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2014年09月03日00:12

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暗黒神話と古代史の旅・三玲の庭・赤い本

太陽の地図帖・おとなの旅の道案内、
ってシリーズ名はまあまあだが、
いわゆる『別冊太陽』のゴージャスな紙質とは違ってこじんまり、
別冊太陽のそのまた別冊ムックという感じのシリーズ。

その27号が
特集・諸星大二郎『暗黒神話』と古代史の旅、
装飾古墳や縄文土器や馬頭観音、飛鳥の石。
まあ『太陽』のように豪華な写真ではないがぼちぼちと楽しめる。

この前、諏訪に行ったときに見そこねたモリヤ史料館、
やっぱり行くべきだったんだな。
古代の風に誘われて、またあっちをふらついてみるか。
長野から新潟に抜けて、鶴岡でクラゲ水族館。行きたいな。

27号のお隣が、地図帖シリーズ26号の
「重森三玲の庭案内」
ああ、こっちの旅も最近してないな。
おっ、長野にもあるな。
日本庭園は、巨石信仰・自然崇拝の和風文化化であったのだが、
重森三玲は
庭をモダンアートに破裂させる一方、
古代的な磐座の荒御霊をよみがえらせたのだった。
(彼こそ天子でありアートマンである)

もうひとつ買ったのがユング『赤の書』テキスト版。
数年前でた『赤の書』4万円は
ユングの手書き原稿(ヨーロッパ中世の写本のような・・・)
(美しい飾り文字や、ケルトっぽい余白の修飾)
やユングの絵が原色・原寸大という超豪華版だったので
本屋で見かけると、なでて、よだれを垂らしていた。
その文章部分だけが、十分の一の値段で出版された。

心理学者ユングのこの本は、出版される予定の本ではなかった。
40歳の頃、分裂病になりかけの時代の、
自分の中の想像人物たちとの対話だ。
蛇との対話、老賢者との対話、サタンとの、サロメとの・・
「私」の深層への旅。
書かれたノートは、ユングによって美しく清書されなおし、
黒いスーツケースにおさめられ、スイス銀行の貸金庫に保管され、
一世紀の眠りについた。

「地獄に降りてみようというのですか?
 ならば、あなた自身が地獄にならなければなりません」

神学的で、情動的で、危険な書物。
(最初の章を読んだが
 ニーチェ『ツアラトゥストラ』の気配がする。
 あの不穏で、沸き立ちつつも
 「私」という謎をめぐる魂の、ある種の崇高さ)
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