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2013年11月09日17:10

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劇場版まどか☆マギカ 【後編】 永遠の物語 もしくは、まどマギとカリカ『魔王コント』の類似性。

劇場版まどか☆マギカ 【後編】 永遠の物語を見ました。

見終わった感想が、まさに、意外中の意外でした。その感想とは、「マンボウやしろが怖い。」です。意味が分からないと思います。これから説明します。

まどか☆マギカ。まさか、このアニメが、カリカの『魔王コント』だとは思いませんでした。
というか。厳密に言うと、キュゥべえの立場は、魔王コントの魔王の立場なのですね。

キュゥべえは言う。「宇宙の寿命を延ばす為に、魔法少女が絶望し、魔女に変化する力が必要と。」 元魔法少女は魔女になる。魔法少女に退治されるコトにもなる。でも、それは、人間が家畜を食べるように「仕方ないコトじゃないか。」と。
つまり。宇宙の寿命が尽きちゃったら、当然地球もなくなっちゃうワケですよね。まぁ、キュゥべえのいる星もなくなっちゃうんでしょう。宇宙が消滅するんだから。だから、大きな犠牲の前に、小さな犠牲は仕方ないじゃん。ってコトですよね。「その見返りに、人間は文明を作れたんだから、良いじゃないか。」と。

魔王コントの魔王は、勇者林景荘(りん けいそう)に言う。「魔王がいるのは、地球の平和の為だ。」と。林が「魔王は人を殺すじゃないか。」と問えば、「魔王がいなかったら、おそらく、人間同士で戦って、戦争ってモノをやって、今より死ぬ人間は多かったよ。」と。つまり「仕方ないじゃないか。」と。多くの人間を守るために、少しの人間を殺す。大きな犠牲の前に、小さな犠牲は仕方ないよねと。

キュゥべえと、魔王は、まさに、同じような立場なんですね。新作を見ていないのですが、キュゥべえって、コレを見る限り、おそらく、何処かの星のこっぱ役人なんですよ。殺しても生き返るから、換えは何体もいる(人工的に作ってんのかも知れないが・・・)、使い捨て可能なこっぱ役人。
おそらく、どこぞの星の偉いさんに「宇宙の寿命を延ばす為に、莫大なエネルギーを集めて来い。」って言われて、自分の仕事を全うする為に、地球に来てるだけなんでしょう。

前述の魔王も同じです。魔王は、元々は、人々の願いを叶えるタイガーバームの神様(タイガーバームを7つ集めると出て来ます・笑)なのですが、もっと上の神様から「多くの人間を守る為に、適度に人を殺せ」と言われているので、殺してるだけなんですね。しかも、ノルマがキツイとぼやく。ぼやきこそしないですが、キュゥべえが「もう、十分エネルギーは集まったから。」みたいなコトを言っていたので、おそらく、コイツにもノルマみてえなモノがあるんでしょう。

面白いですね。魔王コントは、2010年にカリカがやったコントライブなのですが、よもや虚淵さんが、魔王コントを見ているとは思えず、てか、見てないだろう(笑)。なのに、キャラに課した命題は似てるんです。

おそらく。やしろ氏も、虚淵さんも、そして、私の好きな松尾スズキもここに入れて良いと思うけど、ご都合主義や、綺麗事が好きじゃないんでしょうね。そういうのが嫌な人達。「世の中不条理なコト沢山あるじゃんか!人の命だって、重い軽いあるじゃんか!」そんな思いがあるんでしょう。で、同じような思考で嗜好の人間が物語を書くと、同じような立場のキャラクターが生まれ、同じようなべクトルに物語が進むんだな・・・と。

他も類似点・・・というか。『魔王コント』は、「通常こうなるだろう」という部分が、そうならなくて、それが笑いを生む・・という手法でやしろ氏は作ったそうです。例えば、勇者が旅に出て、タイガーバームを集めるのですが、これから冒険が始まるのか・・と思いきや、たまたますれ違った旅人が全部持っててすぐに集まっちゃうとか(笑)。なので、やしろ氏は「魔王が自殺したシーンで大爆笑が起きる」と思っていたら、全く会場内から笑いが起きず吃驚したらしいんですが。そりゃ起きんは(^_^;)。笑いが起きたのは、次のシーン。魔王の脱力系のオカシナ遺書の方ででした。(なので、私は、やしろ氏から話を聞くまで、お笑い教科書1頁に乗ってる緊張と緩和の笑いだと思ってた)

