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2015年05月20日16:30

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【長文】あきんどの勘と情弱オヤジ【御免】

「情弱」という罵倒語が流行ってるようだが、
そもそも個人レベルの情報力なんて
どうあがいても政府機関やメディアなど
組織のそれには足元も及ばぬわけで・・・

高齢者だろうと若年者だろうと
個人が情弱なのは当たり前。

ちょっとググったぐらいで自分を「情報強者」などと信じてたら
それこそ足元をすくわれる。


だいたい、
大阪都構想の話は橋下府知事時代から言ってたけども、
その具体像は住民投票が具体化してから
メディアでもよく目にするようになった。

それを見たら、
「こういう話やったら
 もっと早う知らしてくれたら
『わからへん』とか言われんで済んだのに」と思う。

こういうと
「ホームページや冊子などでは
もっと早くから公開してたのに、なぜそれを見ない!」
とお叱りをうけるであろう。

しかし情弱オヤジのおれにいわせれば、
そんな賛成とか反対とかの色のついた奴やのうて、
第三者がもうちょっと一歩引いた視点で評価した情報が
もう少し早め、できれば一昨年ぐらいには欲しかったと思う。

もっと言えば、

「《コレで大阪が変わる!》という期待だけ持たせて、
 中身は買って開けてのお楽しみちゅうのは
 福袋と一緒やないか!?」

「《大阪が変われるラストチャンス!》とかいって
 聞き手を焦らせ、危機感を煽るやり方は
 催眠商法やテレビ通販の手口そのまんまやろ?」

「情報を小出しにして
 チラ見せチラ見せで期待させて
 人目を引こうとするやり方はストリップそのものやないか!」

という話である。

都構想の具体像がイマイチはっきりしない以上、
あきんどの勘に頼らざるを得ない。

そしてあきんどの勘は、
「ああいうのは、実際見たらしょうもない代物を
 高く売りつける時の典型的な手口」と告げている。

そういう商売人の手口をことごとく動員して
実際に日本中の耳目を集めてみせたのは、
さすが商都大阪が生んだ政治屋というしかない。

政治テキヤ橋下徹、おそるべし。


それにもう一つ、
誰もが知っている通り、
橋下徹という御仁は
すごく優秀だけれども
スペックが思い切り偏っている。

実行力は思い切り高いが、
調整力・包容力・忍耐力は絶望的に低い。

100ポイントをそれぞれの能力値に割り振るとしたら、

 実行力:97
 調整力:1
 包容力:1
 忍耐力:1

ぐらいの感じである。

人間誰しも得手不得手や気質の違いがあって当然なので、
それが悪いとは言わない。

ただ、自分でその点に気づいて、
誰か忌憚なく意見してくれる参謀なり助言者なりを見つけて
その欠点を補ったらまだしもよかったのになぁ、と思う。

いろいろな暴言・失言とか、
民間区長・校長や維新議員の人選ミスとか
そういうところでケチをつけて信頼性を落としてしまった。

たとえばあなたが社長で、
ああいうタイプの部下がいたとしたら、

「あの人はキレ者やけど
 オッチョコチョイに
 大きい仕事は任せられんなあ」

と思うのではなかろうか?

今回の住民投票の結果をみた感じでは、
あの僅差なら「ソレ」がなければ賛成多数で
楽勝だったようにも思う。

「たたきつぶすつもりがたたきつぶされた」

みたいなことを言ってたけれども、
それは他でもない、
橋下徹自身に叩き潰されたのである。


それはともかく今回の住民投票で
若年層で賛成が有利で、
年寄りに反対票が多くて、
その「チョットの差」で否決されたというのは
おれとしては非常に腑に落ちる結果であった。

たぶん、政治テキ屋が振りまいた期待感より
「あきんどの勘」を信じた有権者が
わずかばかり多かったのであろう。


後は情弱オヤジの思い出話になるが、
アレはそもそも胡散臭い話だった。

去ること5年かそこら前、
まだハシゲが大阪府知事だった頃に
大阪都構想をブチ上げた。

その前にはさらに広域の「道州制」で近畿の府県を
一つにまとめるという議論もあった。
(今もあるのかな)

思うに、府が市町村に命令できる権限があると思って
府知事になってみたら、
実は広域自治体と基礎自治体は対等という建前で、
市長とかち合う部分が多かったもんだから、
(実際、知事当選当初は
 一枚のポスターに並んで写るぐらい仲が良かった
 平松大阪市市長[当時]ともケンカ別れ)
東京都の石原慎太郎知事[当時]みたいに
独裁的にバリバリやりたいと思って
「大阪都」と言い出したのであろう。

それをやりたいがために
知事を辞職して大阪市町に立候補し、
みごと平松氏を打倒して大阪市町になった上、
先輩の松井氏を大阪府知事に推して、それも当選させた。
その上、維新の会を立ち上げて
現職市長にして政党党首という前代未聞の地位についた。

