立川市さんぽ「上水小橋(玉川上水)から栄緑地」
○「清流の復活の碑と上水小橋(玉川上水)」(幸町6-22、小平市中島町)
西武拝島線玉川上水駅の東に、東京都水道局小平監視所があります。羽村の堰で取水された水道原水は、ここでゴミなどを取り除かれた後、地下の導水管を通して東村山浄水場に送られています。小平監視所から東に少し歩くと「清流の復活」の碑があります。小平監視所と東村山浄水場は、昭和38年に建設されました。それ以来、玉川上水の水の殆どが東村山浄水場へ送られるため、下流への流れは途絶えてしまいました。その後、周辺住民の願いが叶い、東京都の清流復活事業により、昭和61年に清流が復活しました。昭島市の多摩川上流処理場で、生活排水や工場排水を高度処理した水が、約9�厠イ譴疹�平監視所下流に導水ポンプで送られるようになり、さらに玉川上水と野火止用水に分けて放流されています。復活の碑の側にある階段を降りると「上水小橋」があり、清流を間近で見られるように踏み石がつけられています。上流側を振り返って見ると、岩の間から滾々と湧き出る水をイメージした放流口があります。これが昭島市で高度処理されて流れてきた水です。
【玉川上水】
玉川上水は全長約43�辧⊂輝�3年(1654)完成、長い間、江戸の繁栄を支えてきました。また完成後間もなく砂川分水が引かれて、砂川新田の発展にも貢献しました。明治3年に始まった通船事業は1年余りで廃止となり、甲武鉄道(今のＪＲ中央線)が建設される要因ともなりました。
http://www.ksnc.jp/kodairashoukai/tamagawajyosui/jyousuifrot.htm
○「鷹の道」(幸町6丁目)
上水小橋から南に少しいくと「鷹の道」があります。武蔵野には江戸時代、尾張徳川家の鷹場が設けられていたので、まだ鷹の道とよばれる古道が方々に残っています。鷹の道は村の中を避けて、畑や山林を横切っていました。今でも鷹の道を歩くと、屋敷、屋敷林、畑と区割りされた古い村落の様子を見ることができます。
○「川越道緑地と古民家園」(幸町4-65)
立川四中の東に、雑木林の自然を残した「川越道緑地」とその一角に「古民家園」があります。ここに砂川九番組(幸町4丁目)にあった小林家住宅が移築されています。市指定の有形文化材で、江戸時代後期の裕福であった農家です。大きな土間に六部屋、堂々とした木組みなどは、見る者を圧倒します。
http://city.tachikawaonline.jp/view.php?area=10&id=531&mode=details
○「砂川八番馬頭観音」(幸町4-64)
古民家園の南の三差路に「砂川八番馬頭観音」の石碑があります。古い街道沿いには、よく馬頭観音を見かけます。立川では、昭和の初期までは農家にとって牛馬は大切な家畜でした。これらの家畜に対する感謝の気持ちから、馬頭観音が建てられたのです。この碑は、嘉永元年(1848)に建てられたもので、地上からの高さは約2.3ｍあります。
【五日市街道のケヤキ並木】
馬頭観音の南にある「五日市街道」は、はじめ伊奈道とよばれていました。五日市や檜原、伊奈(あきるの市)方面から、江戸へ向う往来や物資の輸送に大切な街道でした。沿道には古くから、ケヤキやカシの並木があって、街道風景として人々に親しまれていたのです。
http://www.tbt.gr.jp/100sen/spot/itukaichi-k.htm
○「浅見家供養塔」(幸町4-22)
五日市街道を東に向かうと、幸町団地入口交差点の先に「浅見家の供養塔」があります。
http://blog.goo.ne.jp/home-goo/e/f10c261bcbf2b6e50c93f136d223dce8
○「榎戸弁財天」(幸町3-7)
少し戻り弁天通りを南に向かうと、榎戸弁財天前交差点近くに「榎戸弁財天」があります。この辺りは、吉宗の享保の新田開発により榎戸弁天新田がつくられたところです。榎戸弁財天は、やや期待外れに思えるくらい狭いところにひっそりと佇んでいます。砂川九番はこの地域特有の組織として上組、下組、弁天組に分かれていますが、榎戸弁財天は弁天組が管理しています。
http://blog.goo.ne.jp/daimatsuno/e/4ba8cbc40aa21765572c92fa699db4f1
○「出羽三山供養塔」(若葉町3-52)
五日市街道に戻り東に向かうと、若葉町団地入口交差点の手前に「出羽三山供養塔」があります。この供養塔の横には、文政年間（1818〜1829）の刻みがあります。出羽三山は、山形県庄内地方にある「月山、湯殿山、羽黒山」をいいますが、山岳信仰の地として古い歴史があります。この三山詣では、江戸時代は相当に活発だったようで、関東各地からも「出羽三山講」や「奥講」などの講中が結ばれ、多くの参拝者を集めていました。この出羽三山供養塔はその痕跡のようです。
http://app.f.m-cocolog.jp/t/typecast/1188133/1208592/61079770
【道標地蔵】
