mixiユーザー(id:25447723)

2014年11月23日17:11

275 view

八甲田山・死の彷徨

昨晩に買ったDVDを、上海の休日、昨夜から今朝にかけて観た。

この映画を初めて観たのはいつだったろうか?
おそらく、学校を卒業し立ての新入社員の頃だったかと思う。
今回観て、「昔にはこんなに出来の良い日本映画があったのだ」と改めて感動した。

第31連隊徳島大尉を演ずる高倉健の簡素で凛とした誇張の無い演技は、「日露戦争前の日本軍人はかくも高潔だったんだろうか?」と思わせるに足るものがあった。第5連隊神田大尉を演ずる若き日の北大路欣也も然り。

もちろん、戦争映画(この映画は戦闘シーンは皆無だが)として美化された面があるだろうし、僕も戦争を美化するつもりはない。
しかし、もしこのような軍人ばかりならば、今日中国人言われていることく、後の日中戦争での旧日本軍の行為を鬼畜呼ばわれされただろうか?と思うのである。まあ、もしそうなら、あまり意味の無い日中戦争は無かったかも知れない。

戦争は勝つことが大前提とはいっても、やはり(ある程度は)行いも大切なんだ、と思った。
数年前のことだが、中国の東北地方(昔の満州)に行った時、ある知り合いの中国人と戦争の話になって、僕は「旧日本軍は、兵卒は一流、司令官は三流と言われている」という話をしたら、彼は「自分はそうは思わない」とだけ言った。

その後、戦争中に兵卒として徐州にいた叔父の話や、その他の話を聞くに及んで、日本軍の兵卒も相当にひどいことをしていたことを知った。彼はそのことを言いたかったのかも知れない。

この映画でも、神田隊に随行した大隊長の山田少佐を演じる三国連太郎が好演していたが、既に旧日本軍(あるいは日本組織の縦社会)の悪い面が出ていた。融通性の無い組織の弊害とは恐ろしいものだと思った。

大隊本部の倉田大佐を演ずる加山雄三は、映画前半には何の活躍も無いので「何の為の人選か?」と不思議に思って観ていたが、後半に活躍した。第5連隊グループによる地獄の雪中行軍で最後まで正気を保っていたのは倉田大佐ただ一人だった。





7 8

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する