大震災からほぼ半年。
Sさんという方から、お見舞いに行くことのお誘いを頂いた。
被災地には、Sさんと共通の友人がいる。
それでもけっこう悩んだ。
現地が今、どんな状態かわからず、
はたして伺ってよいものなのか?
凄惨な現場に、どんな態度で向き合えばいいのか?
だが、「ぜひ東北地方に来て、現場を見てほしい」
という現地の強い願いがあることを知り、
ご一緒させていただくことを決めたのだ。
現地では、
ご家族から、周辺を案内していただいた。
半年経ったとはいえ、
現場を見ると、なんと言っていいのかわからない。
なので、客観的な事実を中心に書くことにする。
一見、ごくありふれた草原に見えたところ。
草の下では、
一面、家の土台と思われるものが連なっている。
生えている草をよく見れば、海岸の植生だ。
(海からずっと離れているのに)
もっとひどいところでは、
この猛暑なのに、枯れ野が広がっていた。
地面は、塩をかぶって白くなっている。
また、本来であれば、
貝殻やら海草やらが散乱しているはずの海岸では、
食器の破片、ガラスなどが散らばっている。
一方で、一階部分が駐車場などになっている建物
(ファミレスなどによくある構造)では、
津波が下を抜けていったためか、
被害が比較的軽いことが多いようである。
案内してくださった方は、
「津波はとんでもなく恐ろしいものであること。
普段から、逃げる方法を考えておくことが大切」
とおっしゃっている。
今回訪れた地域でも、
とにかく逃げ場がないのが印象に残った。
7キロも8キロも走らないと、
高台や高層建築物に辿り着けないのだ。
地球上で生きている限り、自然災害は避けられない。
もし災害が起きたとき、どのように逃げるかは、
普段から真剣に考えておく必要がある。
我が家も、海から数キロの関東平野のゼロメートル地帯。
「明日はわが身」であることだけは確かだ。
鎌倉の「露座の大仏」がその証拠。。。
鎌倉の大仏も、昔は建物の中にあったということだが、
たびたび津波で流されるから、
再建を諦めてしまったということだし。
自然が相手ならば「●●すれば絶対大丈夫」
ということは、絶対ないことも認めるべきかもしれない。
たとえば、イエローストーンが噴火すれば、
北半球には、まず住めなくなると言われる。
そのくらいのレベルの「非常事態」まで、ときには
考えておくことも必要ではなかろうか。
なお、よく
「1メートルの『波』では被害が起こることないのに、
1メートルの『津波』となると、なぜあんなに怖いのか?」
と言われるが、
一般の波と津波では、「波長」がまったく違う。
津波は、波長がとんでもなく長いので、
破壊力が強くて、比較もなく危険。
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