高倉 健さんの死去に続いて亡くなった、菅原文太さんですが、マスコミはその経歴に付いて晩年の政治的言動を記すことを避け、芸歴のみの絞った報道に済ませました。
私も文太さんに付いては「仁義なき戦い」と言う、やくざ映画の強烈な印象が勝って居ましたが、つい最近、彼が政治的と言うか社会人として非常にリベラルな人間に変貌していることを知り、彼の意外な一面を垣間見た気がしたものです。
彼は反戦や脱原発、更には憲法9条の護持などを表明し、時には政権を批判する事も有ったのです。ほとんどの芸能人は政治的に無色で在ろうと努め、自分のカラーを表に出しません。其れは職業柄どちらの陣営からも嫌われたくないと言う打算が働いて居るのかも知れませんが、自分と言う物に責任を持つ或いは自信のある芸能人は、自らの信ずる所を堂々と表明して居ます。
新劇の俳優などは、元々思想的なアイデンテティで設立された劇団である事から、明確のその思想的カラーを表に出しています。
高倉 健 は、俳優としての自分の技量を深く掘り下げる事を、その後半生に没入して行きましたが、 菅原文太 は、戦後の新しい日本の在り方に、過去の間違いを繰り返さない様にするべきだと、声を上げ続けた“社会人”でも在ったのです。彼の死去をも又深く悼みます。
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