東大和市さんぽ「郷土博物館から狭山緑地・蔵敷高札場跡」
○「市内最古の馬頭観音(奈良橋庚申墓地)」(奈良橋6-756)
多摩モノレール上北台駅から新青梅街道を東に向かい、奈良橋庚申塚交差点で旧青梅街道を北に向かうと左手に奈良橋庚申墓地があり、この墓地内に「市内最古の馬頭観音」があります。この馬頭観音は、村山貯水池の湖底に沈んだ「内堀」に祀られていました。板碑型の石塔で、高さ89�僉�幅29�僉�奥行き22�僉�正面中央に文字で「馬頭観世音菩薩」、左に「天下太平」、右に「日月清明」、左側面「武州多摩郡 内堀村中 願主 内堀金左衛門」、右側面「寛政三辛亥年四月吉祥日」と銘が彫られています。
http://kitatu.asablo.jp/blog/2012/05/22/6453792
○「モニュメント・馬方勝っつぁん(市民センター)」(奈良橋4-600)
さらに北に向かうと、奈良橋市民センターにモニュメント「馬方勝っつぁん」があり、次の説明があります。
《今は、すでに湖底に沈んでしまった内堀集落に、お酒の好きな体格の良い馬方さんが仕事に来ていました。その馬方さんは名前を「勝っつぁん」と言い、朝早くから馬車を引き、所沢の問屋から仕入れた注文の品物を、得意先に配達して回るのが毎日の仕事でした。働き者の勝っつぁんは、お酒が何よりも楽しみにしていたので、時には酔っ払ってしまうこともあり、見かねた店の主人が馬に「家まで送っておくれ」と頼むと、馬はわかった様子で勝っつぁんが落ちないようにゆっくりと歩いていったということです。(『東大和のよもやまばなし』より)》
http://www.city.higashiyamato.lg.jp/index.cfm/34,12609,360,621,html
○「雲性寺」(奈良橋1-363)
さらに北に向かうと、郷土博物館の東方に「雲性寺」があります。雲性寺は、永享11年（1439）に堂宇建立と伝えられています。山門は箱根本陣の一の門として使われていたものが武蔵村山市の齋籐家に移築され、これをもらい受けて昭和26年に設置したものです。山門の下の庚申塔は、昭和42年に奈良橋庚申塚から移転されました。本堂の中にも、正徳6年（1716）の年号のある珍しい形の庚申塔が安置されており「阿字庚申」と呼ばれています。また本堂の左に、狭山三十三観音霊場18番札所「観音堂」があります。境内には、大きな観世音菩薩立像や六地蔵、空海立像や五輪塔などが所狭しと立ち並び、とても賑やかな様相を呈しています。さらに、寺の背後の墓地からの富士山の展望が素晴らしいです。
http://www.geocities.jp/yokanbay/yamato-unshouji.html
○「郷土博物館」(奈良橋1-260)
八幡通りに面した郷土博物館のメインテーマは「狭山丘陵とくらし」。建物の中だけではなく、狭山丘陵全体を活動の舞台として、郷土の歴史、民俗、自然に関する事業をおこなっています。プラネタリウムも備え、天文に関する話題も提供しています。
http://www.city.higashiyamato.lg.jp/index.cfm/35,0,366,html
【モニュメント・いのしし】
郷土博物館の入口にモニュメント「いのしし」があり、次の説明があります。
《狭山丘陵は昔、いのししに多くの農作物や墓地が荒らされて、村の人達はたいそう困ったそうです。蔵敷には、次のような話しが伝わっています。昔、御岳神社と奈良橋の八幡様の間の谷を「千光谷ツ」といい、そこに千光坊というお堂がありました。かたわらに墓地があって埋葬のたびに、山をこえていのししが来て掘り返してしまうので、困った人達はいのししの通り道に穴を掘って、その害を防いだと伝えられています。(『東大和のよもやまばなし』より)》
http://bungen41.blog.fc2.com/blog-entry-8.html
○「八幡神社」(奈良橋1-256)
郷土博物館の北に「八幡神社」があります。創立年代は不詳ですが、太古より鎮守とされ、かつて、当宮が衰亡を極めようとした時、戦より退避してきた武士が当地の森に露営しようとしたところ、当宮の姿を見たといいます。そして、その武士が半壊した当宮に眠りにつくと、「村人に再建するよう」神託を促したといいます。翌朝、この武士は地領に赴き、一連を報告。そして、天正13年（1575）11月、領主・石川太郎右衛門氏の寄付により、無事、再興され、元禄2年（1689）9月に旧石川太郎右衛門、岸隼人の尽力によって拝殿が創建され、昭和7年にも改築され現在に至ります。ご神木であったのか、大きな杉の木の根が大切に保存されています。
【八幡谷戸遺跡】
参道の東側に市史跡の「八幡谷戸遺跡」があり、その出土品は市指定文化財（市重宝）に指定されています。東大和市では、貯水池の中と芋窪の「鹿島台西」、この「八幡谷戸」、高木の「街道内遺跡」が、約1万年前〜6000年前の時代のものと想定されます。
http://www.city.higashiyamato.lg.jp/index.cfm/34,5864,360,622,html
