大津の事件をきっかけに、
いじめ問題が再びクローズアップされている。
大津の事件は、個人的にものすごく気になっていたが、
非常に重いテーマであり、
ブログに書くのを躊躇していた。
が、やはり考えたことを書き綴っておくことにする。
日本では、いじめ自殺は何十年も前から問題となってるが、
海外ではほとんどない。
日本と海外で、何が違うのか?
ひとつめ。
日本社会では、「逃げ場がない」ということが
大きな原因だと思う。
学校を辞めたら人生が狂う、
と思っている子どもは今だに多い。
大人社会でも、会社を辞めれば、
やれ「逃げるな」だの、やれ「忍耐が足りない」だのと
槍玉に上がる始末である。
『危険を感じたら逃げる……』
それは、動物としてごく当たり前のことじゃん。
決して責められることでもないし、
恥ずべきことでもないはずだ。
やばいと思ったら、妙なプライドは捨てて、
逃げて逃げて逃げまくるべし!
いじめっ子の姿が見えなくなる所まで……。
「逃げることは恥ずかしいこと」
という文化が、いじめられっ子を追い詰めている現実は
無視することができまい。
二つ目の原因として、
「いじめへの嫌悪感が不足していること」があるのではなかろうか。
「いじめられる原因を持つほうも悪いのではないか」
という暴論が、いまだに耳に入ることがある。
さきほどの例で、学校や会社から逃げた人が責められる、
というのも、
世間がいじめられっ子に厳しいことの現れだろう。
いじめは、大人社会でもある。
企業社会でのいじめっ子こそ、
私がいつも目の敵にして「社畜」と呼んでる人々だ。
※「社畜」の定義
http://yaplog.jp/oomizuao/archive/202
この国では、大人のいじめ=パワハラにも異常に甘い。
これまで、パワハラで投獄されたり、
実名報道された例を、私は知らない。
(物理的に殴って、傷害致死罪に問われたケースを除く)
その結果、企業の雰囲気が荒れ果て、
過労死、過労自殺、うつ病などが
この国に蔓延してるのだと思う。
子ども社会は、大人社会の縮図。
大人社会のゆがみは、かならず、子ども社会にも現れる。
ときには、大人社会以上にグロテスクな形で……。
ちなみに、「元いじめられっ子」の大人物は腐るほどいるが、
「元いじめっ子」の大物なんて聞いたことがない。
無責任な言い方になるが、一般論でまとめると、
「いじめられっ子は、まず安全なところに逃げて欲しい。
そして、大人物になって
いじめっ子を見返して欲しい」と願う。
辻仁成 「海峡の光」のようなシチュエーションで。
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