【去年の振り返り：その２〜ミル〜】
前回は、うつ病の療養開始から、
２０１４年の１〜２月：関東の仲間との再会を語りました。
今回は２０１５年４月〜５月。
翌年には家族で仙台に移住（大学卒業以来の、帰郷）が決まっていたので、
その準備も兼ねて仙台に滞在した時のこと。
-----------------------------------
きっかけは２月。
ある漢（おとこ）とSkypeで久々に連絡を取った。
彼は俺の人生を変えた漢。
俺にギターを教えた漢。
僕は彼をミルと呼び、
彼は僕をけんたと呼ぶ。
中学３年、冬
学級新聞を作る
という名目で居残りさせられた、
暇を持て余した１５歳の少年達。（←仕事をしてない）
何気ない会話から、僕はギターを始めた。
【 前述談�◆�僕がギターを弾き始めるまで 】参照
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1976936360&owner_id=3993036
夕べのコンタクトも
数年ぶりとは思えない、ミルからの何気ないメールから始まった。
「作りかけの曲があるんだけど、続き、作ってみない？」
早速、Skypeで繋がって、曲を受け取った。
「オリジナルじゃなくて、カバーなんだけどね」
……。
……これは。エックスじゃねえか。
”Rusty Nail / X JAPAN” だった。
打ち込みのドラムに、シンセサイザーとギターを重ねただけの音源。
……だが、めちゃくちゃ、熱い。
彼のギターが、カッコイイから。
、、、
１５歳当時の僕らも、エックスにハマっていた。
腱鞘炎になるまで、
１６分のミュートを刻むのが、カッコイイと思っていた。
メロディアスなツインギターのリードに、魂の底から魅了されていた。
・・・ああ、
変わんないな、ミルは。
彼 と 触れる 度 に 思う。
ギターって、カッコイイ。
彼 の ギター は
本当 に エモーショナル。
僕の耳では、
そこらへん の プロ より 断然、巧い。
何気ないリフが、
カッティングが、
ギター の 呼吸 が、
生々しく 躍動 する。
そんな彼の音源を聴いて、ギタリストの血が騒ぐ。
と同時に、今の僕は強烈に、
”歌いたい”
という強い衝動を感じた。
こんな熱いオケを前にして、そう思わない奴は居ないと思う。
いや、昔の僕ならギターのみに傾倒してたかもしれないけれど、
今の僕は、歌うことも凄く大事な……ライフワークになっているみたいだ。
ともかく僕は、調子の良い時に、Rusty Nailのレコーディングに取り組むことにした。
元のクオリティがめちゃくちゃ高いから、負けないようにしないといけない。
、、、
その後、
僕の作りかけの新曲を送ったり、
その新曲に、ミルがギターを重ねて返ってきたり、
ミルのデモ音源を聴いたり、
ミルがほかの方とセッションした音源や動画を鑑賞した。
うん、負けてらんねえ。
ギター弾けるときは、もっと意識を高くして弾こう。
いける。
もっといける。
ミルの姿が、そう教えてくれる。
これが俺の、音楽・初期衝動。
------------------------------------
そうして２０１５年４月。
仙台に着いた一昨日、ミルにメールした。
ミル『ギターはお持ち？』
俺『アコギなら』
ミル『じゃあ、公園セッションでもすっか』
アコギとmacを持って、家た。
いつもの道を、錦町公園まで歩いていく。
近所の小さな公園は、たった１本だけど、しだれ桜がふわぁっと広がって、満開だった。
『そっか、しだれ桜は、今が満開なんだ』
狭いながらも、沢山の子供たちがキャッキャと遊んでいる。
楽しそうな声。
俺も、あんな時があったな。
今日は温かい。日が燦々と射してる。
勾当台公園を通る。
人々の憩いの場所として愛されるここは、
水が滝のように流れていて、
いつ見ても癒される。
マイナスイオン全開だ。
僕は、緑と水と光が揃っているところが好き。
アコギを持って、久々に会う友人に会う道すがら。
……なんか、幸せだ。
この辺りはハトも沢山いる。
人を恐れない
ともすると 自転車 に ひかれかねない
のんびり屋 の 平和 の 象徴 たち。
俺 は 仙台に帰ってきた。
そんな気がした。
、、、
錦町公園に着いた。
なかなかに広い公園で、
スポーツを楽しむ子供や若者たちが、ちらほら。
それでも、スペースはけっこう余っている。
僕らが遊ぶのにも、丁度良い。
公園の隅っこの方に、コンクリートのスペースがある。
そこに、自転車から降りてギターを調整している、懐かしい幼馴染みの姿があった。