出羽三山供養塔の横に「道標地蔵」があり、説明板に次の由来があります。
《建立寛保元年（1741年） このお地蔵様は、この砂川十番組が砂川前新田として享保年間武蔵野の新田開発によって拓かれた頃、全国を行脚する旅の修行僧の遺言で建立され以来今日まで村の守り神として大切に祀られて来ました。始めは道路南側の府中道の角にあり、台座に「右ハ府中、左ハ江戸」と刻まれてあり、道しるべにもなっていました。現在の地蔵様は、昭和20年代に盗難に遭いやむを得ず再建したもので、現在の場所には昭和61年10月尾崎玄三氏のご好意により安置したものです。》
http://blog.goo.ne.jp/home-goo/e/bfbc526955741393583497c1b6f6d66a
【砂川村】
この若葉町辺りは、江戸時代に玉川上水が引かれてから五日市街道沿いに新田開発された村で、戦後まで「砂川村」と呼ばれた地域です。砂川村は、天王橋辺りの一番から小平方面に進むに連れ、二番、三番、阿豆佐味天神社辺りは四番、そして、砂川八番という交番付近、砂川下新田の田堀は九番、砂川前新田は十番の順に開発が進んだといいます。また、この番号は年貢の徴収単位であり、集落単位に組頭が置かれていました。出羽三山供養塔は、砂川村全体のものか、砂川前新田（十番）辺りだけのものかは分かりません。ただ、山形県との古いつながりに感慨深いものがあります。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A0%82%E5%B7%9D%E7%94%BA
○「高木八幡宮」(国分寺市高木町3-9)
次は国分寺市内を経由して立川駅へと向かいます。国分寺市のけやき台団地の南端に、「高木八幡宮」があります。神社の一角に「子育地蔵」があります。
http://blog.goo.ne.jp/daimatsuno/e/54f83e8b31e42e13fc0d8334751e329a
○「神明社」(国分寺市西町2-27)
「神明社」は享保15年（1730）頃新田開発に伴い、この地に入植して来た人々によって奉斎されたと伝えられる鎮守です。神明社のある斜面は、国分寺市内を東西に横切る崖で国分寺崖線と呼ばれています。境内にある勝軍地蔵（宝暦11年）は、鎌倉末期に始まった地蔵信仰で、その名から戦勝をもたらすと、中世武士の信仰を得ました。また、愛宕権現の本地仏は勝軍地蔵とされ、古来、愛宕権現が火除けの神として信仰あつかったため、火除け信仰の対象ともされました。神明社の勝軍地蔵は、甲冑を着け、右に錫杖、左手に宝珠を持つ立像で、その姿で馬に乗る像もみられます。
http://nossen.blog.fc2.com/blog-entry-34.html
○「栄緑地(立川飛行場引込線跡)」(立川市栄町)
「栄緑地」は、戦前陸軍の立川飛行場へ立川駅から敷設された3.2kmの路線跡です。資材運搬専用で、戦後米軍に接収された後も1968年までジェット燃料輸送に使われました。1972年立川基地は全面返還され、不要となった線路は廃止されました。1600ｍの緑道は幅2ｍ位の舗装された道で、両側にはツツジが続き、コブシがたくさん植えられ、桜、ズミ、花木も多く、目を楽しませてくれます。緑道は点在する畑の中から住宅街を進み、高い建物も無いので、空が広く爽やかな風が心地よいです。
http://homepage3.nifty.com/k_harada/sakae/sakae.htm
【西町緑道】(国分寺市西町1丁目)
栄緑道は、国分寺市に入ると「西町緑地」と名前を変えます。市が変わると緑道の雰囲気も変わり、花木が少なくなります。
【北第一公園】(国立市北3-11)
西町緑地も程なくして国立市に入ると、「北第一公園」に至り終わります。鉄道はずっと進んでいたらしく、中央本線の反対側にも真っ直ぐの道がありますが、一般道となり、細く、緑は無くなります。
○「発心地蔵」(立川市羽衣町1-3)
北第一公園から立川市に入り、中央線高架下の旧野沢踏切の前、教習所敷地内の駐車場角に「発心地蔵」がまつられています。昭和9年に設置されて戦災で焼かれた後、昭和30年に建て直されたとのこと。厚い信仰心が道徳と深く結びついていた時代背景が偲ばれます。手書きの説明板に次の説明があります。
《この地蔵尊は、昭和9年2月に踏切事故犠牲者の供養と交通安全を願う地元有志の人達によって建立されました。当時、この付近にあった野沢踏切は人身事故が多く、線路北側松林からの飛び込み自殺もたびたびあったため、魔の踏切と恐れられていました。そのころ栄町（現在の高松町）にあった工務店の店員がこの踏切事故で亡くなり、その嘆きのなかから店主は立川駅区内轢死者の供養と今後の無事故を祈って地蔵尊を祭ることを発心し、鉄道その他有志の浄財を募り踏切際に「発心地蔵菩薩」を建立しました。》
http://scary.jp/supot/tokyo/nozawafumikiri/
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