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2015年02月12日10:06

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岐阜県の墓は素晴らしいことについて

今日は有給休暇でお休み。
あとで焼肉食べ放題ランチへ行って、スーパー銭湯でビールを飲む。
このようなことを、みんなが働いているときにするのは、とても充実感がある。

焼肉屋の開店まで時間があるので日記を書く。


先週は長良川遡行へ行った。
岐阜市の郊外を歩いていた。
すると見慣れないものがあった。
大小の河原石を集めて、真ん中に古い角材が立ててある。
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よく見ると、同じようなものがたくさんある。
整地した土地に、無秩序に石積みがある。
なかには花生けがあって、シキミなどが挿してある。
ふちっこにはお地蔵さんが並んでいる。
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どうもここは墓地のようだ。
県道のすぐ脇にあるのに、異様な雰囲気だ。

ちょうど通りがかった地元の人に聞いてみた。
「ああ、ここはお墓だよ。いまでも死んだら埋めとるよ。都会の人には珍しいかねえ」

もうちょっと先にも墓地があるというので行ってみた。

こちらは大きな敷地だ。
南半分が普通の墓石のお墓。
まだ新しい感じだ。

それで北半分が石積みの墓だ。
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これらの珍しい墓は、地元の人の話と観察した結果から総合すると、次のようなものらしい。

ここに葬られているのは、ひとつの墓につき一人だ。
最近の墓のように、先祖代々の骨を入れているのではない。

墓地は地域の共有物で、誰か死んだら空いているところに石を積んで墓を作る。
墓の直径は50センチちょっと。
石の大きさはいろいろだ。

真ん中に幅10センチ、高さ1メートルぐらいの角材を建てる。
てっぺんには切妻屋根のようなものを乗せる。
角材の正面には法名を墨で書く。
側面は、向かって右に死亡年月日、左に俗名を書く。
裏面は空白か、南無阿弥陀仏などの決まり文句を書く。
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この角材の墓標は木でできているので、だんだん朽ちてくる。
だいたい10年でボロボロになる。
さらに倒れて跡形もなくなり、石積みだけが残る。
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故人を覚えている子孫が生きているうちは、お花やお線香を供えてくれる。
やがて、そういう子孫も死に絶える。
お墓は忘れ去られて消えていく。
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ちょうどその頃、新しい死者が出る。
お墓の痕跡は整地されて、新しい石積みが作られる。

この方法は、とてもエコだ。
いくら死人が出ても墓地を拡張しなくてよい。
古い墓に上書きしていくのだから。

石積みがこのサイズなのは、座棺を埋める大きさだったからだろう。
でも、いつの頃からか火葬して骨を埋めているようだ。

その証拠に、墓地の隅っこに骨壷があった。
中を開けてみたら雨水が入っていた。


2つの墓地の中で一番新しいのは、平成21年に死んだ人のものだ。
それから6年も死人が出ていないとは考えられない。
たぶん、こういう石積みの墓は時代遅れになったのだろう。

今ではみんな大きな墓石に埋葬されているようだ。

大きな墓石で家族単位で埋葬するというやり方は、まだ最近始まったことだ。
大正時代かそれ以降らしい。

それにしても、この墓地のあたりは田舎といっても岐阜市内だ。
名古屋に通勤している人だっていそうなところだ。
それでこんな埋葬方法が残っているというのは凄い。

前回の飛騨川遡行のときは、自宅の敷地に埋葬する屋敷墓にびっくりした。
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長良川のリサイクル墓も素晴らしい。
岐阜県には他にも、墓地ごとに死体を焼く施設、三昧というのがあちこちに残っている。
お墓好きの人はぜひ、岐阜県へ観光に行こう。

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