この一週間で映画を3本観た。
簡単に感想を書く。
「ムサン日記」
韓国映画だ。
主人公は脱北者、北朝鮮から韓国へ逃げてきた若者のムサン。
韓国は国民総背番号制だけど、脱北者は「125」で始まる番号を与えられている。
身分証明書を見れば、すぐに脱北者だと分かる。
それで差別にあう。
ひどい話だ。
映画の中で象徴的なシーンがある。
脱北者が安アパートに集まって「俺たちはこんな生活をするために北から逃げてきたのか」と、ぼやきあうのだ。
主人公のムサンは、韓国の社会に溶けこむことができない。
風習や価値観がすごく違うからだ。
友だちが万引きした服をムサンにプレゼントする。
ムサンは、それは悪いことだ、と言って店へ返しに行こうとする。
だけどムサンは、平気で違法なビラ張りのアルバイトをしている。
北朝鮮には万引きはあるけど、違法ビラがないからだ。
北朝鮮には風俗がない。
だからムサンは、よくわからないままに風俗のおねーさんに誘われてカラオケで合唱したりする。
女友達はそれを見て激怒する。
それでもだんだん韓国社会に適応してくる。
友だちを裏切ったり、人を騙したりするようになる。
だけどムサンは不幸になるばかり。
最後はムサンの自殺を暗示して終わり。
お気楽韓国ドラマとはえらい違いだ。
「先生を流産させる会」
価値観というのは場所により時代により違うものだ。
北朝鮮と韓国だけじゃなくて、現代の日本と江戸時代でもだいぶ違う。
子供というのは、そういう自分が生きているところでの価値観、倫理観などが、まだ身に付いていない。
だから少年法というのがあって、死刑にならないとか刑法が適用されないとか決まっている。
とくに中学生になると自我が目覚める。
どうして人を殺してはいけないのだろうと、頭の良い子は考える。
この映画は、愛知県で本当に起きた事件をもとにしている。
でも楽しい映画だった。
先生を流産させようと策略をめぐらす女子中学生。
それに気づいて防御する先生。
ルパン対ホームズのような、対決バトルの活劇映画だった。
女子中学生は、自分が女性になることに嫌悪感を持っている。
それで女性の象徴である妊娠が許せない。
最後は、女子中学生が先生を流産させて、自分が女性になることを受け入れ、仲直りしておしまい。
「口裂け女捕獲作戦」
これがいちばん面白かった。
監督は白石晃士さん。
この人は日本映画史上、十指に入る名監督だと思う。
「グロテスク」「ノロイ」なんか、何度繰り返して観たことか。
口裂け女の正体を探る、ドキュメント風のホラー。
とにかく怖い。
口裂け女が超スピードで追いかけてくる映像なんか、鳥肌が立った。
劇場公開は名古屋だけだそうだ。
あとの地方の人たちはレンタル屋さんでどうぞ。
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