国分寺市さんぽ「武蔵国分寺跡とお鷹の道遊歩道」
○「東山道武蔵路跡」（西元町2-10ほか）
泉町二丁目の西国分寺住宅の東側にある東山道武蔵路跡は、古代の道路遺構です。東山道武蔵路は、上野国（現在の群馬県）から南下して武蔵国府に至る往還路（東山道の支路）です。発掘調査の結果、幅12mの道路跡が台地上から谷部にかけて490mの長さで確認されました。そこで計画が変更され、地下遺構を保存して、現在の道路が築造されました。現在、その道路跡の約300ｍを歩道形式で保存しています。また、谷部へ下る切り通しの部分の遺構平面レプリカを野外展示しています。
http://www.asahi-net.or.jp/~ab9t-ymh/touzando-m/tm-flm10.html
○「武蔵国分寺公園」（泉町2丁目・西元町1丁目）
一周500ｍの円形芝生広場を中心に、旧鉄道学園時代からのサクラ・ケヤキ・イチョウなどの巨木や滝、池、噴水がバランスよく配置された、水と緑のゆったりした公園です。池のまわりには延長33ｍ・幅3ｍの藤棚やノウゼンカズラの棚があり、開花期には公園を彩ります。
○「国分寺」（西元町1−13）
お鷹の道の東端、武蔵国分僧寺跡の北側、国分寺崖線南縁に「武蔵国分寺」があります。741年、聖武天皇の詔によって国ごとに官寺が建てられました。これが国分寺ですが、この最勝院国分寺は、1333年に元のものが戦火で焼失してしまったため、その後江戸時代になって再興されたものです。
楼門は、明治28年東久留米の米津寺から移築いた江戸期の作です。境内に、先代の住職が万葉集に登場する植物を集めた「万葉植物園」（入園無料）があり、植物ごとに例歌を記した案内板があります。門（楼門でない）を入って右手の平屋の建物が「文化財保存館」（入館無料）で、同市で発掘された石器や縄文土器など、約600点の展示と平安時代前期頃の「武蔵国分寺の復元模型」が展示されています。
http://www.musashikokubunji.jp/kokubunji2.html
【楼門】
建物は、間口三間（約6.4ｍ）奥行二間（約3.6ｍ）の楼門造り、板金葺で江戸時代の建築様式をよく留めています。米津出羽守田盛（通称内蔵助）の元菩提寺として建立された米津寺（東久留米市）の楼門を、明治28年に移築したものです。
【仁王門】
本堂前の門を出て東に進むと石段があり、中腹に仁王門があります。この仁王門は、宝暦年間（1751〜63）に建立された間口五間（約9ｍ）、奥行二間（約3.6ｍ）の入母屋造の八脚門です。使用されている建築材は、「新編武蔵風土記稿」の仁王門の条に、「この門近世までの薬師堂なりしを再興の時きりちぢめて仁王門にせり」とあるように、建武2年（1335）に建立された旧薬師堂（これは、江戸時代初め頃の「国分寺村古絵図」によると僧寺の金堂跡付近にあった）に使用されていたものを再利用したと伝えられますが、杉材の柱などに残る組み立て用の穴の彫り方からもこのことがうかがえます。左右には、享保3年（1718）造立された阿・吽ニ体の仁王像（高さ2.5ｍ）が安置されています。作者は不明です。
【薬師堂】
さらに石段をあがれば薬師堂があります。もとは新田義貞の寄進によりますが、現在の建物は宝暦年間（1751ー63）の再建です。薬師堂には、国の重要文化財の薬師如来坐像が鎮座しています。江戸の頃は、浅草や愛宕山などで出開帳が行われた記録があります。
【万葉植物園】
史跡武蔵国分寺跡を訪れる人に、この寺が創建されたころに編纂された「万葉集」より、当時の歌人達が好んで歌の題材とした植物を集め、当時の生活や、文化、思想を知る一助にと、元国分寺市長であった住職の星野亮勝氏が昭和25年に計画し、昭和38年まで13年かかって採集したものです。仕事のかたわら、同市内や八王子、五日市町、御岳山、高尾山、多摩丘陵、青梅、狭山、埼玉県武蔵町、奈良などへ出向いて集めました。
《武蔵野の代表花「むらさき」を歌った歌
託馬野に生うる紫草衣に染め いまだも着ずて色に出にけり 笠の女郎の大伴の家持に贈れる
秋の野のみ草刈り葺きやどれりし 宇治の宮処の假庵し思ゆ 額田王》
