羽村市さんぽ「神明緑道(羽村山口軽便鉄道跡)から旧江戸街道」
○「牛坂通り」(川崎1・4丁目)
羽村駅西口から南に行くと「牛坂通り」があります。坂の標識の説明によると、羽村駅東口にある「まいまいず井戸」を、江戸中期に改修したときに、多摩川から牛車が砂利を運んだことから、「牛坂」と名づけられたといいます。
http://kotarobs.blog.so-net.ne.jp/2010-01-16
○「羽ヶ田遺跡」(羽東2-19)
牛坂通りを南西に向かうと、右手マンションハラシマの南側、羽村東小学校に入る角に「羽ヶ田遺跡」の説明板があります。羽村市の多摩川の河岸段丘上には数多くの考古遺跡が分布し、縄文中期の山根坂上遺跡をはじめとする中期集落遺跡が分布しています。羽ヶ田遺跡は山根坂上に隣接し、山根坂上遺跡の空白期の住居址があることから、二つの遺跡は相互に補完関係にあると考えられ、この付近には縄文中期の大規模な集落があったようです。
○「遠江坂(大石遠江守の館跡)」(羽東2-18)
牛坂通りをさらに行くと、道がカーブする羽村東小学校の裏に小さな公園があり、公園トイレ近くに「遠江坂」の説明板があります。遠江坂は鎌倉街道の坂でしたが、大正12年の導水管工事(羽村山口軽便鉄道建設)の時に壊されて、その原形を止めていません。
http://blogs.yahoo.co.jp/lunatic_rosier/47396403.html
【旧鎌倉街道】
稲荷神社の東側、新青梅街道を斜めに横切る「旧鎌倉街道」があります。お寺坂と交差するところに、「この道は八百年の昔を語る古道で、旧鎌倉街道のひとつ」と書かれた旧鎌倉街道の説明板があります。旧鎌倉街道は南方向に羽村崖線上をいき、遠江坂で崖を下ったと思われます。禅林寺(羽東3-19)の東側を通る道かと思いますが、この道は羽村東小学校の所で行き止まって途絶えます。昔は直進しここの崖を下り、牛坂からの道と合流して多摩川の方(川崎の渡し跡)へ向っていたと思われます。昭和初期の羽村の地図には、お寺坂上から南下する鎌倉街道が牛坂の坂下と合流した地点の南に遠江坂と書かれています。
【大石遠江守の館跡】
羽村東小学校の南西にある坂は遠江坂(鎌倉街道の伝承あり)と呼ばれ、この坂の上に「大石遠江守の館」があり、この名が付いたといわれています。『武蔵名勝図会』に「古に大石遠江守の住せしところゆえ、その遺名なりと云。」とあります。大石氏は、小田原の北条氏康が山内・扇谷両上杉氏を関東から駆逐すると、その軍門に降って、氏康の子氏照を養子としました。以後、氏照麾下の滝山衆の中核となって各地を転戦し、北条氏の領国発展に貢献しました。この居館の主は氏照を養子とした大石定久の弟・大石照仲(または定久の子定仲とも)といわれ、照仲は天正18年（1590）の小田原の役の際、八王子城で討死したといわれています。照仲は三田氏滅亡後に三田領であったこの地を、北条氏照より賜ったと伝えられています。館址は、北西にある稲荷神社(羽東2-14)境内から羽村東小学校付近を中心に、台地端の地形を生かして構築されていたようです。稲荷神社下の坂（お寺坂）はかなり拡張されていますが、当時の空堀の名残かもしれません。現在、館跡は小学校や住宅になって遺構らしきものは何もありません。
http://atenzasports23z.blog.so-net.ne.jp/2012-12-15
http://blogs.yahoo.co.jp/miyahamakisa/43783839.html
【神明緑道(羽村山口軽便鉄道跡)】
現在、遠江坂坂は途中でカーブしていますが、昔はそのまま玉川上水へ下っていました。羽村山口軽便鉄道(現在の神明緑道)を建設するために、江戸時代からあった遠江坂が付け替えられてしまいました。
神明緑道(羽村山口軽便鉄道跡)は、青梅線脇の道路から住宅地を貫いて東へ約1.2�丗海�緑道です。かつての羽村山口軽便鉄道の廃線跡で、地図を見ると、地下に多摩川から村山貯水池 (多摩湖、東大和市) や山口貯水池 (狭山湖、所沢市) に水を送る導水管(東京水道)が埋め込まれています。羽村山口軽便鉄道は、大正12年に建設中の村山貯水池に多摩川の水を送水する導水管の建設のために、導水管沿いに敷設されたのが最初です。当初導水管工事が終わると軌道も撤去されましたが、急激な東京の人口増加に対応するため、村山貯水池の北側に山口貯水池が計画され、昭和3年には工事が始まりました。この工事に伴って軽便鉄道が復活したのです。羽村から山口まで総延長12.6kmを、自重4.5tのディーゼル機関車「ナベトロ」（小型のホッパー車で横の断面がナベ型であったことからそう呼ばれていました）を引いて終夜運転されていました。後にも先にも東京最大規模の軽便鉄道でした。この公園から横田基地めがけてまっすぐに、 廃線跡が「神明緑地」として伸びています。
