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2015年03月06日07:37

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スーパー小学生

高校に入った頃、学校の行き帰りにしばしば顔を合わせる小学校高学年の女の子がいた。名前も知らないし、話をしたこともないが、挨拶くらいはするようになった。背が高くてすらりとして、ちょっと大人っぽい子だった。胸の開いたミニのワンピースを着ていることが多かった。

下校時には、近所の公園で、時々その子が友達4〜5人と一緒にゴム跳びをしているところに行き会うことがあった。ある日、私は彼女たちの「女の戦い」をしばらく観戦することにした。実際単なる遊びというより、そんな熱気が感じられたのである。

2本の立木の間にゴム紐を張って、それを高くしながら跳び越していく。みんなよくあんな高さまで足が上がるものだなあ、と思っているうちに、ものすごい高さにしてしまった。なんと、男子高校生である私が背伸びして腕を上に上げた指先よりも、さらに高かった。

いくらなんでもあの高さは跳べないだろうと思ったのだが、驚いたことにあの少女がみごとな女跳びでパーっと跳び越したのである。惚れ惚れするような美しいフォームだった。

あんなことができるものだろうか、と疑問に思った私は、後日同じ場所で実際にやってみた。その結果・・・自己嫌悪に陥ったのであった。あの少女が跳び越した高さなど夢のまた夢、頭の高ささえ跳べない。肩くらいが何度か跳べただけだった。

さらに文字どおり身をもって知ったのは、ゴム跳びが半端でなくきつい遊びだということ。私はすぐに息が上がり、足はガクガクになり、じきに胸くらいでも跳べなくなってしまった。

当時私は陸上部で長距離走をやっていたが、その陸上部員の男子高校生がゴム跳びでは女子小学生に全く歯が立たなかったのである。

それにしても今日でも驚嘆するのは、あの少女の運動神経とスタミナである。あんなきつい遊びを長時間続けるうえに、あのように高いゴムを跳び越したのだから。女子小学生に完敗した悔しさと、女性ってすごいものだという感嘆は、今でも心の底に澱のように残って、消えることがないのである。
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