この歌に歌われるみ草（別名すすき、かや）など163種の植物が集められていますが、これらは当地で栽植可能な限りの万葉植物を集めています。万葉植物ごとに植物名、万葉例歌と作者、繁殖地が書かれた標識が立っています。また、万葉植物には異説が多いので、異説のある植物はつとめて同じ場所に植えてあります。広さは約8000�屬破�葉植物は一括して市の天然記念物に指定されています。造園には、東大名誉教授本田正次、ハス博士故大賀一郎氏などの協力を仰いだといわれ、関係者も「都内でこれだけ万葉植物を集めているのも珍しい」と言っています。花の見ごろは4、5月頃です。
http://www.musashikokubunji.jp/Manyou.html
○「武蔵国分寺跡」（西元町2.3丁目）
奈良時代、武蔵国に造営された国分寺の跡です。約1,250年前に建立された武蔵国分寺の跡は、尼寺跡の整備が終了して歴史公園となりました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A6%E8%94%B5%E5%9B%BD%E5%88%86%E5%AF%BA%E8%B7%A1
【七重塔跡】
各国分寺の標準の付属施設であった七重塔の跡があります。平成16年5月22日朝日新聞の記事によると、現在の基壇跡から西に数10mの位置に、地中レーダーにより新たな塔の痕跡が発見されたといいます。
【文化財展示資料室】（西元町3-10）
国分寺市内出土の旧石器・縄文時代の石器・土器、武蔵国分寺跡出土の古瓦・土師器・須恵器や銅造観世音菩薩立像（都指定有形文化財）・緑釉花文皿（都指定有形文化財）のほか、板碑等が展示されています。
○「お鷹の道遊歩道」（西元町1−13ほか）
東京都の西、武蔵野の面影が残る辺りには、国分寺崖線と言われる武蔵野台地を多摩川が浸蝕して出来上がった30ｋｍもの距離に及ぶ段丘があります。そして、国分寺崖線から流れ出た湧き水を水源として小川が生まれ、その小川沿いに遊歩道が作られています。江戸時代、国分寺付近は尾張徳川家のお鷹場だったことから、この遊歩道は「お鷹の道」と名付けられています。このお鷹の道は、国分寺市が昭和47〜48年に遊歩道として整備したものです。
http://www.tachikawaonline.jp/walk/kokubunji/index.htm
http://www.natsuzora.com/dew/tokyo-west/otakanomichi.html
【おたかの道湧水園と武蔵国分寺跡資料館】
国分寺の散策路「お鷹の道」に「おたかの道湧水園」と「武蔵国分寺市資料館」があります。大きな施設ではないですが、田舎ののどかな風景が望めます。武蔵国分寺資料館が中にあり、ここには、国分寺一帯から出土した縄文土器や菩薩像などの遺物が展示されています。
湧水園の向かいに、「史跡の駅」があります。史跡の駅とは、全国に約1500か所ある「まちの駅」の一つで、トイレのある無料休憩所兼案内所、カフェもやっています。名称「おたカフェ」。
【弁財天と真姿の池湧水群】
その昔、不治の病に冒された玉造小町と言う美しい姫が池の水を浴びたところ、病が治癒したと言い伝えられているのがこの「真姿の池」です。この辺りの湧き水は「真姿の池湧水群」と呼ばれ、昭和60年3月に当時の環境庁から、名水百選に選ばれました。いつ行っても、沢山のペットボトルに名水を溜めて帰る人たちの姿を見かけます。この水を使って作るコーヒーはとても美味そうです。
http://city.tachikawaonline.jp/view.php?area=7&id=460&mode=details
○「不動橋」（南町3-1）
不動橋という名前は、橋の近くに不動尊があるために付けられました。
http://members.jcom.home.ne.jp/nobish/fudo.html
【石橋供養塔】
不動橋の北側にある石橋供養塔は、天保3年（1832）に造立されました。不動橋は以前石橋でした。おそらくこの供養塔が造られたころに石橋になったのでしょう。石橋供養塔は、常に人に踏まれている石橋を供養する意味と、石橋を渡って村内に疫病や災いが入り込むのを防ぐ意味があります。
【庚申塔と不動明王】
庚申塔は、延享2年（1745）2月18日の記念銘があり、造立者として国分寺村講中と11人の個人名が刻まれています。延享2年2月18日は庚申の日です。11人の人たちは三年間連続して庚申待を行い満願を迎えたのでしょう。「不動明王」と刻み込まれていますが、いつ誰が造立したのか不明です。この石にちなみ現在の橋の名を不動橋としました。
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