まどマギも、物語の「通常こうなるだろう」を裏切る作り方ではあるんですね。これから活躍するって思ってた、主要人物がイキナリ魔女に食われたり。魔法少女によくある付属品の可愛い動物かと思ったら、とんでもねえ奴だったり(可愛いって便宜上書いたが、私ゃ、キュゥべえのビジュアルが、気持ち悪くて仕方ない)。
魔法少女における処女性というセオリーは守るが、他は裏切って行く。その作り方も、根本は、やしろ氏の魔王コントの作り方と似てるような気がします。ただ、手段は同じでも、目的が違う。やしろ氏の方は、芸人だから、目的は「客を笑わせる為」。まどマギは「視聴者を驚かせたり、感動させたりする手段」として。

おもしろ〜い。

あ、そう言えば。魔王コントの林景荘は勇者だが、1度冥界におちて、魔王の眷属として現世に復活するんだったな。
まどマギは、魔法少女(希望)から、魔女(絶望)になる。

まどマギを見ていて、ぶわ〜〜〜〜っと、魔王コントを思い出し、コレを2010年に作ってた(2011年以降なら、まどマギにインスパイアされたのかな?で済んだのに・・・)、やしろ氏って何だろう?と思ってしまった。今年の『帽子ニ風ガ』を見て、私は初めて芸人の才が怖いと思ったが、今となっては、私ゃ、やしろ氏自体が怖い。なんかうすら怖い。こんなモノ作れたやしろ氏の脳内どうなってんだ?と。しかも、コントですからね。笑いとして作ってますからね、やしろ氏。どういう感性なんだろう?と思ったら、やしろ氏がキュゥべえのような得体の知れないモノに思えてきました。まぁ、ビジュアルは、確かに、得体が知れないかも知れませんが(笑)。

まどマギに話を戻すと。
1番私が衝撃を受けたシーンは、ほむらちゃんが、HP見ながら爆弾を作っていたところです。えぇ!?あれって、手作りだったの?てっきり魔法で爆弾出したのかと・・・。いや、最後の方は爆弾一杯出て来たから、あれは魔法の力で出したのだと思うし、何なら、爆弾なんて作ったコトなさそうな、少女がHP見ただけで、爆弾作れるとも思えないので、あれも魔法の力かも知れないんですが、見ていて「え!?手作り?」と画面に向かって言ってしまった。マミさんが食われるより、まどかちゃんが神様っぽくなるより、衝撃シーンだった。

杏子ちゃんが死んじゃうシーンで、涙が出た。あれ、死んじゃうって言うのと違うんだろうな。魔女にとりこまれて消えちゃう・・とか、そんな感じなんでしょうか。「1人じゃ寂しいよな。」って言って、元さやかちゃんだった魔女につっこんでいくのは泣けました。

さやかちゃんが最後、ちょっと救われていたのは嬉しかったです。ヴァイオリン聴けたし、まどかちゃんにも会えたし、あの男の子も見られたし。さやかちゃんとしては納得出来たんじゃないかと。

まどかちゃんは、最後、ようは宇宙を作りかえて、宇宙の法則を変えた・・・ってコトだと思うんですが、まどかちゃんまで、そういうお願いをする魔法少女はいなかったんでしょうか?みんな気づかなかったのかな?・・と思ったが、言ったところで、キュゥべえに「その願いは、君の魂とは釣り合わないよ。」とか言われたのかもね。まどかちゃんは、ほむらちゃんの行動で、沢山因果を集めて、すげえ魂が出来上がっちゃったらしいので。特注中の特注なのだろう。

魔王コントは、最後、勇者であった林が、自殺した魔王の代わりに、魔王になるも、何も事情を知らないチャライ兄ちゃんに「魔王死ね。」とお願いされて(前述通り、魔王は、タイガーバームの神様でもあるので、7個タイガーバームを集めた人の願いは叶えなきゃならない)、あっさり死んじゃう(んだと思う。コント上は林さんが「ばびょ〜ん」と驚いて、暗転)。
コレって、もし、願いとして「キュゥべえの星なくなれ」って言ったら、どうなってたんでしょう?
違う高度な知的生命体がキュゥべえの変わりに、地球に来るだけなんでしょうか?それとも、宇宙のバランスが崩れて『無』になったんでしょうか。

