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2015年06月11日10:32

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バッハ 無伴奏ヴァイオリンソナタ第2番;ハイフェッツ

(クラシック音楽鑑賞会に投稿した原稿です)

ハイフェッツ(Vn)
1952年録音RCA
で聴いた。

バッハの無伴奏Vnソナタは旋律美よりも和声に重点をおいた厳格な曲で、良い演奏を選ぼうとすると、これがなかなか難しい。
シゲティなどの演奏は、もはや古き良き時代の遺物との感があるし、ピリオド楽器によるスマートな演奏ではやや物足りない。

そういうことを考えると、このハイフェッツによる演奏、技巧は言うに及ばず、音楽性が素晴らしい。

ある評論家が、ハイフェッツについてこんなことを書いていた。

その生涯にサラサーテ、ヴィエニアフスキー、ヴュータン、ヨアヒム、アウアー、フーベルマンといった世紀の大ヴァイオリニストたちの演奏に接したアルトゥーロ・トスカニーニが、「ハイフェッツこそは私の知る最高のヴァイオリニストである」という最大級の賛辞を贈った。

僕はこうゆう話をあまり真に受けない。欧米人はこうゆうリップ・サービスが大好きなのである。 「あれっ、バガニーニがいないな、時代が違うのか?」と思い、調べてみると、パガニーニは1782‐1840で、トスカニーニは1867‐1957。なるほど、時代が違う。

しかし、(余談だが)昔、シャーロック・ホームズのBBCドラマを見たとき、ホームズがロンドンでバガニーニの演奏会を聴きに行く場面があったような・・・。 ホームズの時代は1900年前後のはずである。

ハイフェッツの凄さは、こんな話をするまでもなく、録音を聴けばすぐにわかる。
ハイフェッツとよく比較されるのはナタン・ミルシテイン。実際どう違うのだろうか?

この無伴奏Vnソナタを比較視聴してみると、ミルシテインの方は、なるほど美音で完璧な技巧だが、優等生的生真面目さで、やや堅い、(やや暑苦しい)音だ。まだ「難曲を弾いている」という感じが少し残っている。ハイフェッツの方はそういう感じが全くなく、もう一皮剥けた演奏だ。いわば天才的な超絶技巧で余裕綽々と弾きまくり、しかも聴きごたえ十分だ。だだ、この真摯なミルシテインの方を好む聴き手がいるだろうことも理解できる。




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