http://www.geocities.jp/moku_fuku/yamato-hachimanjinja.html
http://www.geocities.jp/yokanbay/yamato-hachimanjinja.html
○「モニュメント・つちんど(湖畔第一緑地)」(湖畔2丁目)
さらに北に向かうとアスレチックコースの北側、多摩湖自転車道の近くの湖畔第一緑地(湖畔第一公園)にモニュメント「つちんど」があり、次の説明があります。
《今は貯水池に沈んでしまった村に、石川というところがありました。その村には池がたくさんあり、槌ヶ窪（つちがくぼ）の池もその一つです。そこには、槌頭（つちんど）という頭が槌の形をした大蛇が棲んでいました。これが、槌ヶ窪の地名の由来とも言われています。しかし、江戸時代に池の廻りの木が伐採され、水かさが減ると、大蛇は姿を消し再び現れることはなかったと言うことです。これは「狭山の栞（しおり）」に書かれている伝説です。(『東大和のよもやまばなし』より)》
http://www.city.higashiyamato.lg.jp/index.cfm/34,12981,360,621,html
○「狭山緑地」(蔵敷1-249)
多摩湖自転車道を西に向かうと「狭山緑地」があります。狭山緑地は、狭山丘陵の南の中腹にあり1985年に開園されました。面積は約14.5ha。郷土博物館の北側に面していて、自然散策、ハイキングにも適しています。植物や昆虫類、鳥類などが身近に観察でき、またフィールドアスレチックやあそび場になっているコーナーなどがあり、市民の”憩いの場”となっています。狭山緑地は「市街化調整地区」に指定されており、そのため宅地開発などが制限されているため、市民の大切な自然環境、癒しの森として保存が約束されています。
http://www.city.higashiyamato.lg.jp/index.cfm/34,2287,359,html
http://www2u.biglobe.ne.jp/~waroh/green/ryokuti.htm
【蔵敷の地名】
蔵敷(ぞうしき)と同音の地名に「雑色」があり、平安期以降の蔵人所における雑役夫を雑色（雑式とも）と呼び、その居住地だったことが地名由来のひとつになったという説があります。また、江戸初期に知行の蔵屋敷があったとう説もあります。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%94%B5%E6%95%B7%E6%9D%91
○「御嶽神社」(蔵敷1-460)
狭山緑地の南に「御嶽神社」があります。鳥居の左手には、ご神木と呼ぶに相応しい大木が立っています。目新しい石段を上ると、小さな社殿が竹林の中にひっそりと建っています。
http://www.geocities.jp/yokanbay/yamato-mitakejinja.html
○「蔵敷太子堂跡」(蔵敷1-436)
御嶽神社から西に向かうと「蔵敷太子堂跡」があります。江戸時代に太子堂（聖徳太子信仰）がおかれていた場所。明治6年に「汎衆学舎」と呼ばれる蔵敷村の学舎となり、後には青年団の夜学の場所となりました。現在は地区の集会所となっています。
http://www.geocities.jp/yokanbay/yamato-taishidouato.html
○「熊野神社」(蔵敷1-419)
青梅街道に出ると「熊野神社」があります。熊野神社は蔵敷村の鎮守であり、創建時期は不明。一説には、蔵敷一の素封家である内野家の祖である秀勝が、同家の鬼門除けに勧進したことに始まるとされています。確かに神社の下には内野家が建っているので、有力な説かと思われます。ご祭神は伊弉諾尊（いざなぎのみこと）と伊弉冉尊（いざなみのみこと）。熊野信仰は、熊野の山や樹木を神霊としているので、狭山丘陵の樹木や森林を祀るために建てられた神社であると思われます。
http://www.mikumano.net/ztokyo/higasiyama1.html
http://www.geocities.jp/yokanbay/yamato-kumanojinja.html
○「蔵敷高札場跡」(蔵敷1-430)
青梅街道沿いの旧名主・内野家（内野病院経営）の門前、バス停「蔵敷」（ぞうしき）のすぐ脇に「蔵敷高札場跡」があり、石碑が立っています。蔵敷高札場は慶長8年（1603）に建てられ、都の旧跡に指定されています。高札場とは江戸時代、幕府が法度や掟書を発布した時や重罪人の罪状などを記して板札を掲げられたところです。江戸時代は街のあらゆる所にありましたが、明治新政府になり次々に取り壊され、現在、東京都内・多摩地区に残っているのは、この蔵敷高札場と府中市にある府中高札場の二ヵ所だけです。高札場の存在は、この場所が狭山丘陵南麓の中心地の一つであったことが分ります。
http://www.geocities.jp/yokanbay/yamato-kousatsuba.html