あれね。1番幸せな形って、ひょっとしたら「宇宙が生まれる前に戻せ。」と言う願いのような気がするんですよ。なら、誰も生まれず、こんなコトも起きず。でも、無になっちゃいますよね?
私、そうなったらどうしよう・・・と思いながら見ていたので、思ったより、デストピアではなく、希望のある終わり方だったような気がしました。まどかちゃんは概念になっちゃったケド、ほむらちゃんは覚えてるわけだし。

そして、私ゃ、キュゥべえは恨めないのだった。嫌な奴とは思うけど、やっぱり、コイツはコイツで、魔王コントの魔王同様、自分の理屈に従って、仕事してるだけだもんなぁ。ただ。私ゃ、前述の「大人数を助ける為には、少しの犠牲は仕方ないでしょ。」という考えは、理屈は分かるが納得は出来ない。
だから、私は、ボランティアをやったら、鬱状態になって、寝込んだんだケド。だって、助けるのに取捨選択をしなきゃいけない。助けを必要としてる人達を全員助けられない。それって変だって思ったんだもの。私はその時「全員助けられないなら、せめて、気ぐらい狂えよ!」と思った。で、まぁ、私は、自分の気が狂ったんだが・・・。
いや、分かりますよ。私の言ってるコトはムチャクチャです。
命には重い軽いがある。そんなコト知ってますよ。国境なき医師団もそうですよね。担ぎ込まれて来た患者にレッドタグが付いていたら、その患者に息があっても、治療しません。いくらそばで母親が「まだ、息があるじゃない!この子を助けてあげて!」と言っても、助けません。
レッドタグは、治療しても助かる見込みが殆どなしをしめすから。その人を治療する薬品で、グリーンタグの人を何人も救えるから。だから、取捨選択をする。しなければならない。

そんなコトは分かってるんですケドね・・・。でも、こう・・・納得出来ない何かがあり、この摂理の不条理感というか、そんなモノを感じるのです。だから、私は人生生きにくいんだな・・・とも思う。

まどマギの魔法少女たちもそうだよね。取捨選択。宇宙の寿命を延ばす方が重要で、それは、宇宙がなくなったら、今の地球の生活もなくなっちゃうからで、だからアンタら犠牲になってね・・・なのだが、やっぱり、それは、理屈は分かるも納得は出来んじゃないですか。
てか、インキュベーダーとか言う生き物は、高度な生き物っぽいんだから、他に方法考えられなかったのか?とも思うよな。まぁ、考えられなかったからあれなんだろうけれど。
ところで、インキュベーダーって、インキュバス+インベーダー=インキュベーダーだろうか?

ビジュアルは気持ち悪いケド、やっぱり、キュゥべえも悪ではないよなぁ。

新作は、この続きらしいのですが、これ、上手く終わってるような気もして、どうやって続けるんだろう?と思います。
あと、面白かったので、引き続き、TV版も見ようと思います。劇場版だとカットされた部分に、私の好きそうな場面が沢山ありそうだな・・とも思うので。

魔法少女にジャンヌ・ダルクっぽい女の子がいたのも良かったです。ジャンヌは魔女として処刑されちゃうケド、そうか、元は魔法少女だったんか〜って。ジャンヌちゃん可哀想だよね。聖人に認定されるの、500年後なんだよ・・・。キリスト教の為に頑張ったのに・・・。ジャンヌのキュゥべえとの契約の願いは何だったんだろう?「キリスト教に幸せあれ。」かな?

あ、あと、最後のまどかちゃんとお母さんの会話も良かったです。「私はよい子に育ったって、お母さん言ってくれた。」のところ。あそこも、涙ば〜泣き顔

1つ気になるコト。まどかちゃんの1番初めのキュゥべえとの契約の願いって何だったんだろう?それが結構気になる。「未来、現在、過去、すべての魔女が生まれる前の世界へ」って言う、宇宙再編成は、ほむらちゃんが、時間旅行を繰り返した結果、ああなって、願ったお願いだよね?冒頭の、普通の女の子ぽかった、まどかちゃんの最初の願いって何だったんだろう?TV版で出て来たりするのかな?それが気になった。

オマケ。カリカ魔王コントのレポ。長いので、読む気力のある方推奨(笑)

前編↓
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1513611155&owner_id=429476

後編↓
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1513745610&owner_id=429476&org_id=1513611155

魔王コントのOP。何回見ても、これからお笑いライブが始まるとは思えない・・・(笑)。天使殺しと私は呼んでいる。

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