あきる野市さんぽ「武蔵五日市七福神」
◎『武蔵五日市七福神』
七福神めぐりは、室町時代末ごろから民間信仰として始まったとされ、その後江戸時代中期に谷中（台東区北西部）で七福神詣でが始まってから盛んになり、江戸後期には今日の七福神めぐりの形態が確立されたようです。「武蔵五日市七福神」は、東京の西のはずれ「五日市」を舞台に、東西約5kmに点在する五寺と二地蔵堂を合わせた7か所を巡ります。ここは奥多摩の山々に囲まれた自然豊かな所でロケーションもよく、また名所・名物、温泉と観光資源も豊富です。
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�� 「正光寺（弁財天）」(舘谷84)
五日市街道を歩くこと約10分で五日市橋交差点につきます。正光寺が南に向かって右手に見えます。本山は藤沢の遊行寺。弁天様は弁天堂に安置されています。正光寺は、嘉元3年(1305)二祖他阿真教上人が当地に巡化の際開創されたものと伝えられています。秋川流域で唯一、浄土宗の流れをくむ時宗の寺院です。本尊は阿弥陀如来立像（脇に観音、勢至菩薩を従える）で、作者は江戸の大仏師法橋光清（1681年作）です。
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�� 「大悲願寺（大黒天）」(横沢134)
次の大悲願寺さんへは、五日市橋交差点の五日市街道を横切り、東に進みます。約１０分ぐらいで、写真上の交差点があり、右手に看板があり、この交差点を左折して山を登ります。かなり旧坂です。五日市線の踏切を渡るとお寺が見えてきます。田舎の古刹という風情。大悲願寺さんは、歴史のあるお寺で、本堂は都文化財になっています。本堂奥の観音堂も彫刻が大変見事です。中には国の重要文化財に指定されている阿弥陀三尊像が安置されているそうです。（毎年４月２１、２２日開帳）ぜひ見てみたいものです。
四百年の昔、聖徳太子が全国行脚の際この地に一宇の草堂を建てたのが起源とされる。その後建久二年(1191年)に源頼朝の命により、京都醍醐寺澄秀僧正を開山として平山季重が建立した。十五世住持・秀雄は伊達政宗の舎弟といわれ、その縁で当山を訪れた政宗は境内一面に咲く白萩に心を引かれ、後日一株所望した書簡が現存している。境内に建つ無畏閣の堂内に安置されている阿弥陀如来三尊象は国の重要文化財です。
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�� 「下町地蔵堂（恵比寿天）」(五日市64)
来た道を戻り、五日市駅を正面に見て檜原街道を西に進みます。大悲願寺さんから約25分で下町地蔵堂に着きます。真新しい恵比寿様が安置されています。
下町地蔵堂に祀られる子育地蔵尊は、その台石と思われる自然石に刻まれた碑文よれば、｢五日市村下町女人27人｣によって｢元禄12己卯(つちのとう)年(1699)2月26日｣に造立されたとあります。地蔵尊は、女性や子供たち弱者の保護者として信奉されましたが、当下町地区の女性達によって、出産・育児の守り神として造られたものと思われます。
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【阿伎留神社】(五日市1081)
ここで、阿伎留(あきる)神社に寄ってみました。阿伎留神社の創建は不詳ですが、延喜式神名帳には武蔵国多摩郡八座の筆頭にあげられる同国著名の古社で、社名は｢阿伎留｣、｢阿伎瑠｣、｢秋留｣、｢畔切｣とも書かれましたが、いずれも「あきる」と読みました。阿伎留は｢畔切｣のことで、当地の開拓されはじめた頃に鎮祭せられた神社ではないかとも考えられています。また現在の宮司家は創立以来70余代目とされ、初代神主の土師連男塩が、その氏神を祭ったのに始まるとも考えられています。中世以降、春日大明神と称されてきましたが、天慶3年(940)鎮守府将軍藤原秀郷(田原藤太)が、大原野明神(京春日)を勧請したのに始まるとされ、また鎮座地により松原大明神と称し、通称は｢松原さま｣といわれていました。
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�� 「上町地蔵堂（毘沙門天）」(五日市852)