http://plaza.rakuten.co.jp/kandouyarou/diary/201106060000/
http://www5b.biglobe.ne.jp/~a-uchi/haibutu/index3a.html
○「協進印刷」(神明台4-7)
神明緑道(羽村山口軽便鉄道廃線跡)を歩くと、青梅線の線路を渡っても緑道は続きます。加美平団地(福生市加美平)の中を通り、産業道路を横切ると「協進印刷」の敷地内を通ります。廃線跡には導水管が埋まっているため、オーバーブリッジで建物間を繋いでいます。つまり導水管が埋まっているため、杭が打設出来なく建物が建てられないからです。ここから先、動物公園通りで米軍横田基地の「米軍ハウス」になり、これ以上は廃線歩きができなくなります。
○「羽村市動物公園」(羽4122)
神明緑道を歩き終えて、次の「羽村市動物公園」までは動物公園通りをしばらく歩きます。この公園は、日本で初めての町営動物園として昭和53年に開園し、以来年間25万人を越えるほどに愛され親しまれています。子どもたちと動物との直接のふれあいを通じて、動物や自然に対する興味と愛情を育むという、ここ動物公園のテーマは内外の注目を浴びています。また、園内の2/3を公園スペースに充て、ひととひととの結び付きを深めることも、当動物公園の大きな目的のひとつです。主な施設：サバンナ園・スタディホール・仲良し動物園・ピクニック広場です。平成22年8月31日現在110種類、891点の動物がいます。
http://1000enpark.com/park/tokyo/hamura/hamura.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%BE%BD%E6%9D%91%E5%B8%82%E5%8B%95%E7%89%A9%E5%85%AC%E5%9C%92
○「江戸街道公園」(五ノ神347)
羽村市動物公園の東に「江戸街道公園」があります。この公園には自転車専用の教習コースがあります。5月の連休や夏休みには、近くの羽村動物園の臨時駐車場になったりします。
http://www.geocities.jp/wisteria_ft3/chico/edokaidou.html
【旧江戸街道(原江戸道)】
江戸街道公園の前が「旧江戸街道」(原江戸道)です。江戸に向かう街道を「江戸街道」(江戸道)と呼んでいたため、複数の街道が存在します。江戸時代になると、江戸城築城に必要な石灰を青梅・成木村から運搬するための道（成木街道）が整備されて、江戸まで一直線に引かれたこの道「成木―新町(青梅六道の辻)―原中(横田基地内)―桜ヶ丘(東大和市)―小川(九道の辻)」は、「原江戸道（はらえどみち）」と呼ばれました。街道名が、武蔵野台地は一面の原っぱだった当時の景色を物語っています。一部「青梅街道」と呼ばれるようになるのは、明治以降のことです。また八王子から日光へ至る「日光脇街道」(八王子同心街道)も整備されると、その交差点は原野の真っ只中で水も人家もない寂しいところで、要衝とはなりえませんでした。やがて原江戸道（青梅街道）は、人家のある狭山丘陵の麓を迂回するようになります。新たな交差点は水も豊かで、日光へ行き来する旅人や、江戸へ石灰運搬の馬を継立てる「箱根ヶ崎宿」として、街道の両側には旅籠が軒を並べるほどに賑わったようです。ちなみに、当時の「五日市街道」は「伊奈道」と呼ばれていました。
http://www.h6.dion.ne.jp/~arc-yama/sketch/machi/doc/shinmachi.html
○「天王坂」(緑ヶ丘2丁目)
日野自動車の南側を通り、羽村四面道交差点を右に行くと、左の一本目、羽村図書館への道が「天王坂」です。
羽村市には、崖線が6つ（五の神・小作・美原・羽村・川崎・根搦（ねがらみ）走っています。天王坂、稲荷松坂は、青梅線の東側の「五の神崖線」の坂です。ちなみに、堂坂、寺坂、山根坂、遠江坂は「羽村崖線」です。牛坂は「川崎崖線」でしょうか。また、「羽村」の地名の由来は、河岸段丘地の「ハケ」がハケ村となり羽村となったという説と、武蔵野台地の西端、中世における三田氏領の東端にあったため、「ハシ」がハシ村となり、羽村となったという説があります。
http://www.tokyo-midori.net/town04.html
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