『久し振り』
互いに、ニヤッと笑う。
元気そうだ。
震災の後、みんなに会いたくなって、
仙台に行って会って以来だから……３年弱ぶりか。
俺『元気そうで良かった』
ミル『それはこっちのセリフだよ！(笑)』
……そりゃそうか(笑)
俺は一応病人で、療養生活中なんだから。
調子が良いから、忘れそうになる。
僕はちょっと用事を抱えてたので、先にそれを済ませて、公園に戻ってくる。
どちらからともなく、ギターを弾き始める。
ミルのサウンドは素晴らしい。
鮮やかで、かつ、情熱的だ。
俺は、昔より少したどたどしく、でも楽しく、ギターを弾く。
即興のロック。
ブルース。
ファンク。
お洒落で爽やかなサウンド。
そこから、エモーショナルなサウンドへ。
カポをつけたり、
チューニングを変えたりしながら、
ミルは色んな世界へ俺を誘う。
俺は安物のアコギ１本、ノーマルチューニングでそれに乗っかる。
（チューニングをいじらないのは、俺のポリシーだ。）
しばらくすると、
僕からももっとアプローチしたくなって、ギターと共に歌い始めた。
¨泣かない¨
僕がシンガーソングライターとして唯一、無料ＣＤ-Ｒというカタチで配布している曲。
ミルはそれに合わせて、即興でリードギターを入れる。
……ああ、なんか凄い良い感じ。
気持ち良い。
間奏で、ミルのギターソロが入る。
僕はこの曲にギターソロを入れなかったので、新鮮だ。
（バンドサウンドで作った原曲は、歌のハミングで充分な感じだった）
僕のハミングのメロディと、ミルのギターが絡み合う。
……、
言葉にならない、この空気。
僕は、好きだ。
ミルが弾くんだったら、
この曲にソロを入れるのも、良い。
そう思った。
そこから、macを取り出して、僕が作った過去の音源を、流し始めた。
（僕の中では未完成な曲も多く、音源の配布は、身近な人にするくらい）
それに合わせて、僕も歌う。
ミルがギターを重ねる。
凄く、凄く、気持ち良い。
世界が、広がっていく。
俺『本格的に仙台に帰ってきたら、ミルと一緒に、本格的にレコーディングしたい。』
ミル『良いね。』
日が落ちて少し冷えてくるまで、僕らは歌い、ギターを弾いていた。
そこから、ミルの高校の同級生が働いてるお店へ。
和風の居酒屋だ。
※僕は薬を飲んでるので、お酒は呑まない
お通し、
サラダ、
親子丼、
美味し！！！！！！！！
そこから、ミルの意外な趣味の話が出た。
写真である。
だが、これは聴けば聴くほど、音楽にも通じる……奥深く、面白い趣味であることが分かった。
瞬間を切り取る、なんてよく言うけれど、それだけにとどまらない。
どんな構図で撮るか。
ビルが背景に映る、桜の写真。
桜のふんわりとした雰囲気が、
自然が作り出す花びらの柔らかな曲線が、
ビルの壁や窓の幾何学的な、キリッとした雰囲気をバックにすることで、より引き立っている。
写真は、表現だ。
ちょっと顔を歪めて笑う、人物像。
それを白黒写真にし、陰影を強くしていくと……。
細かな表情、
ちょっとしたシワ、
光に写し出された、
そして、その陰から見えるのは……
その人の人生。
更にアップにして、
顔の半分あたりでカットしてみる。
その目は、何を見ているのか。
半分だけ見える表情は、何を言いたいのだろうか。
全てを映さないことで、
強いメッセージを感じることもあるのだ。
光をレンズで集め、フィルムに焼き付ける。
（デジタルカメラなら、デジタル情報に変換する）
それだけのことが
こんなにクリエイティブなんて。
そして、
これにはお金もかかる。
カメラはギター。
サウンドの出方は、コイツで決まってしまう。
原型は、芯は、後から弄っても変えることはできない。
クォリティに大きく関わる。
備品やレンズなどはエフェクター。
何にピントを合わせるのか。
合わせないのか。
それによって、何を強調するのか。
遠近感。質感。
そして、編集。
どうカットするか。
光の陰影の強さ。
シルエットみたいにして、ロゴマークを作ってみたり……。
腕も、センスも大事だ。
凄い。
……書ききれないくらい、刺激を受けた。
ミルは、フェイスブックで写真を公開していて
ついにというか、お金を貰って写真を撮る、なんて依頼もあるそうな。
凄いよな。
本当に、凝る男です。
昨日も、良い再会があったのですが、
それはまた、次の日記で……。
-------------------------------------
次回も、仙台での再会について書いていきます。
続く。
ログインしてコメントを確認・投稿する