【名主内野家屋敷(内野病院)】
内野家は、旧蔵敷村の名主で医院の裏には門付きの屋敷と石蔵が建っています。内野家には「里正日誌」とよばれる文書が残されており、全66冊という膨大なもので、天正元年（1573）から明治6年までの300年間に及ぶ記録が編年的に編綴整理されています。すくなくとも蔵敷にかぎらず、狭山丘陵麓の村落は田無や小川村などの新田よりも古くから成立していたことがわかります。
○「厳島神社」(蔵敷1-367)
青梅街道から西に100 m 歩くと「厳島神社」があります。神社の創建は天正6年（1588）と伝えられますから、八幡神社と同じ戦国時代からの歴史があります。社殿造営は宝永5年（1708）、現在の本殿は天保6年（1835）に造られたといわれ、かなり歴史ある建物です。当初は熊野神社と同様に、蔵敷一の素封家である内野家の守護神として創建され、弁財天と称されていましたが、明治時代になってから厳島神社と社号を改め、村社となりました。昔の広い内野家の屋敷内に、熊野神社と厳島神社の両方があったのかも知れません。
【光明真言一千二百萬遍供養塔】
神社入口左手の空き地に、かなり大きな「光明真言一千二百萬遍供養塔」があります。光明真言とは仏教の念仏のことで、これを何度も唱えることでご利益が得られると考えられています。この供養塔は、講中（念仏を唱える人々の集まり）全員の念仏の回数が1200万回になったことを記念して、明治32年に建立されました。昔の蔵敷地区にはこのような信仰があったことが偲ばれます。
http://www.geocities.jp/yokanbay/yamato-itsukushimajinja.html
http://blog.goo.ne.jp/daimatsuno/e/476bda352b27e7eb2dc859670d402adc
http://gyumei.blog87.fc2.com/blog-entry-281.html
○「モニュメント・子供みこし(蔵敷公民館)」(蔵敷2-337)
厳島神社の南西、蔵敷公民館にモニュメント「子供みこし」があり、次の説明があります。
《昔、蔵敷に子供だけのお祭りがありました。毎年養蚕が終わり、さつまいもを取り入れるまでの間に行なわれました。祭りには、小学五、六年生の男の子が中心になって子供みこしをかついだそうです。当日、みこしは、神主さんのおはらいを受け、20人位でかつぎます。タスキに大きい子は大きな鈴を、小さい子は小さい鈴を五個づつつけて、シャン、シャン、シャンッと響かせました。家々を一軒一軒歩き、おひねり（祝い金）を集めたそうです。(『東大和のよもやまばなし』より)》
http://www.city.higashiyamato.lg.jp/index.cfm/34,12621,360,621,html
○「蔵敷庚申塚」(蔵敷2-508)
蔵敷公民館から東に向かうと、第九小学校の北東に「蔵敷庚申塚」があります。昔は丘のような塚でしたが、今は周りが開発され塚という感じがしません。馬頭観音や庚申供養塔があり、かつては死んだ馬を葬ったり供養したりする場所でもありました。庚申供養塔の右側面に「砂川・八王子道」、左側面に「小川府中・江戸道」とあり、道標として街道に置かれていたようです。
http://www.geocities.jp/yokanbay/yamato-zoushikikoushin.html
○「蔵敷調練場跡(日枝神社)」(蔵敷2-535)
蔵敷庚申塚から南に向かうと第九小学校の南東の三角地に、日枝神社(鳥居の社名難読)の小さなお堂が1つと、「蔵敷調練場跡」のいわれを書いた説明板があります。幕末に治安の維持や百姓一揆を鎮圧する目的で、村役人級の農民あるいは豪農の子息を農兵として組織し、その軍事訓練が行われたのがこのあたりだといわれています。
http://www.geocities.jp/yokanbay/yamato-chourenba.html
○「モニュメント・繭(芝中中央公園)」(蔵敷3丁目)
蔵敷調練場跡からさらに南に向かうと、芝中中央公園西側にモニュメント「繭」があり、次の説明があります。
《昔、東大和市の農家では、養蚕が盛んに行われていました。養蚕とは、蚕蛾の幼虫である蚕が作った繭を糸にして売るために蚕を飼育することです。昔は、農作物だけでは収入が少なく、不作だと半年や一年は苦しむこともあったため、養蚕は農家にとって貴重な収入源にもなっていましたので、蚕のことを「オコ様」とか、「カイコ様」と呼んでいました。そのため畑には蚕の餌になる桑が一面に広がっていました。蚕を飼っている農家では、特に7月の下旬から8月20日頃までは初秋養蚕で忙しく、9月は晩秋養蚕で大わらわでした。(『東大和のよもやまばなし』より)》
http://bungen41.blog.fc2.com/blog-entry-2.html
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