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2014年11月30日10:20

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マスターができるまで 久々1310

おじさんは驚いたように、俺達を見て
『何か忘れモンですか?』
と聞いた。
父は
『いやぁ、そう言うわけじゃぁねんですけんど、、』
と言い、
『中に入れてもろうてもええですか』
と聞いた。
おじさんは、
『どうぞ、どうぞ』
と言い、自分が座っていた座布団を父に勧め
『お、ボクまで来てくれたんか』
と、俺を見てそういった。
俺が
『どしたん、
おじさんだけじゃが
おトクさんや、他のおばちゃんは』
と聞くと、おじさんは
『へぇ、、』
と曖昧な返事をした。
おトクさんや、他のおばさん達の姿はなく、見ると、クスさんのそばにいるのはおじさんだけだったからだ。
父も、驚いたような顔になり
『ほんまじゃ!』
と言い、
『帰ってしもうたんですか。
けしからんなぁ、、
あのモンらぁ。仏の夜伽もせんと』
と言った。
すると、おじさんは膝立ちのまま
『いやいや、そうじゃぁねぇんです』
と慌てた素振りをし
『どうも、ワシが、アレなんで、、、
一人一人はええ人ばぁなんですけんど
なんかあのモンらぁとおると、おっかさんの昔を見とるようで、ワシが好かんのんですわぁ、、』
と言い、
『あ、そうじゃったんですか』
と、納得したような物言いをした。
父が
『そうじゃったとは?』
と逆に聞くと、おじさんは
『ようわかっとります。
明日の葬式の事でしょう、、
その事をわざわざ言いに帰って来られたんでしょう、、』
とひとりガテンし、
『可哀想じゃけど、明日は葬式にも出てくれんように、おトクのおばさんや、他のモンにはキチンと言うときましたけん、、、、
まぁ、そのはなしをしたから、おトクおばさんやこうは、いんでしもうたんですがな、、
じゃけど、ご心配ご無用ですで。
決して先生らぁのお顔に泥を塗るような事はいたしません。
タジマ先生があれだけの線香代を下さったんじゃけん。
キモに命じとります。
ワシもこれ以上のつまらん意地ははりませんけん。
おトクおばさんらぁじゃって、ようと、納得してくれとるはずです、、
タジマ先生がああまで乗り気になってくれとるモンを、なんでアンタ、水をさせましょう。
わかっとります
わかっとります』
と言った。
それを聞いているウチに、父の顳顬に、見る見る大きな筋が浮かんできて
『アンタ、
それは何の事ですか?』
と身を乗り出し
『タジマが何の差し金をしたんですか』
と詰め寄った。
おじさんは、目を白黒させ
『センセ
アンタこそ何言うとりんさる』
と言った。
父は
『ふん』
と鼻先で笑い
『タジマが何をしたか、おおよその見当はつきますけんど、ワシは聞いとらんですぞ。
なんでおトクさんらぁを除けモンにせんとおえんのんです?
え?
おかしいでしょう』
と言った。
おじさんが
『じゃけんど、、、』
と、なおもグズグズ言っていると、
『あのモンらぁは、アンタ、クスおばさんの朋輩でしょうが。
その朋輩に来てもらわんと、クスさんが成仏できませんがな』
といきまき始めた。
おじさんは
『朋輩』
という言葉を聞いた瞬間、眉をひそめ、そして、俺の方を見ると
『先生。』
と、父を嗜め、
『そがな事、軽はずみに言わんほうがええんとちゃいますか』
と言った。
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