檜原街道を出ると、上町地蔵堂に着きます。こちらも毘沙門天の木像が安置されています。上町地蔵堂の本尊・延命地蔵尊にまつわる文書によると、昭和の初め、現在よりやや西側の坂の途中に安置されていた地蔵尊を玉林寺境内に移したところ疫病が流行したといいます。慌てて現在の場所に安置しなおし、地域民に手厚く祀られ疫病もおさまったとの言い伝えがあります。毎月24日が縁日。8月には玉林寺住職により法要が行われます。下町地蔵堂と上町地蔵堂は3が日のみ受付が出ますが、その他の日は玉林寺でもらいます。玉林寺へは路地を下ります。
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�� 「玉林寺（福禄寿）」(五日市926)
上町地蔵堂から坂を下っていくと、右手（西側）に玉林寺の屋根がみえてきます。しばらく歩くと仁王さまが出迎えてくれます。福禄寿は、新しい福禄寿の祠に安置されています。境内には、閻魔堂などもあります。玉林寺さんは臨済宗のお寺です。玉林寺は、貞和3年（1347）明叟斉哲禅師により開山。本尊は釈迦牟如来座像、脇侍に加葉・阿難の立像を配します。次の光厳寺へは、裏口から坂を上り再び檜原街道に戻ります。
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【黒茶屋】(小中野167)
檜原街道を西に向かい、黒茶屋の脇から旧道に入ります。黒茶屋は燈々庵の姉妹店で、ちょっぴり高級料亭といった感じです。
http://www.kurochaya.net/
【子生神社】(小中野187)
子生（こやす）神社は、黒茶屋の駐車場の裏にある神社です。安産の神様で、「清水の流れるごとく安産を願い、底無しの柄杓(ひしゃく)を奉納する」そうです。神社の前に底のない大きな柄杓があります。「天明天保の飢饉から村人を救った」と記した野良坊菜(のらぼうな)の石碑があります。野良坊菜はアブラナ科の野菜で、秋口に種をまき春先から5月頃まで「とう（花茎）」を摘み取り、おひたしなどにして食します。クセのない味ですのでさっぱりと頂くことができます。
http://www.city.akiruno.tokyo.jp/contents_detail.php?frmId=1432
http://g-foods.info/zukan/product/product_244.html
�� 「光厳寺（布袋尊）」(戸倉328)
光厳寺へは旧道をさらに進み、野崎酒造の前を戸倉小学校を目標に山側に入ります。戸倉小学校を左手に見ながら坂を上ると光厳寺に到着です。布袋尊は、門を入ってすぐ左手に安置されている大きな石像です。光厳寺は、室町幕府初代将軍・足利尊氏が開基の禅寺です。尊氏が擁立した後光厳天皇がまだ弥仁親王のとき、南朝方に追われて五年ほど隠れ住んだ旧跡といわれます。寺宝の絹本着色仏涅槃図には、「天正2年（1574）甲戌12月初8日」の銘があり、在銘のものとしては東京都でも最古に属します。
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�� 「徳雲院（寿老人）」(乙津511)
光厳寺を後にして再び山を下り、三島神社前を経由して再び檜原街道に出てひたすら西に歩きます。約20分でこの十里木交差点に到着します。十里木交差点から約10分で、徳雲院が見えてきます。道路わきの坂道を下ると徳雲院さんの本堂に到着します。寿老人は、境内の祠に安置されています。徳雲院は、戦国時代に光厳寺21世雲英台東堂和尚が開山したとされます。その後当院12世耕山和尚が昭和9年に住職に就くまでは無住の時が多かったといいます。同和尚は禅の指導を通じ多くの雲水や居士・大姉の接化に努めました。昭和41年には新しい座禅堂が建てられ、同時に水曜座禅会が始まり今日まで続けられています。
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【瀬音の湯】(乙津565)
徳雲院の帰りに瀬音の湯に寄ってみました。瀬音の湯は、都道33号線と201号線の間、渓谷沿いにある日帰り温泉施設で足湯もあります。大きくとられた大浴場の窓からは、秋川渓谷の自然を満喫できます。食事処「川霧」の和食御膳が好評。
http://www.seotonoyu.jp/
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