備だ。

……というが、

実は「完全に怠ってきた」というのは
「日本は平和憲法に縛られて非武装平和主義を貫いてきた」と
勝手に思い込んでいる田久保氏の錯覚であり
田久保氏が主敵として挙げた中国からみれば、
日本はすでに恐るべき軍事大国になっている。

皮肉なことに、
日本人より中国や韓国のほうが
日本の軍事的実力を熟知している。

「中国海軍と日本の海上自衛隊がガチでやりあったら、
中国軍は勝てないのではないか?」なんていう話は、
中国のネットでも普通に論じられており、
時たまそれが日本語訳で紹介されることもある。

なぜなら彼らは
日本の保守派と違って
「平和憲法の呪縛」などというお題目を
毛の先ほども信じておらず、
日本がある日突然平和の仮面をかなぐり捨てて、
かつて極東を震撼させた恐怖の帝国へと
先祖返りする可能性に対して
用心と警戒を怠っていないからである。

少々リーチは短いかも知れないが、
棍棒だか木刀だかは
すでにわが手中にある。

してみると、日本がやるべきことは火を見るより明らかである。

軍事面の整備以上に完全に鍛錬を怠ってきた、
そしてルーズベルト以後のアメリカも見失った
「穏やかに話」して要求を通すという
高度な「外交的話術」を日本が身につけることである。

ところで、
なぜかあまりマスコミなどでは
取り上げないようだけれども、
実は近年、各地の紛争地帯の武装解除や和平交渉などで
日本人の担当者が仲介役になって
和平交渉を成立させた事例は少なくないらしい。

それというのも、
「日本は戦争をしない国」
「戦争せずして繁栄した国」という
日本国憲法体制――いわゆる「戦後レジーム」――70年にわたる
信頼と実績の積み重ねがあるために、
紛争の当事者たちが、

「下手に武装解除の呼びかけに応じて
丸腰になったところを襲われるのでは……」

という懸念を抱かず、

「戦争を続けるより和平に協力したほうが得だ」

と考えるからだという。

軍事力一辺倒の原始人的外交観を克服して、
こういう分野で培われた交渉術を
日本政府の外交官や政治家が身につけたときにこそ、
本当に日本の再出発が始まることだろう。



―引用―

■【三重「正論」詳報】杏林大名誉教授・田久保忠衛氏

「戦後最大の地殻変動が起きている」
(産経新聞 - 06月30日 20:38)

 津市の津都ホテルで開かれた三重「正論」懇話会の設立総会で29日、「激動する国際情勢と日本」をテーマに杏林大名誉教授、田久保忠衛氏が記念講演した。要旨は次の通り。


地殻変動する国際問題


 南シナ海など中国が出て来た時期に2千年以上の伝統もつ伊勢神宮の場所で正論懇話会が開かれるのは、大変大きな意義がある。

 国際問題で戦後最大ともいえる地殻変動が起きている。要素は3つ。留まることを知らない中国の増強。あっという間に世界第2の軍事、経済大国になった。G7の国とまったく価値観が違う一党独裁の政権。対決を覚悟するか、米国ともう1回、同盟のネジを締め直すか。その回答を政治家がだしてこなかったため、南シナ海を中心に日本に圧力が加わっている。

 第2に米国はかつての米国ではなくなった。オバマ政権の影響力が世界的に落ちてしまった。「世界の警察官」ではないと明言した。第3に「イスラム国」という国家ではない現代文明を敵視する新勢力が現れた。国際テロの勢力は増える一方だが、人類はどうするか。国際政治学では解決できない新しい要素が加わった。

 この3つが同時進行し、その中でサバイブしていかねばならない。


緊張感のない日本


 中国の海洋進出はスピード、規模とも異常。美しいサンゴ礁をダイナマイトで砕き、軍港としか考えられないものがあちこちできている。沖縄・辺野古で大型のいかりを沈めただけで日本の団体が押しかけたが、なぜ中国にいかないのか。偽善だ。軍事力の意味を知らない人が日本には非常に多い。島で軍用機を飛ばし軍艦が出入りしたら、シーレーンでは常に中国に気を使わなければいけない。

 軍事力というのは、もっているだけで大変な威力がある。軍事力が外交、あるいは心理戦になり相手に食い込む。この怖ろしさを日本人は分からない。軍事力をもたないことで南シナ海がこういうことになっているのに緊張感がない。この延長線上に尖閣問題があると考えなければならない。

 日本がやるべきことは火を見るより明らか。完全に怠ってきた軍事面の整備だ。(総理の)安倍(晋三)さんはおとなしすぎ、憲法の枠内でやろうとしている。野党側は戦争法案という。大きな世界の潮流がまったく念頭にない。米国を中心に中国の膨張をとめないと、日本はサバイブできない。法改正以外に方法はないと確信している。

 米国は大きなステッキ(棍棒)を持って穏やかに話す外交を展開してきた。今、盛時の米国とは事情が変わった。その空白で日本の生存を図るには、国にふさわしい小さなステッキでもいいから、憲法に書き込まなければならない。それは日本の再出発の大きなサインになるだろう。

http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=3&from=diary&id=3493167
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