この頃は横紙破りまくり、橋下無双の時代であった。

ところが、大阪府下の
大阪市以外の市町村長との調整がつかず、
そっぽを向かれたのが都構想のケチの付き始め。

堺市市長選に知事時代の子飼いの元部下を送り込み、
プッシュして当選させ、大阪都構想の尖兵にするはずが、
「歴史ある堺の名前が消滅する」とでも口説かれたか、
堺市の議員か誰かに調略されて
ものの見事に寝返られ、堺市の取り込みにも失敗。

こうして大阪都構想は結局、
大阪市域だけの構想に縮小した。

と構想は大阪の他の首長からもそっぽを向かれ、
大阪市議会からも否決された案件だということは
確認しておいて損はない。

しかし、大阪市レベルにまで縮んでしまった時点で
もう実質的に大阪都にする意味は
ほとんどなくなったとも言える。

何せ松井知事と橋下市長は盟友だから、
二重行政になっている重複部分を
一つ一つ話し合って、
どちらが府、どちらが市の担当にするか
調整すれば良いだけの話だからである。

だいたい、二重行政の打破というけれど、
市民の側からすれば大学・病院・図書館なんかは
府立と私立の両方あっても全然困らないし、
税金の無駄遣いだとも思わない。
むしろ相互にカバーしあっている面があるから、
それらが統廃合されたりしたら
サービスが手薄になって困る。

また、二重行政の無駄で多額の赤字が垂れ流し・・・と言っていたが、
実は大阪の大赤字には、
もともと二重行政と関係のないものが
かなり含まれている。

たとえば大阪府の例で言えば、
騒音公害が問題になっていた
旧大阪空港(今の伊丹空港)を
泉南沖の埋立地に移転して(今の関空)
旧空港跡地を宅地として売却する計画では、
空港の地域住民が
地域の活力がなくなるといって反対して
空港の存続が決まり、
借金の穴埋めに当て込んでいた売却益がパーになった。
(・・・これは周辺住民が悪いよなぁ)

逆に、都構想によるメリットとして
挙げられてる中にも、それと関係ないのがある。
たとえば大阪市営地下鉄の黒字なんか、
橋下市政以前より赤字から黒字に転換してたのに
これが数えられてたりする。

都構想がらみには、
そういうインチキ臭い話が多い。

この住民投票の報道をネットで見てても、
仮に都構想が実現したとして、
ハシゲはその後の大阪都を
どうする腹づもりだったのか?というのが
ついに腑に落ちなかった。

それまでの発言から推測するに、
湾岸区にでっかいカジノを誘致または建設して、
そのテラ銭、もとい税収を新生大阪都の
主要財源に当てるつもりだったのだろうか。

カジノが主要な収入源になってるマカオみたいな感じで。

それが軌道に乗るまでの財源は
大阪都の予算からひねり出し、
足りなければ生活保護やら何やらを削ってでも、
カジノその他の「成長戦略」に注ぎ込む気だったのであろう。

ここがまず怪しいわけだが。

大阪市内に山ほどパチンコ屋があり、
住之江、淀、尼崎など近場に競艇競輪競馬場があって、
それでなおカジノに行く日本人が
果たしてどれくらいいるというのか?

外国人客を呼ぶにしても、
大金を持った客がワンサと押し寄せる魅力的なカジノにするためには、
おそらく外為法やら何やら相当多くの法律を
改正しないといけないだろう。

その他にどういう手を考えていたか
情弱オヤジにはよく分からない。

以上のようなわけで、
情弱オヤジとしては
大阪に改革が必要だとしても、
ハシゲが旗振りした「大阪都構想」は別に必要ではないと
結論づけざるを得ないのである。


―――――――――

5月17日、いわゆる“大阪都構想”の住民投票が行われ、0.8%の票差で反対が多数となり否決。橋下徹市長は12月の任期満了をもって政界引退を表明した。同日、評論家の宇野常寛さん(@wakusei2nd) は『Twitter』にて「大阪都構想の住民投票、反対多数 大阪市は存続」という朝日新聞の記事を引用し
あーあ。残念……
とツイート。

今に始まったことではないけど、選挙とは情弱高齢者をいかに騙すかで決まるゲームになってしまってるのだな、と改めて痛感した次第です。はい。
と続けた。

これに対し評論家の竹田圭吾さん(@KeigoTakeda)は


選挙結果を受けて高齢者を貶めるのもおかしな話。
とツイート。

宇野さんは

この国は右も左も近過去の成功体験と個人のプライドがなんとなく結びついた世代がマジョリティなので、どんなに必要でもその思い出に冷や水を浴びせるような改革をするくらいなら既存のカビの生えた仕組みと一緒に滅んでいくほうがいいと判断が下されてしまうことが、また一つ証明されたのだと思う。

ともツイートしていたが、それに対しては

反対に投票した方々の中には少なからぬひとが、過剰な資金投入とメディア利用、政権のバックアップを恃みに世論を誘導しようとした維新のやり口に反撥、熟議民主主義を志向しようとしたのではないか。ここにはそういう視点が全く欠けている。

とツイートしている。

今回の選挙、賛成と反対の票が拮抗していたが、20代〜60代は賛成が多数、70代以上のみが反対が多数という出口調査の結果が話題となっており、今後も議論になりそうである。

http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=222&from=diary&id=3424142
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