飛騨川遡行3回目へ行ってきた。
いままで独りで歩いていたけど、今回は自分以外の参加者がいる。
だんだん田舎に入っていくから、これから一緒に行ってくれる人が増えるかもしれない。
4月19日(土)
午前5時30分、名古屋で集合して出発する。
9時、JR高山線・飛騨小坂駅に到着。
駅前の広場に車を置いていく。
駅前商店街を抜け、大島橋を渡る。
すぐに旧街道に出た。
寂れているけど、立派な町並みが続いている。
小坂町は意外に歴史のあるところのようだ。
桜も満開で天気もいい。
のんびりと歩いて行く。
ここでも萩原町のような屋敷墓がたくさんあった。
飛騨地方のわりと広い範囲に建てられているようだ。
軽トラックが目の前に停まった。
運転していた人が話しかけてきた。
「桜を見に来たのか。小学校の上がたくさんきれいに咲いているぞ」
川の遡行をしているのだと話したら、不思議そうにしていた。
小さな橋を右岸に渡る。
無数原という田舎地帯を歩いて行く。
集落のはずれから橋を渡り、国道41号に合流する。
「としちゃん」という食堂があった。
この食堂の駐車場にも屋敷墓がある。
珍しいので眺めていた。
そしたらすぐ隣にある噴水の工事をしていたオジサンが話しかけてきた。
「どこに行くんだ。ずっと歩いているのか?」
どうも小坂町の人々は、よそ者が歩いているのが本当に珍しいようだ。
オジサンの説明では、この噴水は「麝香清水」といって飛騨街道随一の名水で、地酒の名前にもなっているそうだ。
少し先に「小坂久々野トンネル」というのがあった。
ここは歩行者は通行禁止だ。
旧道を歩いて迂回することになる。
交通量が少なくてちょうどよい。
旧道といっても5年ぐらい前までは国道41号だった道路だ。
だけど車がほとんど通らなくて、空気もきれい。
気持よく歩いているうちに高山市に入った。
国道と合流したら、すぐに渚の集落が見えてきた。
また41号とはずれて、細い道を下っていく。
高山線・渚駅は集落のはずれにあった。
なにもない小さな駅だった。
駅の近くも古い民家が少し並んでいるだけ。
このあたりにバルコニーのある家を建てればいいのに。
そしたら「渚のバルコニー」ということで、ヒマな観光客が少しぐらい来るかもしれない。
また国道に戻る。
「道の駅・飛騨街道なぎさ」で休憩する。
とくに特徴のない道の駅だ。
だけどコンビニの1軒もないような田舎なので、とてもありがたい。
道の駅から2キロほど歩いた。
大衆食堂・峠屋が見えてきた。
いままで山登りの帰りなどに、何度も立ち寄っているところだ。
岐阜の名物、けいちゃん定食で昼食にする。
ここは家族経営の食堂だ。
テーブル席のほかに三畳ほどの座敷がある。
座敷も本来は客席なのだろう。
でもここの経営者の子どもたちの遊び場になっている。
小学生の男の子が3人だ。
毛布をマント代わりにして身にまとい、追いかけっこをしている。
ギャーギャーとうるさい子供の叫び声を聞きながら、けいちゃん定食をいただく。
鶏肉の切り方も大雑把で、味付けも唐辛子と味醂と醤油を適当に入れている。
このいい加減さが素晴らしい。
ついビールも注文して、のんびりしてしまった。
峠屋からまた国道を歩く。
1時間ほどで久々野の街に着いた。
街の真ん中、飛騨川沿いに牛臥山というのがある。
標高723mで、街中との高度差は50mぐらいだ。
せっかくだから登ってみよう。
山のきわの裏道のような所を歩いて行く。
お寺の庭に出た。
そこから山の中のお墓に向かって道ができている。
墓参り道をたどって登る。
墓の上は高圧鉄塔の保守道があった。
ということで簡単に頂上に着いた。
平べったくて、どこが最高点か分からない。
ウロウロしていたらカモシカがいた。
前回もゴルフ場で見かけたけど、最近のカモシカというのは人里近くに住んでいるのだろうか。
カモシカを追いかけていたら、山の反対側に下りていく道を発見した。
ちょうどいいから歩いて行く。
予約していた旅館が目の前に見える。
「三枡旅館」というところ。
まだ午後3時だ。
チェックインには時間がある。
久々野の街を観光することにした。
まずは農協で今夜の酒と肴を買い込む。
さらに歩くと高山線・久々野駅があった。
渚駅とあまり変わらない小さな駅だ。
駅前のバス停で時刻表を見る。
バス路線はすべて土日運休だ。
観光案内所も閉まっている。
ここも土日休みなのだろうか。
寂れきった駅を過ぎて、堂之下遺跡というところへ行った。
岐阜県最大の縄文遺跡だ。
隣接して入場無料の博物館がある。
入り口に鍵がかかっている。
係の人は遺跡広場の掃除をしていた。
呼んできて開けてもらった。
縄文土器などの展示を見学する。
珍しいものはなかったけど、他に誰もいなくて落ち着くところだった。
4時30分になった。
ちょうどいい時間だ。
旅館へチェックインする。
素晴らしい宿だった。
あまりに素晴らしかったので、
(続く)
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