今週は年度初めで忙しかった。
やっと落ち着いたので、飛騨川遡行の記録を書く。
3月29日(土)
前日から名古屋を出発した。
飛騨金山駅の駐車場に車を停めて車中泊した。
ここの駐車料金は、時間無制限200円だ。
だから今回は、ここに車を置いていく。
午前5時、まだ暗いうちに出発する。
夜明けの金山町を歩いていく。
歴史のある街だけあって、いろんな史跡がある。
ここは飛騨国の交通の要所だったのだ。
ところで、木曽川遡行は数人のメンバーで楽しく歩いていた。
今回の飛騨川遡行は自分ひとりだけだ。
他の人を誘っても、誰も乗ってこなかった。
まあ無理もないだろう。
わたしもじつは、ちょっと気が乗らなかった。
その最大の原因は「中山七里」だ。
飛騨金山から下呂までの区間を中山七里という。
狭い渓谷が続いている。
道は国道41号線だけだ。
交通量の多い幹線国道を、約20キロを歩くことになる。
飛騨金山の街外れに来た。
番所のあとが建っていた。
説明板によれば、ここから中山七里が始まるのだという。
すぐに国道に出た。
まだ朝早いけど、それでも車がたくさん走って行く。
排気ガスを吸い込みながら、とぼとぼと歩く。
トラックなど大型車とすれ違うと、強風にあおられ、よろめいてしまう。
洞門があると歩行者用の通路が作ってある。
少し安心して歩ける。
5キロほど歩くと対岸に渡る橋があった。
橋の向こうには、狭い道が通っていた。
それを辿っていくと高山線・焼石駅に着いた。
無人の駅舎に入って休憩する。
駅の近くは小さな街だ。
少しホッとする。
すぐにまた国道に戻る。
延々と歩いて行く。
もちろん途中には、たまに神社があったり、旧跡があったりする。
だけどどれも、たいしたことはない。
それよりも交通量の多さに疲れてくる。
七里橋というところから旧道が残っていた。
迷わずそっちへ行く。
旧道が終わり国道に戻ると、すぐに下呂の街が見えてきた。
12時だった。
やっと41号線から外れることができる。
のんびりと裏道を歩く。
飛騨川沿いに回転寿司があった。
思わず入店する。
寿司を10皿と瓶ビールを1本。
充実したお昼御飯だった。
寿司屋から下呂の中心街までは堤防があり、川の際に通路があった。
せっかく下呂温泉に来たから、入浴したい。
でも回転寿司で散財してしまったから、無料の露天風呂に入ることにした。
下呂大橋という、街の一番賑やかなところの下にある。
河原の真ん中に岩風呂が作ってある。
残念ながら、ここは素っ裸で入ることはできない。
パンツをはいて、お湯に浸かった。
さっぱりしたところで、また歩きだす。
国道と反対側の右岸を歩く。
「飛騨川カントリークラブ」という、ショートコース専用のゴルフ場があった。
そのすぐ横の藪を歩いていた。
草むらのうえにカモシカがいた。
こんなところを縄張りにしているのだろうか。
ちゃんと繁殖できるのだろうか。
心配になってきた。
しかしカモシカの心配をしている場合ではなかった。
道がなくなり、手強いヤブをかき分けて進むことになった。
やっとのことで畔道のようなところに出た。
そしたら花粉症の症状がひどくなってきた。
変なところを歩いていたからだろう。
しばらく畑の真ん中で倒れこんでいた。
気を取り直して、また歩いて行く。
萩原の街が見えてきた。
今日の宿が近づいてきた。
萩原大橋を渡る。
すぐにスーパーマーケットのバロー萩原店がある。
ここで今日の夜の買い出しをする。
そこから50メートルで料理民宿の「あまの」に着いた。
午後4時だった。
歩いた距離は35キロぐらいだった。
ここは一泊二食で5000円。
レストランを兼ねているだけあって食事も美味しかった。
愛想の良い女将さんとお話しながら冷酒を飲む。
酔っ払ったら眠くなった。
寝不足だったのだろう。
せっかく買い出しした酒や肴をそのままに爆睡してしまった。
(つづく)
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